図書館業務を一手に背負う司書になるためには?
図書館は本が好きな人、多くの本が読みたい人、学校の課題の為に資料に当たらなければならない人などにとって非常にありがたい存在です。ベストセラー書籍もあれば、本屋どころか古本屋でも見かけなくなった本さえあるので、読みたかった本を読める可能性が高い手段となってくれるのです。
そして本が好きな人は、一生に一度くらいは「図書館で働きたい」と考えたことがあるものです。図書館で働くために必要な資格として、今も人気のある司書資格の取り方などを説明していきます。
司書の役割とは
図書館で働く司書は、図書貸し出しの手続き、蔵書の修復、返還された図書の整理、入荷した蔵書の目録作りなど、図書館の運営と蔵書の維持に努めています。
司書がいなければ、図書館の蔵書は無秩序に持ち出されて返還されないし、蔵書が分類に関係なく書架に置かれるし、手に取ったら崩れてしまうほどボロボロになった蔵書を読まなければならなくなってしまうのです。
つまり、司書は図書館のサービス水準を維持するために無くてはならない存在なのです。
司書になるには
司書の資格を得るためには、大学・短大・高専の卒業資格もしくは大学・短大に2年以上在学していて62単位以上を修得済みであることが前提になります。
大学によっては、司書資格を得るための授業を行っているのですが大抵の場合は集中講座として行われる司書講習を受講して修了する事で司書資格を取得する事になります。つまり、「司書になるための授業の単位を修得して卒業」「司書講習を受けて修了する」ことが司書資格の条件となるのです。
司書講習は、全国13の大学で受講する事が出来ますが、通信講座を利用して受講する事も可能です。
司書補になってから司書になる方法も
このように、司書になるためには大学・短大・高専の「卒業すると学士が貰える」学歴が必要になります。最終学歴が中学・高校卒業の人の場合、司書補になってから司書を目指すというルートもあります。
司書補になるための条件は「司書資格を持っている」「中学・高校卒業、または高専三年次修了済みで、司書補講習を修了している」ことが挙げられます。そして、司書補として三年以上勤務経験があると司書講習を受けて司書資格を取得する事が出来るようになるのです。
司書としての就職先は先細る一方?
司書資格は、「安定した仕事のある図書館で働ける資格」として既婚女性に人気がある資格ですが、最近は司書資格を取得しても必ず図書館で働けるというわけではなくなってきているのです。司書資格取得者は毎年一万人前後誕生するものの、図書館へ就職出来た人は500人程度と倍率20倍の狭き門となっているのです。
そして指定管理者制度の導入によって、公立図書館などの公的機関の運営を民間に委託する事が出来るようになったため、派遣社員が図書館員として働いている図書館が増加しているからです。その為、司書資格が無くても図書館で働く事が可能になり、司書資格を持っている人にしわ寄せが来ているのです。
このように、司書資格は取得しても就職に有利になるわけではないというのが実情なのです。