主婦必見!!仕事を続けたいなら労働基準法を知っておこう!|トピックスファロー

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2015年4月30日
主婦必見!!仕事を続けたいなら労働基準法を知っておこう!

結婚してブランクのある主婦も、そうでない主婦も、働くなら労働基準法を知っておきましょう。パートでも労動契約書を交わしましょう。最近は、長期契約のパートなら、正社員と大差ない福利厚生を受ける権利があります。有給も産休も育給の権利があります。

ライター
  

「妊娠・出産・子育て」働く女性の権利は法で守られている

女性の働きにくい職場

女性は妊娠後、どうしても働きにくくなります。
無理をして重たいものを持ったりして流産でもしたら取り返しがつきません。

赤ちゃん

重いものを持つ等、胎児に悪影響を及ぼすような作業をしない軽いデスクワークに異動し、周囲も温かく見守って協力する義務があることを知っていますか?
どんなに忙しい時期だとしても、胎児の生命が優先です。

でも、経営者や周囲の社員からすると、過繁期に戦力が欠けるわけですから、辞めてもらって、即戦力になる新しい社員を雇った方が良いに決まっています。
そういうわけで、辞めるように促されたり、意地悪をされたり、冷遇されることも多いのです。

特に、男性社員には女性のつわりのひどさや妊娠中のさまざまな辛さを理解に欠ける冷たい態度が多いようです。
「この忙しいときに……」という気持ちはわかりますが、もしも、自分の奥さんがそのような目に合って、ストレスで胎児に悪影響でもあったらどうしますか?

昨今の不景気で、夫婦共働きが一般化してきた世の中で、奥さんの収入も一家の2本の大黒柱の1本になっているのです。
何処の会社にも、奥さんには出産しても働いてもらわないと家計が苦しくなる男性もいるはずです。
もしも自分の奥さんが妊娠したことで、会社で冷遇されていると思ったら、心配でたまらないと思いませんか?
労働基準法で、妊娠中の女性の権利として、楽な部署に異動、重いものを持たない、残業を強いるようなことをしない等の協力を得る権利があることを知っていますか?
奥さんがその権利の行使ができずに、職場で無理を強いられたり、冷遇されていたら、腹が立つのではないでしょうか?

女性はもちろん、男性だって、自分の奥さんがいつそのような状況になるかわからないのですから、自分の時のためにもみんなで妊娠中の女性のアシストをしてあげるのは当然の優しさではないでしょうか?

中小企業や零細企業では、経営者が、出産休暇・育児休暇のことは知っていても、妊娠直後の不安定な時期に、女性が楽な部署への異動を申し出た場合は、女性の願いはかなえられる権利があることを知らない場合があるのです。

復帰後、辞職に追い込まれる

ぐったり女性

出産休暇・育児休暇を終えて、会社に復帰した女性が冷遇され、辞職に追い込まれるケースも多いのです。
なぜなら、育児中の主婦は、子供の都合で早退や休暇も予想されるからです。

それなら、産休・育休の代替要員でパートに来てくれていた未婚女性や子どもの手が離れた女性に仕事を代わってもらった方が、安心というものです。
それに、もし若い未婚の女性が代替要員だった場合、産休・育休期間に2年足らずの間に、彼女の方が会社に馴染んで、周囲から人気があるような場合は、育休から復帰した女性の居場所が無いこともあるのです。

会社側は、「君は休むことも多いから、彼女に手伝ってもらってね」といった感じで言い訳をするでしょうが、だんだん居辛くなって、辞職に追いやられる事例も実際にあるのです。
これらの場合、「会社に迷惑をかけているから仕方ない」と自分が悪いと思って辞めるケースが多いのが実情です。
これは、明らかなマタハラ環境だといえるでしょう。違法です。

「マタハラ」って知っていますか?

「マタハラ」という言葉を聞いたことがありますか?
正式には「マタニティ・ハラスメント」というのですが、マタハラは、セクハラ(セクシュアル・ハラスメント)、パワハラ(パワー・ハラスメント)と並んで、3大ハラスメントの一つと、労働基準監督署は把握しています。

連合非正規労働センター(連合)の「マタハラに関する調査意識」(働く女性626人を対象)によると(実施期間:2013年5月13日~5月15日)、

マタハラの認知度は、なんと6.1%という低い数字が報告されています。
また、働く女性自身も、妊娠・子育ての関する権利が労働基準法で守られていることを知らない人が50.3%もいて、自分がマタハラ被害者だと回答した人が25.6%と、セクハラ被害者の17.0%(昨年の同連合の調査による)の数字を上回る被害が報告されています。

マタハラを我慢しないで!

マタハラ被害者のうち、45.7%もの人が「我慢した」と回答し、「周囲にマタハラ被害者がいた」と回答した人も23.2%いました。
同連合は、働く女性を守るために、「マタハラ」の周知に努めているようですが、まだまだだそうです。

同連合は「マタハラ手帳」というものもインターネットで公開していますので、妊娠・産休・育休・育休後の女性は、インターネットで検索して見てみることをお勧めします。
電話相談窓口もあるんですよ(TEL:0120-154-052)。「いこうよ。れんごうに」で覚えて下さい。

まず知られていないのが、「妊婦検診は就業時間中に行っても良い」ということです。
強制ではありませんが、健康診断と同じで、妊婦検診も就業の一部と考えられるのが理想です。
※但し、妊婦検診が終わったら、就業に戻らなければなりません。
事業主から有給休暇を強制することは違法ですが、女性の方から有給休暇を申し出るのは自由です。

「母子健康管理指導事項連絡カード」を入手しよう

また、妊娠中や出産後の女性労働者が医師などから、通勤緩和や休暇などの指導を受けた場合は、厚生労働省のホームページからダウンロードすることで、「母子健康管理指導事項連絡カード」を入手できますので、医師に記入してもらって事業主に提示しましょう。
事業主は積極的に適切な処置を取らなければなりません。
マタハラ手帳にも記載があります。

以下のことは法で定められている基本的な権利なので、就業規則で定められていなければなりません。(妊娠手帳より)

妊娠中
・妊娠したことによる解雇制限
・労働時間の短縮処置
・通院休暇、通勤緩和、妊娠障害休暇
・危険有害業務の就業制限
簡易業務への転換
出産
・解雇制限
・産前産後休業
産前産後休業中の有給休暇の取り扱い(出勤したものとみなす)
・育児休業
職場復帰
・解雇制限
・育児時間の規定(生後1年未満の乳児を保育している場合)
労働時間の短縮処置
(3歳未満の幼児を養育している場合、1日6時間の短時間労働や残業免除他)
・子どもの看護休暇

このようなチェックリストが妊娠手帳にありますので、あなたの会社の就業規則に上記の規定があるかチェックしてみましょう。

マタハラのない働きやすい職場

労働基準法や男女雇用均等法によって、こんなに女性労働者の妊娠・出産・育児の権利が手厚く保護されていることを知っておきましょう。
これらの権利の保護を受ける女性よりも、事業主や周囲の男性陣に知ってもらえたら、マタハラ被害者なんていなくなると思いませんか?

外人女性

いかがでしたか?
法律を知っているだけで、自分の身を守れます。
政府は子どもの出産を奨励しています。
それなら、働く女性の妊娠・出産・育児の職場環境を保護することを、まず国をあげて重要政策事項にして頂きたいものです。
そうしないと、生活を守るために、妊娠しても出産できない状況に追い込まれてしまいます。

経営者が利益を追求したい気持ちはわかりますが、有能な女性を職場から追い出し、働きたい女性の職場がどんどん減ってきています。
子育てが一段落してから働くのでは、ブランクがあって再就職は難しい状況にあります。

妊娠・出産しても会社に残れるように、働く女性が、自分の権利を知って会社に要求するだけでなく、妊娠・出産・育児をする女性の権利を周知し、職場が組織的に協力し、マタハラ被害者がいなくなるよう世の中になってもらいたいものです。
世の男性は、「自分の奥さんが、マタハラ被害者になったら?」と想像してくれれば、マタハラ加害者はいなくなるのではないでしょうか。

【参考】
※ マタニティ・ハラスメント(マタハラ)に関する意識調査 ‐ 連合非正規労働センター(調査企画:エポックシード株式会社)
http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/chousa/data/20130522.pdf
※ 働くみんなのマタハラ手帳 ‐ 連合男女平等局&非正規労働センター
http://www.jtuc-rengo.or.jp/gender/matahara/data/matahara_techo201310.pdf

著者:宝生桐子

ライター
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法律関係・心理学・メンタル関係の多数の資格を利用して、今までさまざまなコラムを連載して参りました。
わかりやすい文章で、さまざまな生活お役立ち情報をご紹介させて頂きます。どうぞよろしくお願い申し上げます。