ラーメン屋の開業を志すならば何をすべきか?|トピックスファロー

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2012年9月11日
ラーメン屋の開業を志すならば何をすべきか?

今や日本人の国民食として生活に定着した料理・ラーメン。どんなさびれた町にも必ず店があるほど手堅い商売と言えるラーメン屋でも、長期経営するにはそれなりの苦労があるもの。ラーメン屋を開業する時に意識しなければならないことは何なのでしょうか?

WEBライター
  

ライバルの多いラーメン屋開業で成功するには?

飲食業の中でもラーメン屋は、その気になればただのラーメン好きでも明日から店を出せるほどに手軽でかつ一発当たれば大きいという、ビッグドリームが眠っています。
しかし、飲食店の新規開業のうち3割は一年以内に廃業してしまうといわれるほど難しい物で、毎日のように新規開業するラーメン屋のような激戦区では、開店から3か月で店を閉める人さえ少なくないのです。
ラーメン屋を開業して成功を収めるためには、どのようなポイントに気を付ければいいのでしょうか?

値段設定を考える

ラーメン屋はその気になれば500円以下の低額から1000円前後の高額まで自由に値段を設定できます。しかし「そこいらの社員食堂なら300円で食えるラーメン」に1000円近い値段がついていたら客は離れていくし、「750円くらい取ってもいい味と内容にラーメン」が400円程度の値段になっていたら客は喜ぶけれども利益が薄いので店の経営体力が長く持ちません。

このように、「原価○円でラーメンを作り売価□円に設定して何円の利益を出すか」を意識しておかないと経営自体が続かないのです。

店を出す場所を考える

ラーメン屋の出店先として理想的なのは、「競合相手がいない」「潜在的な需要が見込める」「交通量も十分ある」というような条件を満たしている土地ですが、新規開店であっても居抜きの中古店舗を利用することが多いのでどうしても開店前のイメージに引きずられてしまうことが多い物です。

そのため、以前もラーメン屋だった物件を借りると「前の店が復活した」と思っている客が来て、「前と味が違う」とトラブルになることさえあります。

また、幹線道路沿いに出店するラーメン屋は多いものの脇道への交通量が少ない場所だと思ったよりも集客が伸びず苦戦することもしばしばです。

店の雰囲気を考える

ラーメン屋は他の飲食店に比べて特殊な雰囲気を持っている傾向にあるものです。たとえば漫画雑誌・単行本が多量に用意されていてその気になれば何時間でも居付けそうな店、客一人一人がラーメン一杯に集中することを求められている店、小上がりが多く団体・家族連れが歓迎されている店など様々です。

こうした店の雰囲気は客の回転率やサイドメニューの注文率など、売り上げに少なくない影響を与えていくものです。薄利多売で客の回転を増やさなければならないなら本や新聞は置かない、利益率の高いサイドメニューを売りたいのなら小上がりを用意して団体・家族連れに対応する、というように経営戦略と同時に内装を考えていくことが大事です。

味と利益率を両立できるラーメンレシピを考える

いよいよ主力商品となるラーメンの出番です。店を出すからには、ラーメンの味は美味しいに越したことはないけれども、商売としてラーメンを扱う以上は味で顧客満足度を引き出し、レシピで利益を引き出すようにしなければなりません。その上で流行しているスタイルを取り入れ、自分なりのオリジナリティを出していくということになります。

どのようなレシピが理想的かというと「材料の入手が容易であること」「調理工程が複雑でないこと」「味も悪くないこと」を満たしていることが重要です。
なぜなら、特別注文しないと手に入らない材料が一つでも含まれていると、入手の困難さは価格に跳ね返ってきます。またスープの仕込みなど調理に時間が掛かると、一回の営業で出せる数が限られてしまい受け入れられる客の数も自然と減ってしまいます。
そして味はそれなりに美味しくないとどんなに斬新なラーメンであっても客が居付かないのです。

接客態度に気を付ける

ラーメン屋の店主は、なぜかは知らないけれど態度が大きくなっていくものです。「頑固おやじのやっている店は美味い」というイメージがあることは確かですが、振る舞いから入っていった店というものは例外なく不味いものです。

ラーメン屋を含む飲食業というものは、店主・店員の接客態度が来客を左右するものです。なぜなら誰だって気持ちよく美味しい物を食べたいからです。

どんなに美味しい料理を出す店でも、接客態度が最悪ならそれだけでネットの口コミ評価が星一つになることはざらにあることで、評判低下で閉店に追い込まれることは珍しいことではなくなっているのです。

店内の衛生にも気を付ける

ラーメン屋はスープの仕込みやチャーハン・餃子などで油汚れがひどくなる傾向にあります。テレビなどでは「汚い店の方が美味い」と言われていますが、汚いということはそれだけ店内の衛生維持に無頓着であるということを表しているのです。

そして汚くなくてもラーメン屋は虫が居付きやすい環境になっています。常にコンロに火が入っているため窓を開けていなければならないほどの暑さ、麺や具材の切れ端が転がる厨房床、調理台の下などに隠れる場所がいっぱいある、蛇口が頻繁に開けられる水回りなど、虫に取っては絶好の条件がいくつも重なっているのです。
だからこそ、店はなるべく綺麗に掃除するだけでなく、店休中に衛生環境を改善するなどの処置を施さなければいけません。

著者:海老田雄三

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芸能、アニメ、ゲーム、音楽あたりが得意分野のはずが、気が付けばなんでも書くライターになっていました。アニメ、ゲームなどのサブカル誌によく寄稿しています。