朝食をとらないと脳の大きさが変わる?
地球は1日24時間で回っているのに対し、体内時計の1日は、地球の周期よりもほんの少し長いのです。そのため朝起きて日の光を15分以上浴び脳に1日の始まりを教える必要があります。こうしないと体内時計はリセットされないのです。脳科学の観点からいうと脳は30歳位まで成長を続けるといわれています。そのため、脳のエネルギー補給は重要です。朝食を抜くと長時間脳にエネルギーが補給されない状態が続きます。
脳にエネルギーを与えないでいると、働きが悪くなるだけでなく、成長にも悪影響を与えます。
その証拠に、朝食をとる習慣がある人の脳と無い人の脳を比べると、朝食をとる習慣のある人の脳の方が大きいというデータがあるのです。
また、脳内のマスタークロックをリセットして身体中に朝をお知らせしても、朝食をとらないままでいると、エネルギー不足で脳の働きも悪く、朝起きても、身体がだるい、頭がボンヤリしている、といった状態となります。
車に例えると、ガス欠状態で車を無理やり動かそうとしているようなものですから、スムーズに活動できないというのも無理もありません。
脳にエネルギーを与える食べ物
実は、脳の中のマスタークロックに対し、「腹時計」と呼ばれる内蔵時計もあります。朝ご飯をしっかり食べ、内臓を刺激することで身体の活動を促します。脳内のエネルギーはブドウ糖のみですから、朝食はブドウ糖の原料となる炭水化物がお勧めです。しかし、炭水化物なら何でも良いというものではありません。
その食べ物を摂取したときに血糖値が上昇するスピードを表す値を「GI値」というのですが、低GI値で(血糖値の上昇が遅い)消化が遅く腹もちの良い食べ物方がお勧めです。
消化されるとブドウ糖に変わる食品は炭水化物(米・パン)ですが、炭水化物を単体で摂取するよりも、一緒に摂取すると、GI値が下がる食品を組み合わせたメニューを考えた方が、脳に効果的にエネルギーを与えられます。
豆・豆製品(納豆・味噌・豆腐等)や牛乳・乳製品(牛乳・ヨーグルト・チーズ・バター)、ナッツ類、魚、鶏肉、バナナを摂取するとGI値を下げるのに効果的だと報告されています。
さらにブドウ糖が脳で合理的に吸収されるには、ビタミンB群(豚肉・ぬか漬けetc)が必須です。また、体温を上げるために、温かい食事、お味噌汁やスープも効果的です。さらに食後のコーヒーや緑茶もカフェインが脳内をスッキリさせて集中力も増加させるので、頭の働きを良くします。
このように、朝からしっかりと食事をして、エネルギーを補給しないと脳も身体も活動的に働かせることはできないということですね。
睡眠ホルモンのメラトニン生成の食材
先述した、朝のエネルギーに有効な食材は、睡眠ホルモン(メラトニン)生成に必須の成分、トリプトファンを含んだ食材とビタミンB群の食材です。このメラトニンの生成成分トリプトファンは、ビタミンBと一緒に摂取しないと体内でメラトニンに合成されません。つまり、朝の朝食で、脳内のエネルギーとして有効な食材の組み合わせがそのまま睡眠ホルモンの生成食材となるのです。
実は、メラトニンは、昼間は幸福ホルモン(セロトニン)という脳内物質として活動しています。このセロトニンは、セロトニン神経と呼ばれ、身体を動かす筋肉に指令を出す神経細胞に動くように命令する関節神経なのです。
表情筋を動かして表情を作ったり、活動的に動いたりするためには、筋肉を重力に逆らって動かさないといけません。その筋肉を活発に動かすには、セロトニン神経がまず活発に働かないといけません。
また、セロトニンはストレスを緩和させることにも使われます。だから、せっかく朝からセロトニンを活発に活動させていても、ストレスの多い環境に身を置いていると、ストレス緩和のために消費されて消えてしまうのです。
就寝後3時間が大切
セロトニンは体内で作ることのできない必須アミノ酸です。が、単体では充分に合成されません。なので、バランスのとれた食生活と適度な運動と、ストレスの少ない楽しい生活ができるように心掛けましょう。人生楽しいことばかりではありませんが、セロトニンは非常に消費しやすい脳内物質なので、セロトニンを無駄に使ってしまわないように、ストレスに強い精神力を作る考え方を身につけましょう。そのためには、別の好きなことに集中させることで、ストレスから気を紛らわすことができるようにできるようにするなど、日ごろの訓練が必要です。
夕食をとってからは好きなことをして、入浴で身体の疲れを癒し、交感神経を副交感神経に変換しやすいような環境を作る。リラックスモードに身を置きましょう。
寝る前には、ホットミルクでも飲んで完全にリラックス。眠くなってから床につくことをお勧めします。とにかく床について3時間の熟睡が良質な睡眠のカギなのです。小腹がすいて眠れないときは、バナナがお勧めですよ。