高血圧グレーゾーンの方はすぐに予防・改善計画をスタート
学生時代は別にどうってことなかった健康診断での血圧測定。
しかし中高年になると気持ちは一転、正常値の枠から大きくはみ出していないか、毎年ドキドキしてしまうものです。
万が一医師や看護師さんに「ずいぶん高いですね~」などと言われようものならさあ大変、家族や周囲にバレないよう健康診断書を隠してしまいたくなります。
高血圧は生活習慣病の一種であり、恐ろしい脳卒中の引き金にもなるものです。
単なる頭痛が起きるだけでなく病気の爆弾を抱えているようなものですから、発症ギリギリの“グレーゾーン”だった方は、すぐに予防・改善計画をスタートさせましょう。
血圧を下げる食べ物を積極的に取り入れる
予防・改善のために先ずすべきことが、日々の食事内容の見直しです。
血圧を上昇させるような食べ物ばかり摂取していたら、ただちに改めて、血圧降下に効果的な食べ物を積極的に取り入れるようにしてください。
カリウムを多く含む食べ物
ミネラルの一種カリウムには、体内の余分な塩分を体外へと排出してくれる働きがあります。
塩分は高血圧の大敵ですから、カリウムを多く含む食品を積極的に食べるようにしましょう。
カリウムは特に野菜・果物・いも類・豆類・海藻類に多く含まれています。
分類 |
食品名 |
100gあたりの |
野菜 |
パセリ |
1000 |
ほうれん草 |
690 |
|
芽キャベツ |
610 |
|
春菊 |
460 |
|
果物 |
アボガド |
720 |
バナナ |
360 |
|
キウイフルーツ |
290 |
|
りんご |
110 |
|
いも類 |
じゃがいも |
410 |
豆類 |
大豆 |
1900 |
きな粉 |
1900 |
|
小豆 |
1500 |
|
枝豆 |
590 |
|
海藻類 |
昆布 |
5300 |
わかめ |
5200 |
|
とろろ昆布 |
4800 |
※カリウムの摂取量に制限はありませんが、腎臓疾患のある方は摂り過ぎに注意しましょう。
玉ねぎ
玉ねぎの辛み成分である硫化プロビルは、空気に触れるとチオスルフィネートに変化する性質を持っています。このチオスルフィネートには血液をサラサラにする、血流を良くする、血糖値を下げるなどの効果があることが分かっています。
より多く摂取するためには、生の玉ねぎを食べるのがベストです。
繊維に沿ってスライスしてから10~15分くらい放置し、空気に十分触れさせましょう。
その後は水にさらさず(水にさらすと硫化プロビルが溶け出してしまいます)に、サラダなどにして食べてください。辛さが苦手という場合は、甘味の強い新玉ねぎを利用するのがお勧めです。
トマト
トマトには、塩分を体外に排出するカリウム、血糖値を下げるリコピン、血糖値を安定させるペクチンやクエン酸が含まれており、高血圧の改善にもってこいです。他にも血管を強くするビタミンCやビタミンPが含まれていますから、ぜひ1日1個を目安に摂取してください。
お茶
台湾の国立成功大学の調査により、緑茶やウーロン茶を飲んでいる人は、飲まない人に比べて高血圧に罹りにくいことが分かっています。高血圧の予防に効果的な理由は、緑茶やウーロン茶に含まれるカテキンやポリフェノールが血圧の上昇を抑えるからだとされています。
サントリーの大ヒット飲料『胡麻麦茶』もお勧めです。
胡麻麦茶には、胡麻ぺプチドという血管を収縮させる酵素の働きを抑制する成分が含まれているからです。さっぱりした味で飲みやすく、色々な料理と相性が良いところも魅力的です。
何気なく飲んでいる汁物には塩分がたくさん!
高血圧を招く要因といえば、塩分の過剰摂取ですよね。
「料理にできるだけ使わないようにしているから大丈夫!」と自信満々の方もいるかもしれませんが、それだけでは不十分の可能性大ですから油断してはいけません。
たとえば、いつもの食事時に何気なく飲んでいる汁物。
味噌汁やお吸い物などが代表的な例ですね。あれには想像以上に塩分がたくさん含まれているのです。
一体どれくらい含まれているのか、具体的な数字を見てみましょう。
- 味噌汁1杯(味噌大さじ1)……約2g
- お吸い物1杯……約1.9g
※永谷園の『松茸のお吸い物』を例としています。
高血圧の人の1日の塩分摂取量の上限は6gとされています。
1日3度の食事で3杯飲んだとしたら、容易に上限に達してしまう計算になりますね。
もしこの事実を知らずに、何杯もおかわりしていたとしたら…。その先は言うまでもないでしょう。
高血圧の危険がある方は、塩の使用を控えるだけでなく、汁物の飲み過ぎにも注意してください。