人よりも多いと損をする!?歯が多く生える過剰歯|トピックスファロー

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2012年12月4日
人よりも多いと損をする!?歯が多く生える過剰歯

人の身体は不思議なもので、あるべき器官が足りなかったり余剰に存在したりするものです。歯もそういった不足・余剰が発生する器官の一つで、時には乳歯20本・永久歯32本を越えた数の歯が生えてくることがあるのです。歯が人より多い過剰歯に付いて解説していきます。

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歯が人より多いことはいいことじゃない

本来ならば、人は乳歯が20本・永久歯が親知らず4本を含めて32本生えてくるものです。親知らずは4本すべて生える人もいれば1本も生えない人もいるので、大体の場合乳歯20本・永久歯28本生えてくるのが普通であるといえます。
しかし、先天的に親知らずを除いた永久歯が28本以下になっている人もいるし、親知らずを除いて28本以上生えてくる人もいるのです。

人よりも歯が多く生える過剰歯

親知らずを除いた永久歯が28本未満であることを「欠損歯」というのに対して、永久歯が28本以上生えてくるケースを「過剰歯(かじょうし)」と言います。
過剰歯の特徴は、歯が多く生えてくること。本来生えてくるはずの歯が過剰歯に押し出されてしまうため歯並びがガタガタになります。例えば前歯2本の裏側に歯が生えてきたり、歯茎の外側から生えてきたりというように普通ではないところから生えてきます。

また、永久歯が過剰歯に圧迫されて正常な成長を阻害されてしまうことも過剰歯の特徴です。過剰歯を起こしていると、永久歯が乳歯と同じくらいの大きさになっていることもしばしばあります。
台湾で14歳の少年から30本もの過剰歯が見つかったケースでは、下の歯列の永久歯が過剰歯に圧迫されて正常に成長できていなかったという事例があります。

過剰歯の原因とは?

過剰歯が発生する原因は特定できていないのですが、歯の元になる細胞である歯胚が何らかの刺激を受けて分裂して本来の数よりも多くなること、遺伝によるものが原因であると推測されています。

過剰歯は放置しているとどうなる?

歯が人よりも少ない欠損歯と違って、過剰歯は「歯が多いだけだから歳をとってから使えるだろう」と考えてしまう人も少なくないでしょう。
しかし、過剰歯は放っておくと口内の健康を大きく阻害する原因になってしまいます。

生えてくる前の歯を包んでいる上皮が腫れて膿を持つことで起こる「含歯性のう胞」は、永久歯が生えてくる年頃に多くみられる歯の病気の一つですが、過剰歯も原因となる場合があります。

含歯性のう胞は腫れて膿が出るだけでなく骨を溶かしながら大きくなる性質があるため、放っておくと歯の土台である歯槽骨が溶かされてしまいます。
含歯性のう胞によって歯槽骨が溶かされると歯槽膿漏が起こりやすくなり、歯が抜けてしまう原因になってしまうので、必ず治療を受けなければならないのです。

過剰歯の治療

過剰歯の治療は、レントゲン検査を行って露出している歯・埋没している歯の本数を把握した上で行います。
この場合、平面的なレントゲン撮影だけではなく3Dで描写出来るCTスキャンなども併用します。平面的なレントゲン写真だけだと正確な位置が把握できないし、正確に位置を把握するためには何枚も撮影しなければならなくなるからです。

過剰歯は歯肉を切開して抜歯を行っていきますが、局所麻酔または全身麻酔をかけて行います。過剰歯治療の対象は子供が多いため、全身麻酔のリスクが懸念されますが局所麻酔の場合だと怖がってしまって治療が進まないこともあるのが難点といえます。

著者:渡瀬由紀子

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