家庭菜園検定とは?
「社団法人 家の光協会」が主催する、野菜作りに関する知識が問われる民間の検定の事。 1級・2級・3級と分かれており、2級と3級に関して受験資格はありません。 ただし1級のみ、受験できるのは2級の資格を所持している人に限られます。
検定委員長を務める「藤田智」さんは、恵泉女学園大学の教授であり、「趣味の園芸やさいの時間」や「世界一受けたい授業」などのメディアに出演される事もあり、ご存知の方も多いと思われます。
しかし検定の主催者である「家の光協会」、よほどの野菜好きか農業関係者以外は、名前すら聞いた事が無いという人も多いと思われます。
日本の農業を支えてきた「家の光協会」
この「家の光協会」というのは、JAグループでおなじみの農業協同組合において出版物を取り扱っており、月刊誌「家の光」が創刊されたのは1925年と、88年以上の歴史ある団体。 しかし出版物の一部を除き書店には流通せず、農協を通じて農家に配布しているだけですので、一般の知名度が低いのは仕方がない事でしょう。
1級は合格率15.7%の狭き門
この検定が始まったのは2009年。それから毎年行われ、2013年の3月には5回目となる検定が全国5か所の会場で行われます。
この検定で気になるのはその合格率。 例えば2010年に行われた検定1級の合格率はわずか1.9%。高難易度の司法書士の試験ですら合格率3%なのですから、その本気度がうかがえようというもの。
そして2012年の第4回の時点では、1級合格率は15.7%。 さすがに合格率が上がっているとはいえ、試験対策がされている第4回目でもこの数値と狭き門となっています。
難しいのは1級だけ
ただ、全てのランクが難しい訳ではありません。 第4回時では、2級は51.2%。3級では69.4%と決して低くはありませんが、やはり全く勉強しなくても取れる資格ではないようです。
試験内容と目的
試験の目的は、家庭菜園での栽培やその技術向上を目指し、野菜作りの正しい知識を身に着けるもの その為、問題内容は野菜の原産地から始まり、野菜ごとの特性、土の肥料や連作障害、作物の病気など、栽培に関する幅広い知識が求められています。
野菜ソムリエとの違い
野菜系の資格で最も知名度が高いものに『野菜ソムリエ』がありますが、その違いはどこにあるのでしょう? 家庭菜園検定の主な目的は、『美味しい野菜を自分で育てる事』。 対して野菜ソムリエの目的は、『野菜の美味しさや魅力を広めていく事』。
つまり誤解を覚悟で大雑把な区分けをすると、
- 畑の中で収穫するまでが、家庭菜園検定。
- 畑から収穫し、消費者に届けるまでが、野菜ソムリエと考える事ができます。
家庭菜園検定は今が狙い目の資格
家庭菜園検定は民間の資格であり、今すぐに仕事に使えるという資格ではありません。 野菜ソムリエが知名度を上げると共に、飲食業界で求められる事が増えてきました。 同じ様に食の基本的な安全性に対する知識を持つ、家庭菜園検定が必要になる事があるかもしれません。
まだ、始まったばかりで知名度は低いものの、年々受験者が増えています。 今、野菜を作っている人はもちろん、いつも口にする野菜がどのように作られているのか、そこに興味がある人は一度受験してみてはいかがでしょうか。