滋養強壮の定番・養命酒に含まれる生薬のパワー|トピックスファロー

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2013年1月16日
滋養強壮の定番・養命酒に含まれる生薬のパワー

江戸時代から伝わる養命酒は、生薬から抽出した薬効成分が滋養強壮・虚弱体質の改善に効果を発揮しています。養命酒に含まれている生薬は、どのようものがあってどのような効果を発揮しているのでしょうか。生薬の滋養強壮効果について解説していきます。

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滋養強壮・体質改善に効く生薬

日本を代表する強壮剤と言えば何と言っても養命酒でしょう。養命酒の始まりは江戸時代初期の1602年とされており、翌年には時の将軍・徳川家康に献上したという記録が残されています。
養命酒は、創業者が介抱した老人から教えてもらったレシピに従って作ったもので、そのレシピは400年以上変わっていないといわれています。
養命酒のレシピを支えている有効成分である生薬にはどのような効果があるのでしょうか?

天然自然に存在する生薬

生薬とは、植物や動物、鉱物などの天然自然に存在する物の中で薬効のあるものを精製処理を行わずに作る薬のことです。
生薬は漢方薬と取り違えられやすいのですが、漢方薬は理論に基づいて複数の生薬を組み合わせて処方する薬なので似て非なるものと言えます。

生薬は、現代のように化学的な手法を用いて合成・処方される薬とは違い、原材料を洗浄・乾燥するなどして長期保存に耐えられるようにしたものが多く、原型をとどめていることがほとんどです。

養命酒に使われている生薬とその効能

市販されている養命酒には14種類の生薬が使われており、お酒に浸して成分を抽出するという手法で作られています。養命酒に含まれている14種類の生薬にはどのような効果があるのでしょうか。

ウコン

ウコンは言わずと知れたカレーに欠かせないスパイス・ターメリックのことで、肝臓の活性化・健胃に効果があるとされています。最近の研究では、肝臓への効果が疑問視されていますが生薬としては文句のない存在と言えます。

杜仲

杜仲は、トチュウ目トチュウ科に属する唯一の植物で葉を煎じたものが杜仲茶として広く愛されています。生薬としての杜仲は樹皮を乾燥させたもので、高血圧や頻尿、肝機能・腎機能の改善に効果があるといわれています。

インヨウカク

インヨウカクはイカリソウの葉を使った生薬で強精・強壮効果が高く、煎じて飲んだ老人は杖が要らなくなるほど元気になるということで「放杖草」とも呼ばれています。インヨウカクという名前は食べた羊がとても元気になってしまったという故事に由来していることから、男性機能の回復や女性の不妊に効果を発揮するとされています。

桂皮

桂皮は、お菓子作りに使うシナモンと同じもので肉桂という木の樹皮を乾燥して作られる生薬です。
桂皮には身体を温め発汗を促す作用や健胃作用があります。桂皮にはシナモンと同じ独特の風味があるため、好き嫌いのある生薬と言えます。

人参

生薬としての人参は「オタネニンジン」と呼ばれる、野菜の人参とは別の植物です。野菜の人参がセリ科に属する植物で、オタネニンジンはウコギ科に属しています。
別名「朝鮮人参」とも呼ばれるオタネニンジンは滋養強壮効果が高く、強壮剤や栄養ドリンクでも引っ張りだこの生薬です。

丁子

丁子はクローブのつぼみを乾燥させた生薬で、香辛料としても広く用いられています。丁子の特徴は非常に強い香りで、その香りによって食欲をそそる作用をもたらします。
また、丁子から取れる油は錆止剤として日本刀の手入れの際に使われることがあります。

紅花

紅花(コウカ)は、ベニバナの花びらを乾燥させて作る生薬で天然色素としても利用されています。生薬としての効能は血行の促進作用で、冷え性の改善にも効果があります。

反鼻

反鼻(ハンビ)は、蛇のマムシから皮を剥いで乾燥させて作る生薬です。毒蛇として知られるマムシは、「マムシ酒にすると精が付く」と言われているように強い強精・強壮作用を持っています。マムシの毒は牙から出るので頭さえ取り除けば食用・薬用として問題なく使えるのです。

烏樟

烏樟(ウショウ)は黒文字という木の枝や樹皮から作られる生薬です。さわやかな香りがすることから高級楊枝や香料としても使われています。烏樟の効能は高ぶった神経を鎮める作用、痰を切り咳を鎮める作用があります。

防風

防風はボウフウというセリ科の植物の根を使った生薬です。お正月に飲むお屠蘇の材料の一つにもなっているほど需要が大きい生薬です。防風の効能は発汗作用・解熱作用などがあり、肥満解消薬の原料としても使われています。

地黄

地黄(ジオウ)はアカヤジオウという植物の根から作られる生薬で、昔から強壮効果のある生薬として用いられてきました。内服すると強壮効果や補血効果があるとされています。

芍薬

女性の美しい様を表現する花として知られる芍薬は、根に生薬としての効能があります。主な効能には消炎作用や鎮痛作用、抗痙攣作用などがあり、女性には月経不順の解消効果が期待できます。

益母草

益母草(ヤクモソウ)はメハジキという草の地上部を乾燥された生薬です。「母に益がある草」と書くように、婦人病の改善に強い効能を持っていて、血行の改善やむくみの除去などに効果を発揮します。

ニクショウヨウ

ニクショウヨウはホンオニクというハマウツボ科の植物の茎を乾燥させた生薬です。その効能は滋養強壮・強精効果で、栄養ドリンクの成分としても使われています。また、効き目の出方が緩やかなのがニクショウヨウの特徴で、お年寄りにも安心して使えます。

著者:渡瀬由紀子

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