子供の歯ぎしりの原因は、ストレスではない?
夜中に子供部屋からギリギリと音が聞こえてきて驚いた経験をされた方も多いのではないでしょうか。
歯ぎしりはストレスの多い大人に起こるもの、というイメージが強いですが、実は大人だけに限ったことではありません。実は子供にもよく見られる現象であり、決して珍しくないのです。
10歳前後の子供では、全体の30~35%に歯ぎしりが見られると言われています。
ちょうど乳歯が抜けて永久歯が生えてくる年頃ですよね。この年頃に歯ぎしりをする子供が多いのは、寝ている間に無意識に噛み合わせの調整を図っている為だとされています。
他にも色々な説がありますが、顎や歯の成長のために行う自然現象、という前向きな意見を持つ歯科医が多いです。よく「ストレスが原因では?」「学校で何か嫌な思いをしているのでは…」と過剰に心配する親御さんがいますが、成長過程ではよくある事と捉えて、落ち着いて見守りましょう。
マウスピースやリマインダーなどで防止できる
ただしあまりに酷かったら、奥歯が大きく擦り減ってしまったり、顎や歯を痛めてしまう可能性があります。
また完全に永久歯に生え変わった後も、ずっと歯ぎしりが続くようであれば問題視したほうがよいです。
おかしいと感じたら放置せずに小児歯科へ行って歯科医とよく相談し、適切な指導や治療を受けましょう。
ちなみに歯ぎしりの治療方法には、以下のようなものがありますので知っておきましょう。
マウスピース
主に歯列矯正のために用いられるマウスピースですが、歯ぎしりの防止にも役立ちます。
歯の形状は1人1人異なるため、マウスピースはオーダーメイドが基本。樹脂の詰まった器具を歯にはめて型取りすることで制作していきます。出来上がったら、就寝前に歯に装着して使用します。
マウスピースは市販のものを購入し自分で作ることもできます。
しかし形を調節するのが難しく、装着時に不快感を覚える方も多いため、やはり歯科できちんとしたものを制作してもらうのがベスト。
歯科で制作してもらう場合、5,000円~6,000円程度かかりますが、健康保険が適用となるか否かは歯科によって違いますので、事前によく確認しましょう。
リマインダー
歯ぎしりは睡眠中に起こるとは限りません。日中何かに夢中になっている時に起きることもあります。
その場合はリマインダーという方法を試してみましょう。リマインダーは英語では“reminder”と書き、『思い出させる物』という意味があります。
その物が視界に入ったら歯ぎしりを意識して止める習慣をつける。
これがリマインダーのやり方です。つまりは自己暗示をかけるわけですね。
どんな物を用いるかは好きに決めてよいですが、できるだけ歯を連想させるようなものが◎。
あまり関係のない物だと、目的を忘れてしまう恐れがあるためです。
自信のない方は、ストレートに「歯ぎしり防止!」と大きく書いた付箋を机などに貼っておくと良いでしょう。
歯列矯正
もし永久歯が生え変わるような年齢ではない子供に歯ぎしりが見られるようであれば、歯並びの悪さや噛み合わせの悪さが原因と考えられます。その場合は歯列矯正によって改善される可能性がありますので、歯科医に相談しましょう。