表情筋について知っておきたいこと
表情筋は、顔の周辺の骨と皮膚をつなぐ筋肉で、表情を作るほか、口やまぶたの開け閉めなどを行います。
口のまわりの筋肉を口輪筋、目の周りの筋肉を眼輪筋といいます。 これらの筋肉が衰えると、ほうれい線や目の下のクマの原因になり、老けた印象の顔になります。
口輪筋の筋力が低下すると
口元のたるみによってほうれい線ができるほか、口角が下がるため、さらに老けた印象を与えます。 また、唇を閉じる力が衰えることで、口呼吸や「ポカン口」の原因となります。 口呼吸は、口臭や歯周病のほか、免疫力の低下によって風邪などのさまざまな病気を引きおこします。
眼輪筋の筋力が低下すると
目の下のたるみが影を作ることで、目の下のクマができます。 また、目の下にちりめんシワができやすくなり、目の下のクマを目立たせてしまいます。 さらに、目の下の筋肉が下がることで、ほうれい線に影響することもあります。
口輪筋のたるみ対策法
口輪筋のたるみには、パタカラとよばれる、歯科医が開発した口輪筋トレーニング装置が有効です。 名前の由来は、脳卒中のリハビリ法「パパパ、タタタ、カカカ、ラララ」で、この言葉は口輪筋を刺激するのだそうです。
パタカラは、上唇と下唇はさんで使う装置です。 上下に開こうとする装置を、唇の力だけで閉じることによって、口輪筋を鍛えることができます。 また、口輪筋を鍛えることによって、口輪筋に結びついている筋肉も鍛えられるため、表情筋が活性化されます。 そのほかに、あごのラインがシャープになる小顔効果があるといわれています。 パタカラには、市販されている美容用と、歯科医院などの医療機関でしか購入できない医療用があります。
眼輪筋のたるみ対策法は
眼輪筋のたるみには、トレーニングによる筋力アップと、マッサージや化粧品などによるたるみ解消法が有効です。
簡単!眼輪筋トレーニング
眼輪筋もトレーニングすれば鍛えることができます。ただ目を開けたり閉じたりすれば良いというものではありません。次に紹介するポイントをおさえて、効率筋力トレーニングしていきましょう!
下まぶたを持ち上げる運動
方法:10秒間くらい目を細めます。(まぶしそうな感じで!)
Point:鏡を見ながら、下まぶたを上にあげることを意識しましょう。 下まぶたが2~3mm上がっていれば、OKです。
目を閉じる運動
方法:ぎゅっと目を閉じ、目尻の下の部分を指で外側に引っ張って負荷をかけます。
Point:正しく筋肉に負荷がかかっていると、外側に引っ張っている指が内側に引き戻されます。ちゃんと負荷がかかっているか確認してみてくださいね。
まばたきの運動
方法:あごを引いて、天井を見るように目線だけを上にもっていきます。 そして、そのままゆっくりまばたきを10回します。
たるみ解消法
マッサージや化粧品でたるみを解消します。
目元のクマやたるみを解消するリンパマッサージ
目元だけではなく、全身のリンパの流れをよくすることが有効です。 リンパは、軽くさする程度で流れがよくなります。
- ふくらはぎの内側を、下から上に向かってさする(左右行う)
- 太ももの内側を、ひざから足の付け根に向かってさする(左右行う)
- 仰向けになり、足の付け根を外側から内側に向かってさする
- マッサージクリームなどを塗り、上まぶたは眉頭から眉尻へ、下まぶたは目頭から目尻に向かってさする
- 首を、耳の下から肩にかけてさする
その他に、超音波マッサージがリフトアップに効果があるといわれています。
たるみを解消する化粧品
たるみには、肌にハリを与える効果のある化粧品が有効です。
コラーゲンやヒアルロン酸が配合されたものは、肌にハリを与えます。 また、レチノールが配合されたものは、シワに効果的といわれています。
また、最近では、自分の血液を利用した再生医療による治療法が注目されています。
赤ちゃんからの口輪筋トレーニング
哺乳ビンを使う赤ちゃんは、母乳で育った赤ちゃんに比べて、口輪筋の発育が遅れてしまいます。 それによって、口呼吸やお口ポカン、よだれ、悪い歯並びにつながるといわれています。
哺乳ビンは、逆さまにするとミルクが自然に出てくるため、あまり唇の力を必要としません。 母乳の場合、赤ちゃんは唇を使ってお母さんの乳輪をくわえて乳首を吸うので、口輪筋が鍛えられるのです。 最近では、赤ちゃん版のパタカラとして、母乳と同じ効果が得られる哺乳ビンの吸い口が販売されています。