登録販売者とは
薬局やドラッグストアで、『一般医薬品を販売する事を認める』都道府県認定の資格。
医薬品の販売は薬事法により規制されており、薬剤師か登録販売者が店舗にいなければ、例え薬局であっても薬を販売する事は出来ません。
医薬品を扱う店舗増加と、それに伴う薬剤師不足の解消として、2009年より施行されたばかりの新しい資格です。
薬剤師と登録販売者の2つの違い
医薬品の販売資格と言えば薬剤師があり、今も人気のある資格です。
その薬剤師と登録販売者の違いはどこにあるのでしょうか?
調剤できない
薬剤師は、薬の販売業務の他に、医師から渡される処方箋に基づき医薬品を揃える調剤を行う事が出来ます。
登録販売者には、この調剤業務は許されていません。
販売できる医薬品に制限がある
医薬品は副作用のリスクに対して、第1類から第3類の3つに分類されています。
薬剤師は、この全てを取り扱う事が出来ます。
一方、登録販売者が第1類医薬品を販売する事は禁止されています。
資格を取得するなら、薬剤師よりも『登録販売者』を選ぶ理由
どうせ資格を取るのなら、制限を受ける登録販売者よりも、薬剤師の方が給料も高いし良いでしょう。
ただし、これはあなたが6年間の勉強と、入学から卒業までに1000万円以上の学費が払える事ができると仮定した場合の話。
薬剤師はお金と時間のかかる資格
薬剤師になるには『薬剤師国家資格』を受験して合格する必要があります。
その受験資格は、『6年制の大学で薬学の課程を修める』『4年制の大学で薬学の課程を修めた後、大学院で2年以上の課程を修める』必要があります。
つまり、受験資格を得るだけで、最低6年の時間が必要となります。
また、医学部の例にもれず、学費や医学書の購入にはお金がかかり、公立では約350万円。
私立の場合、1100万円から1400万円が平均と言われています。
登録販売者は1年で受験可能
登録販売者は受験資格の条件が優しくなっており、例えば薬学部を卒業する必要はありません。
高校卒業後、1年以上の実務経験があれば、誰でも受験可能。
月に80時間以上の勤務で実務経験と見なされますので、勉強や仕事との両立も不可能ではないでしょう。
店舗販売なら登録販売者で十分
調剤や医薬品の研究を行いたいのなら、薬剤師になる必要があります。
しかし直接利用者と会話して、薬の対面販売を行うだけなら登録販売者で十分と言えるでしょう。
なぜなら、店舗で販売する一般用医薬品の内、登録販売者が扱えない第1類の薬はたったの5%以下。
残りの95%以上の医薬品を扱う事に制限はありません。
経営者は登録販売員の方が雇いやすい
時給2000円や3000円と、高給として有名な薬剤師に比べれば、登録販売者の収入は低いかもしれません。
しかし、経営者の立場から考えると、わずか5%の第1類医薬品を扱える給料の高い薬剤師を揃えるよりも、95%をカバーできて時給の安い登録販売員のほうが使いやすいというのが本音。
この先、調剤の場所には少数の薬剤師。一般医薬品の販売には登録販売者という住み分けができていく事が考えられます。
登録販売者はこの先も需要が見込める資格
この先、大量の職にあぶれた薬剤師が巷に溢れ、薬剤師の給料が今の半分になれば、登録販売者の資格は危機を迎える事になるかもしれません。
しかし現状そういった事態はありません。
医薬品の購入場所は、薬局からドラッグストア、コンビニと範囲を広げています。
薬剤師の資格取得が難しい場合は、登録販売者を目指してみるのも一つの方法かもしれません。