交通事故に遭わないための交通標識の読み方
歩行者や自転車が絡む交通事故では、「横断禁止の道路を横断した」「一方通行の出口から出てきた車と出会いがしらに衝突」「一時停止を無視」といった、歩行者・自転車側が「道路ごとに決められている交通ルール」を無視したことによって引き起こされたケースが見受けられます。
自動車側は、免許取得の際に道路ごとの交通ルールを示す交通標識の読み方を習っているからどう対処すればよいか分かっていますが、歩行者・自転車には免許を取れない小中高生や免許を持っていない人も含まれているので、交通標識の読み方を知らない人も多いのです。
交通事故から身を守る為には、重要な交通標識の読み方を覚えておくことが大事なのです。
歩行者・自転車が知っておくべき交通標識は?
歩行者や自転車に乗っている人が知っておかなければならない交通標識は、「通行に関する標識」です。
例えば交通量が多くて横断歩道でなければ安全に通行できない道路、車の通行方向が決められている道路、一方通行の出口などの『車の流れに逆らうと事故を起こしやすい道路』があるとします。
この道路を歩行者や自転車が通行する場合、横断歩道まで行くのが面倒だからと道路を横断したらどうなるでしょうか。左折する車の動きを確認せず自転車で直進したらどうなるでしょうか。
交通事故から自分の身を守る為には、道路標識を読み取ってどのような車の流れがあるのかを知っておくことが大事です。そのためにも「通行に関する標識」をあらかじめ知っておくことが欠かせないのです。
一方通行標識
青地に白の矢印が描かれた標識は、この道路が矢印の方向に進む一方通行であることを示しています。 一方通行道路は対面通行道路と違って対向車が来ないで、通行する車はスピードを出しがちになってしまいます。
車両進入禁止標識
赤い円の真ん中に太い白線が通った標識は車両の進入禁止を表しています。進入禁止標識が設置されている交差点は、一方通行道路の出口になっています。 進入禁止標識を発見したら、歩行者・自転車でも標識の手前で一時停止して出てくる車が居ないかを確認することが大事です。
指定方向外進行禁止標識
青い円に白い矢印が描かれている標識は、矢印で示している方向以外への進行を禁止していることを示しています。指定方向外進行禁止標識は自動車の動きを指定するものですが、自転車も対象となります。 指定方向外進行禁止標識がある場合、車の流れが分散せずに交通量が増える為、歩行者は道路の横断が難しくなります。
歩行者横断禁止標識
四角の赤い枠と斜め線で、歩行者と「横断禁止」が描かれたこの標識は、歩行者が知っておかなければならない重要な標識の一つです。もしも、この標識がある道路を歩行者が横断して事故にあった場合、「歩行者にも重大な過失があった」とされて、歩行者の過失割合は最大50%認定されてしまうのです。 この標識がある道路は、交通量が多く歩行者が向こう側まで横断しきるのが非常に困難であると考えられているので、無理せず横断歩道を渡るように心掛けましょう。
車両横断禁止標識
「歩行者横断禁止標識がある道路は歩行者が横断できないが自転車なら大丈夫」と考える人は結構いますが、歩行者横断禁止標識がある道路には赤い丸枠と斜め線で青い矢印を囲った標識がセットになっています。この標識は右折による車両の道路横断禁止を示しています。 自転車は道路交通法では車両扱いになるので、この標識がある道路では自転車は道路を横断することは出来ません。
自動車専用道路
青い円の中央に自動車が描かれているこの標識は、自動車および排気量が125cc以上のバイクだけが通行できる道路であることを示しています。 自動車専用道路には有料の高速道路だけでなく「高規格道路」と呼ばれる、高速道路に準ずる道路があります。「自動車専用」なので歩行者だけでなく、軽車両である自転車も通行禁止となります。
自転車及び歩行者専用道路
青い円の内側に親子連れの歩行者と自転車が描かれている標識は、歩行者と自転車が通行できる歩道であることを示しています。本来、自転車は車道の左側を通行しなければなりませんが、この標識が設置されている歩道であれば、自転車も歩道を通行してよいことになっています。 逆に言えば、この標識の無い歩道を自転車で通行していると道路交通法違反となり、最大で三ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科せられます。
通行止め標識
赤い丸枠にバッテンと「通行止」が描かれたこの標識がある道路は、自動車だけでなく路面電車や歩行者・自転車も通行することが禁じられています。 通行止め標識は常時設置されているようなものではないので、見かける機会もそう多くない標識といえます。しかし、大きな交通事故が起きた際などは事故車両の処理が終わるまで簡易標識が設置されることが多いので、現場に配置されている交通整理員の指示に従って通行するようにしましょう。