親知らずがあるとこんなにヤバい!!
「親知らずは虫歯になりやすいので抜きましょう」。これは、昔から言われている事実です。
食生活の変化などで、あごが細くなった人が多くなりました。
その為、歯の中で最後に生えてくる上下の第三大臼歯(親知らず)が生えてくるスペースがなくなったのが全ての原因。
現在、80%の人が親知らずに問題を抱えていると言います。
問題のある親知らずをそのままにしておくと、虫歯程度では済まなくなってしまうでしょう。
虫歯でもないのに痛みだし、発熱し、死亡リスクが増える
これは『智歯周囲炎』という細菌による炎症で、虫歯ではありません。
ちゃんと生えていない親知らず(智歯)の周りには、歯肉が盛り上がり、まるでポケットの様な隙間ができます。
この隙間に食べ物カスが入ると、細菌が繁殖し周辺の歯肉に炎症を起こしていきます。
最悪、敗血症になる事も
親知らずで繁殖した細菌は、あご下にあるリンパ腺や扁桃腺を次々と炎症させ、この頃には40度近い発熱を起こしている事でしょう。
さらに、リンパ腺を通り細菌が全身に回ると、敗血症(全身性炎症反応症候群)となる可能性もあります。
敗血症による死亡率は15%。敗血症性ショックによる死亡率は40%を超えます。
詳しくはメルクマニュアル医学百科-敗血症と敗血症性ショック-を参考にしてください。
手前の歯も虫歯や歯周病になる
磨きにくい親知らずは、虫歯や歯周病の元となります。
そうなった時、手前の「第7歯」にも、虫歯菌や歯周病菌の多くが移動していると考えられます。
どれだけマウスケアを頑張っていても、親知らずからの菌の侵略は止められません。
もちろん、虫歯や歯周病は『口臭』の原因となります。
歯並びが悪くなる
歯の矯正治療があるように、もともと歯は動くようにできています。
親知らずはスペースのない場所へ無理やり出てこようとします。
その力は他の歯へと伝わり、正常な位置にあった歯の位置を、めちゃめちゃにする事で歯並びを悪くしていきます。
口が開かなくなる
歯並びが崩れれば、あごに不自然な力が余計な負荷がかかります。
それが習慣化すると、引き起こされるのが『顎関節症』。
重症化すると、口を開ける事すらできなくなるでしょう。
頭痛・肩こりに悩まされる
噛み合わせの悪さは、全身のバランスを崩し、特に首筋や肩の筋肉を緊張させます。
緊張し固くなった場所では、血行不良が起こり、慢性的な肩こりや頭痛に悩まされる事でしょう。
親知らずを抜くタイミングはハタチが良い4つの理由
18歳から20歳ごろに生えてくる親知らず。
抜くのであれば、20歳ごろに抜くのが良いでしょう。
理由1:本当に抜いていいのか判断する時間が必要
問題がある親知らずは危険です。
しかし問題のない、もしくは虫歯にならないように管理できる親知らずも存在します。
厄介者扱いをされる親知らずですが、もしも奥歯が無くなった場合、自家移植をする事でインプラントの様に歯を取り戻す事が出来ます。また、ブリッジの土台としても利用可能。
問題さえ無ければ、抜いていい歯など存在しません。
理由2:虫歯・歯周病になってからでは遅い
虫歯によって歯が痛み出した時、それは神経まで到達している証拠です。
親知らずが歯磨きしにくいのと同じように、歯医者にとっても親知らずは治療しにくい場所にあります。
そんな場所の神経を治療するのは、決して簡単ではありません。
また、虫歯や歯周病になっている場合、麻酔が効きにくく、抜歯の痛みに耐えながらの手術になる可能性が否定できません。
理由3:若い方が治りは早い
親知らずが斜めや、水平に生えている時、歯肉を切り、骨を削る作業が必要になります。
残念な事に、けがの治りは年と共に遅くなっていくものです。
理由4:親知らずと骨がくっつくと手術が大掛かりになる
時間が経つと、インプラントに使用するチタンが骨とくっつくように、親知らずの埋まっている部分があごの骨とくっつく事があります。
骨とくっついた歯は引っ張っただけでは抜けません。
歯を削ったり割ったりと、手術の工程が複雑になり、手術時間も伸びれば、傷がふさがる時間も伸びてしまいます。
抜歯するかどうかは専門家と相談
その親知らずが「抜いたほうがいい親知らず」なのか、「上手に付き合っていける親知らず」なのかを判断するには、レントゲンによる撮影が不可欠です。
ただし痛み出してからでは遅いという事は覚えておいてください。
親知らずが生えてきたら、怖がることなく、まずは信頼できる歯医者さんへ相談する事をおすすめします。