目立つ円形脱毛症、その原因と対策は?
いわゆる「10円ハゲ」と言われる円形脱毛症は、発生すると産毛の痕跡さえ残らないほどツルッツルに脱毛してしまいます。そのため円形脱毛症で脱毛した部分は、抜け毛の進行によって発生した薄毛よりもはるかに目立ちやすいものです。
一体何が原因で円形脱毛症は発生するのでしょうか?
円形脱毛症のメカニズム
円形脱毛症は、一種の自己免疫疾患であると考えられています。
自己免疫疾患とは、外から体の中に侵入し病気を引き起こそうとする細菌・ウィルスを攻撃して、健康を維持しようとする免疫機構が誤作動を起こし、体の細胞や臓器に攻撃を行ってしまうことで起こる疾患です。
免疫からの攻撃を受けた毛根は発毛サイクルを停止させてしまい、髪の毛を抜けさせてしまいます。そして免疫からの攻撃を受ける毛根は一か所に集中しているため、円形に脱毛状態を作ってしまうのです。
円形脱毛症の場合、免疫機構の誤作動が改善すれば自然に収まりまた元通りに毛髪が生えてくるので、「発生した部位には二度と毛髪が生えてこない」ということはありません。
ただし、症状が進行してしまうと複数個所に脱毛が発生したり、髪の毛全部が抜け落ちたり、髪の毛以外の体毛も抜け落ちてしまうことがあります。
円形脱毛症が発生する原因とは?
円形脱毛症を引き起こす原因には、アレルギー性反応やストレスによる非アレルギー性の二つがあるものと考えられています。
アレルギー性の円形脱毛症
円形脱毛症は、アトピー性皮膚炎やぜんそくなどのアレルギー反応によって起こる疾患との関連性があるというのが現在の定説です。
円形脱毛症を発症した患者の統計を取ったところ、アレルギー疾患を患っている人は円形脱毛症を合併しやすいと考えられるデータが取れたことがその根拠となっています。
アレルギー疾患とは特定の物質(抗原)に対して免疫が異常に反応して起こる疾患のことで、免疫の過剰反応が毛根への攻撃と関連している可能性はゼロではないと考えるのが自然でしょう。
非アレルギー性の円形脱毛症
極度のストレスが蓄積されることは健康を害する原因になるというのは良く知られています。これは極度のストレスがたまることによって、一時的な免疫異常状態に陥ってしまうのです。
そしてストレスによる免疫異常によって毛根が異物とみなされた結果、円形脱毛症が発生するということなのです。
ストレスの蓄積は表面的にはうかがい知れないものなので、本人自身も手の打ち様がないのが難点です。
円形脱毛症を治すには?
円形脱毛症自体は、時間の経過とともに原因となる免疫反応が薄れていき、やがて再発毛します。
しかし、時間経過で自然治癒するといっても半年くらいの時間は掛かってしまう上に、症状が進行してしまう可能性も少なくありません。
円形脱毛症の治療は皮膚科で行われます。円形脱毛症への治療は基本的に対症療法になるため、治療の効果は人それぞれに違います。基本的にはセファランチンやステロイドの処方が行われます。
ストレスが原因になっている場合はカウンセリングで患者とストレスと向き合わせて、ストレスの緩和を行っていくことになります。
しかしながら、円形脱毛症に有効な根本療法は未だ確立されていません。