あの絶世の美女を虜にした滋養強壮に役立つ食べ物
日本人に欠かせない食べ物と言えば『米』です。毎日食べていても飽きる事がなく、日本食の中心的存在です。
この『米』は、縄文時代の後期~弥生時代の前期頃に中国から日本に伝わったとされています。その頃の米は、現在販売されているような白い米ではありませんでした。古代米といわれ、見た目は細長く、色も赤や黒みがかっていました。
しかし、この古代米は、見た目とは裏腹に栄養価が非常に高く、中国では滋養強壮として用いられていたそうです。
特に、この米をこよなく愛していたのが、唐の時代の王妃“楊玉環(通称:楊貴妃)”です。
楊貴妃は、古代米に虜にされていたようです。
古代米は、歴史上の人物にまで影響を与える滋養強壮に役立つ食べ物だったのです。
【古代米】滋養強壮にうってつけの成分が豊富
なぜ、古代米は滋養強壮として用いられていたのでしょうか?
その答えを知る前に、『滋養強壮』の意味について知っておくと良いかも知れません。
滋養強壮とは『”栄養素”で体の弱った部分をカバーし、体質の改善をはかる』という意味合いがあります。ですから、鍵となるのは“栄養素”と”体質の改善”なのです。
この点を考えると、古代米はうってつけの食べ物と言えます。
冒頭でも少し触れましたが、古代米は赤や黒みがかった色をしています。これは、含有成分の一つであるアントシアニンによるものです。
このアントシアニンはポリフェノールの一種で、『がんの抑制を助ける抗酸化作用』や『老化の防止をする働きがある』と言われています。
この他にも、老化防止を助けるビタミンEやコレステロールを減らすナイアシン、骨粗鬆症の予防に最適なカルシウムなど、体質の改善を助ける栄養素が豊富に含まれています。
その為、古代米は滋養強壮や薬用の食べ物として取り入れられてきたのです。
至る所で見られる古代米の凄さ
古代米は、楊貴妃だけが特別に愛し虜にされた食べ物ではありません。至る所で脚光を浴びています。
薬学書に掲載
古代米の力は、ただの言い伝えではないようです。
楊貴妃の生きていた時代から、だいぶ後の明の時代に記された『本草網目(薬学書)』には、次のような一文が掲載されています。
『古代米(黒米)は生理や内臓に良い。…さらに滋養強壮や造血作用があり、髪の毛の黒さをも増す。(和訳:途中省略)』
古代米が滋養強壮に適していた事を、後の世代に伝えようとしたのかも知れません。
中国では歴代の皇室にのみ許された食べ物
古代米は、一般人の口に入る事は無かったようです。それは、皇室への献上品として見なされていた為です。さらに、皇室では『不老長寿を手にしたい。』という考えが浸透していたゆえに、代々に渡り古代米を独占する程でした。
近年再ブレイクをした
遥か昔に食べられ愛されてきた古代米が、近年栄養価が高いという事から脚光を浴びています。古代米を作る農家が増えていますし、通信販売で扱われる事もあります。さらには、町の特産物として大々的にPRしている所もあります。
病気回復
ネパールでは古代米の利用法として、家畜の病気回復という目的で用いているようです。もちろん人間が病気になった時(特に内臓疾患)の薬としても用いられています。
【古代米】歴史や健康面で多大な影響を与えた滋養強壮に役立つ食べ物
私達日本人の食を支える米は、中国から伝来してきた物で昔は今とは違った風貌をしていました。
しかし、それは栄養素が豊富だという証拠なのです。
その為、楊貴妃がこよなく愛したと言われています。また皇室で独占されたり、書物に記されたりしました。最近では、その栄養価が評価され健康食として食卓に並ぶ事もあります。