虫歯の原因 第一段階はミュータンス菌への感染
「ミュータンス菌」は、摂取した食べ物の糖質・糖類から、デキストランという粘り気のある菌を歯の表面に作り出します。
この中でプラーク(歯垢)が作られて歯を溶かす(虫歯にする)酸を発生させます。
通常は、唾液が口の中をアルカリ性へ戻し、溶けかけた歯を再石灰化させてくれるのですが、「歯磨きをしない」「食べものカスが口の中に残っている」など、酸性の状態が長時間続くと歯はどんどん溶けて虫歯になってしまいます。
実は生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には存在しないミュータンス菌。
しかし、ほとんどの親がこの「菌」を保有しているといわれています。
赤ちゃんがミュータンス菌に感染する行為
- 口移しで食事を与える
- 唾液がつく玩具の使用(笛など大人の唾液がついてしまう物など)
このように、菌を保有する大人の唾液から赤ちゃんへ感染します。
最善の虫歯予防はミュータンス菌に感染しない、ということになりますが、妊娠したら、赤ちゃんへの感染予防について歯医者さんに指導してもらうのが良いでしょう。
第二段階の虫歯の原因
残念ながらミュータンス菌に感染してしまった赤ちゃんは虫歯になる可能性があります。
そして以下の虫歯の原因に注意が必要です。
- 哺乳による虫歯
- 哺乳瓶による虫歯
この2つを引き起こす原因には下記の3つがあります。
- 就寝時に母乳を与える
- 糖質を含む飲料(ミルクやジュース等)を哺乳瓶にいれて与える
- 1と2の行為を並行している
いずれにしても原因は糖質です。
母乳には約7%の乳糖(糖分)が含まれています。
歯が生え出してきたら、夜中の授乳やジュースによる水分補給は、歯にとってはとてもキケンです。
先にも述べたようにミュータンス菌は糖質が大好物。プラーク(歯垢)をつくり、酸を発生させ、赤ちゃんの歯でも容赦なく溶かしてしまいます。
親が管理・予防をしてあげる
大人であれば「就寝前に食べない」「食べたら歯を磨く」等の自己管理が可能ですが、赤ちゃんの場合はそうは行きません。
お母さんがしっかりと乳幼児に虫歯ができる仕組みを知り、管理、予防に努めることが必要となります。
卒乳(断乳)の時期もカギになる
卒乳(断乳)の時期については、子供の成長によって各々違いがあります。
しかし「歯」が、虫歯要因となるもの(プラーク等)に直接触れるようになると、虫歯発生のリスクは高くなりますね。だから虫歯予防の観点からは、早期に「断乳」することが理想で、乳歯が見えてくる前が望ましいとされています。
哺乳で気をつけたいこと
- 歯が生え始めたら就寝時に母乳や糖分の入ったジュースなど与えない
これは、唾液の分泌量が減少する就寝時や夜間は自浄作用(唾液による口腔内のアルカリ性化)が弱くなるため、虫歯がより発生しやすくなるからです。
歯がまったく無い時期であれば「歯」への影響はもちろんありませんが、乳歯がチラホラ出てきたら注意が必要になります。
母乳(ジュースなど糖分を含むもの)を与えてしまった後は麦茶や白湯(冷ましたもの)を与えて口の中の糖分の濃度を下げるのも効果がありますが、飲んですぐ歯磨きが出来ない時間帯に飲むクセをつけない、という予防も必要でしょう。