口臭を防ぐために知っておきたい原因と対策
口から漂ってくる匂い・口臭は対面した人に不快感を抱かせ、信頼関係の醸成に支障をきたしてしまいます。想像してみてください、「友達になろう」と握手を求めてきた人の前に立ったら硫黄のような口臭が漏れてきて、逃げ出したいのにガッチリ手を握られてしまった状況を。空いている手で思いっきり相手の頬を張り飛ばしてしまいたくなりませんか?
リンカーン大統領は「40を過ぎたら男は自分の顔に責任を持つべきだ」と説いたといわれていますが、20を過ぎたら男女問わず自分の口臭に責任を持たなければならない時代なのです。
口臭は何が原因になる?
人に嫌がられる口臭の原因にはさまざまありますが、まず「不十分な歯磨き」が酷い口臭の原因であるといえます。また生活習慣や持病なども口臭の原因になってしまうのです。
歯磨きの仕方が悪いと口臭も酷くなる
歯磨きをする目的は、大雑把にいってしまえば「口内に残った微細な食べカスを取り除くこと」です。
取り除ききれなかった食べカスは唾液と混じって歯垢になり、硬化して歯石になってしまうことはご存じのとおりですが、この食べかすが歯垢になる過程で細菌に分解され、臭いを発するのです。
歯石になってしまうと歯医者で処置を受けなければなりませんが、歯垢なら歯磨きやマウスウォッシュなどで除去することが出来ます。しかし、歯磨きの習慣がなかったり歯磨きの仕方が悪かったりすると歯垢が残ってしまい、口臭の原因になってしまうのです。
舌の白い舌苔は口臭の原因?
口臭の原因としてよく言われるのが、舌の上に発生する白いネバネバ「舌苔(ぜったい)」です。舌苔は歯垢と同じく唾液や食べカス、古くなった細胞などが集まってできたもので嫌な臭いを発する原因でもあります。
舌苔が口臭の原因になることや、口臭予防のために舌苔を掃除する習慣は昔からあり、現代でも舌掃除用のブラシなどが市販されています。
しかし、舌苔は味を感じる味蕾を保護するために発生しているといわれ、取り除けば取り除くほど舌苔が増えること、舌苔の掃除を入念にやりすぎて味蕾を傷つけ味覚障害を起こすといったトラブルを起こしてしまうことが多々あります。
口が渇きやすいと口臭が酷くなる
私たちの口内は、常に唾液で潤った状態になっています。しかし、寝起きの時など口内が渇いている時はネチャネチャした感じが口の中に広がっている物です。この時、口内の細菌は大量に増殖しており酷い口臭を放っているのです。
生乾きの洗濯物が臭うのと一緒で、充分な唾液が分泌されていなかったり水分不足であったりすると口臭は酷いものになってしまいます。
飲酒・喫煙は口臭を酷くする
口臭をひどくする原因になるのが、飲酒や喫煙などの生活習慣です。喫煙の場合はヤニが歯に付着するだけでなくニコチンによって口の中が乾きやすくなってしまいます。
飲酒の場合、アルコール臭に加えてアルコールの分解で発生したアセトアルデヒトが汗と共に発散されて独特の体臭を放つため、口臭をさらにひどいものに変えてしまうのです。
内臓疾患は口臭にも影響する
毎日しっかり歯磨きをして歯垢一つ残らない状態に保っていても、口臭が酷くなってしまうことが多々あるものです。この場合の口臭の原因は歯垢や舌苔ではなく、内臓疾患にあります。
例えば、胃や十二指腸が炎症や潰瘍を起こして食べ物を腸に送り届ける機能が低下している場合は胃・十二指腸に溜まった食べ物が腐敗して硫黄のような腐ったタマゴの臭いを発してしまいます。
腸が不調で便秘を起こしている場合、腸内に送り込まれた食べ物が腐敗して便の臭いを放つガスを発生させてしまい、口臭や体臭を酷いものにしてしまうのです。
口臭対策の基本はマウスケア、それでもだめなら内臓疾患を疑え
口臭の原因の多くは口内に集中していると言えるので、口臭に悩んでいる人はまず歯磨き・マウスウォッシュで口内洗浄を徹底することを始めるのが得策です。
そして寝る前と寝起きすぐの時にしっかりと歯磨きをして口内細菌を減らし歯垢を取り除く、起きたらコップ一杯の水を飲む、飲酒・喫煙を控えるのなどの対策も並行して行います。
「くまなく歯磨き+マウスウォッシュで仕上げ」を習慣化すれば口内環境を原因とする口臭は大幅に抑えられますが、それでも酷い口臭が発生する場合は内臓疾患が原因になっている可能性が高いので内科医の診断を受けてみるべきでしょう。