安全・快適な自転車ライフを提供する自転車安全整備士
自転車は乗れるようになれば老若男女を問わない移動手段となり、生活には無くてはならないものになります。通勤・通学の足として、買い物に行く時の荷物運搬手段として、休日の遠出にと、様々な場面で活躍してくれるのが自転車のいい所です。
しかし、自転車には免許もガソリンも必要ないとは言うけれど、定期的な整備・点検は欠かせません。もしもブレーキの効きが悪くなっていたり、チェーンが外れやすくなっていたりすると交通事故の原因になってしまうのです。
自転車を整備し安全を認定する自転車安全整備士
自転車が安全基準に沿うよう整備・点検を行い、安全な運転を指導できる能力を認定する資格が、公益財団法人・日本交通管理技術協会が主催する「自転車安全整備士」です。自転車の整備は見過ごされがちですが、いざという時にブレーキが効かない、チェーンが外れて動かない、タイヤがパンクばかりしてしまうといった事故に繋がりかねないトラブルは定期的な整備点検を行っていれば防ぐ事が出来ます。
自転車安全整備士の資格を取るには18歳以上で、2年以上の自転車の安全利用及び整備点検の実務経験が必要になります。
交通事故の防止に大きな意味を持つため、自動車安全整備士資格の認定試験は警視庁の後援を受けて行われています。
自転車安全整備士とTSマーク
自転車安全整備士が整備・点検を行い、安全基準を満たした「普通自転車」にはTSマークと呼ばれる証印が張られます。TSとは「Traffic Safety(交通安全)」の略です。
TSマークが張られている普通自転車には、TSマークに付帯する傷害補償と賠償責任保障が付いた自転車保険への加入が出来るようになります。
つまり、自動車安全整備士による整備点検を受けてTSマークを付けることは、保険補償も付けられるという事なのです。
自転車の組み立て・整備は自転車技士
一方、自転車屋のような自転車の組み立てや整備を行う能力がある事を認定するのが「自転車技士」という資格です。自転車技士は、旧自転車組立整備士を発展させた資格で、5年ごとの免許更新が必要になります。
自転車技士資格の取得条件は、18歳以上で2年以上の自転車の組み立て・整備検査の実務経験が必要になります。
安全基準を満たした組立が出来る
自転車の組み立ては知識や経験がある人なら資格がなくても自力で出来ますが、無資格者が自力で組み立てた自転車の安全性は自己責任となってしまいます。
それに対して、自転車技士が自転車を組み立てるとJISマーク・SGマーク・BAAマークなどのメーカーが安全性を満たした証拠が有効になるのです。
自転車系資格は女性にも活用しやすい
自転車安全整備士・自転車技士の資格試験は基本的に共同で開催されます。両資格を併願する受験者が多いため、実技試験を兼用する形を取っているためです。
自転車安全整備士・自転車技士の受験者は男性ばかりではなく女性も多く見られます。自転車は部品が軽く女性の力でも扱いやすい事、電動工具のおかげでねじ・ナット回しなども楽に行えるようになった事、「自転車乗りなら自分の自転車を自力で整備出来て当たり前」という風潮などが、女性の自転車安全整備士受験者の増加に一役買っているといえます。
就職にも有利
自転車安全整備士・自転車技士の資格は、自転車屋を開業する際に大きな意味を持ってきます。自転車屋の開業は資格なしでも可能ですが、「商品としての自転車を提供する」という意味では安全基準や保険を提供できる資格者の店の方が信頼感が高いからです。
また、自転車屋を開業しなくても資格を持っていた方が就職面では有利です。最近はホームセンターやディスカウントショップでも自転車販売を扱っている為、資格者は優遇される傾向にあります。