賢く効率的な節電を実現できる?デマンド・コントローラとは
電力消費を減らして電気を節約する節電。2011年の東日本大震災によって発電量が減少した日本では今まで以上の節電が求められるようになってきました。
目標率の公表や毎日の電力消費予測の公開などで、節電がより身近なものになったことは確かですがその一方でむやみやたらな節電による被害を受けている人も少なくありません。
例えば、大事なデータを保存する前にパソコンのコンセントを抜かれたとか、工場が節電のため操業停止になって目標生産数を達成出来なくなったとか、照明が削減されて作業効率が低下したなどの被害です。
節電は、電気の消費量が減ればいいというものではなく、生活水準を落とすことなく電気消費量を減らしていくものなのです。
効果的かつ効率的な節電を行うための手段として今注目されているのが「デマンド・コントローラ」なのです。
デマンド・コントローラは何故節電に効くのか?
デマンド・コントローラは、電力消費量を監視して目標の電力消費量に収まるように警告・調整を行う装置です。
パソコンにデータを出力してリアルタイムで電力消費状況を表示できるので、電気に詳しくない人でも視覚的に電力消費量が把握できるという特徴を持っています。
デマンドとは何か?
デマンド・コントローラの「デマンド」とは最大需要電力のことで、30分間ごとの消費電力を測定・記録して一か月間の記録の中で一番大きかった消費電力量をデマンド値と呼びます。この一か月分のデマンド値は、電気使用料金の算定基準として使われます。つまり、電力消費を抑えればその分だけデマンド値が低くなり、電気料金も下がるというわけです。
デマンド・コントローラはデマンド値を制御できる
デマンド・コントローラが節電に効果を発揮する理由はデマンド値を目標値に引き下げる、つまり消費電力を抑制することが出来るからです。
どういうことかというと、例えば一日のデマンド値が150kwである会社にデマンド・コントローラを導入したとします。デマンド・コントローラで目標値を100kwに設定してコントローラを有効にすると、消費電力が100kw以上に達しそうになった時点で警告ブザーやランプが起動して警告を発令、または照明・空調を止めて電力消費量を自動的にコンロトールして目標値の範囲に抑えようとするのです。
デマンド・コントローラはどんな環境で効果を発揮する?
デマンド・コントローラは直接または間接的に電力消費を制御して節電をサポートしてくれる便利な機械ですが、家庭・企業・工場など場所を問わず節電できるというわけではありません。
デマンド・コントローラは、常に電気を使っていなければならない電化製品や機械との相性はよくありません。例えば冷蔵庫の場合、中に入れた食品の鮮度を維持するため常に電気を消費しなければなりません。もしも電力供給が断たれた場合、冷蔵庫の中に入っている食品は鮮度が落ちて、最終的には腐敗してしまいます。
工場に設置されている機械類も、稼働させている間は多量の電力が必要になりますが電力供給を落とすと生産中の製品と材料が台無しになってしまいます。
このような背景から、デマンド・コントローラが有効に活用できる環境は企業のオフィスのような、季節によっては空調・照明を頻繁に使わなくてもいい場所ということになります。