豊かな老後を妨げる原因・認知症を予防するには?
「人としての幸せ」には、健康であること、家族や友人に恵まれていること、裕福であること、お腹いっぱい食べられることなど様々にありますが、何よりも「幸せを感じられる力があること」ではないでしょうか。
どんなに恵まれた環境に居ても、それを幸せだと感じられなければその人にとって幸せはないのと同じことなのです。
「幸せを感じる力」は誰にでも生まれた時から平等に与えられているものですが、病気などによって失ってしまうことがしばしばあります。そういった「幸せを感じる力」を失う原因の一つが認知症なのです。
認知症とはどんな病気なのか?
認知症は老化現象として起こる物忘れなどのいわゆる「ボケ」と混同されることが多いのですが、認知症では記憶障害や認知障害のみならず、猜疑心の増大・抑うつ症状・暴力傾向・卑猥な言葉の頻出といった人格の変容が発生します。人格の変容が出現すると、同居する家族にとってはまさに修羅場となります。猜疑心が強くなるから何かの拍子に「私のものを隠した、盗んだ」と騒いで大暴れしたり、娘や孫を卑猥な言葉で罵ったりというように精神的にも肉体的にも疲弊してしまうことになるのです。
認知症を引き起こす原因になる病気には、脳卒中・脳梗塞などの脳血管障害、アルツハイマー病、レビー小体病、パーキンソン病などがあります。
認知症を予防するには何が肝心?
認知症の原因になる病気には、若年性アルツハイマー病などのような遺伝性のものもあるため一概には言えないのですが、認知症の予防には毎日の生活習慣の見直しが大事になってきます。
塩分を摂り過ぎない
塩分の摂り過ぎは脳血管障害の原因となる高血圧を引き起こす要因の一つです。脳血管障害が発生すると脳細胞に行く血液の一部が遮断され、血液が欠乏した脳細胞は破壊されてしまいます。
破壊された脳細胞は再生しないため、脳血管障害ひいては高血圧の予防は若い頃から十分に注意しなければなりません。
日本人の食生活は塩分過多になりがちと言われています。なので、塩分摂取量に十分注意した献立やナトリウムの排出を助けるカリウムを含んだ食品の摂取を心がけましょう。
ビタミンC・ビタミンEを摂取する
脳血管障害は高血圧や高脂血症に起因する動脈硬化によって引き起こされます。動脈硬化を起こすと血管の内部が狭まり血管が詰まりやすくなってしまうのです。
動脈硬化の予防には血管の再生や老化防止に効果があるビタミンC・ビタミンEの摂取が欠かせません。
また、ビタミンC・ビタミンEの摂取はアルツハイマー病の発症を予防する効果があるという説もあり、老化を防ぐ上でも認知症予防の上でも各種ビタミンを不足なく摂取することは有用です。
タバコ・酒を控える
飲酒・喫煙は大人の嗜みとも言えますが、健康面に与える影響の大きさは計り知れません。タバコは肺がんの原因になるだけでなく血行不良を引き起こす原因になり、脳血管障害の遠因になります。お酒は血行を促進しますが、その分動脈硬化や肝機能障害のリスクを高めてしまいます。特に肝硬変などの肝機能障害を原因として起こる「肝性脳症」は認知症の原因にもなってしまうのです。
健やかな老後を過ごすためには、タバコの吸い過ぎやお酒の飲み過ぎに十分に注意する必要があるのです。
趣味を持ち、コミュニケーションを交わす
人間の身体は、日常生活の中で使わない部位や能力があればどんどんと衰えていくように出来ています。逆に、毎日使っていれば歳を取っても若い頃のように部位や能力を使うことが出来るのです。
この仕組みを利用して記憶力や認知力を酷使する行動を毎日していれば、認知症を予防できるのです。
どのような行動が認知症予防に効果的かというと、人との会話やコミュニケーションです。他人と接することは、相手の気持ちを慮ったり相手の話を覚えようとしなければなりません。それは記憶力や認知力の発揮に繋がります。
また、手先や体を動かすような趣味を持つことも大事です。趣味に熱中することは脳の活性化につながるだけでなくコミュニケーションを取る場を与えてくれるのです。