髪の毛を育てる栄養と食べ物にはどんなものがあるの?
中国には古くから「しっかりと栄養バランスを考えた食事をとることが病気の予防につながる」や、「病がある部位と同じ食材を食べることで病を癒す」という考え方があります。
さすがに「髪の毛を生やすためには髪の毛を食べる」というわけには行きませんが、髪の毛の原料や髪の毛の発毛・育毛を行うために欠かせない栄養素を食事で摂取することはできます。
どのような栄養素を含む食材が髪の毛を育てるために欠かせないのでしょうか?
髪の毛の主成分・タンパク質は必要不可欠!
髪の毛の発毛や育毛には、髪の毛の主成分となるたんぱく質の摂取が欠かせません。
髪の毛はケラチンというたんぱく質の一種で構成されていますが、ケラチンは摂取したたんぱく質を原料にして体内で合成されています。
つまり、たんぱく質をしっかりと摂取することが発毛・育毛には欠かせないのです。
たんぱく質は肉や魚、大豆などに豊富に含まれています。ただし、肉・魚などの動物性たんぱく質は同時に多量の脂肪を摂取することになるため、肉・魚・大豆食品を組み合わせてバランスよく摂取することが大事です。
現代男性に不足しがちな亜鉛がたんぱく質を業贅
髪の毛の主成分であるケラチンは、体内に取り込まれたたんぱく質を原料にして合成されていますが、ケラチンの合成には必須ミネラルの一つである亜鉛が欠かせません。
たんぱく質の合成に欠かせない亜鉛の摂取量が不足すると、味覚障害や精力の低下を招きます。
統計的に現代男性は慢性的な亜鉛不足であるといわれており、ファストフードやインスタント食品の氾濫が原因になっているものと考えられています。
亜鉛を多く含む食品には、牡蠣やレバー、ゴマ・大豆などがあります。ただし、牡蠣やレバーの生食は食中毒を起こす危険性があるので、火を通して食べるようにしましょう。
新陳代謝を活発化させるヨード
昔から「海藻を食べると髪がフサフサになる」と言われています。これは根拠のない迷信ではなく、栄養学的に根拠のある話なのです。
わかめや昆布などの海藻には、ヨードという栄養素が含まれています。ヨードは体内で新陳代謝を促進する甲状腺ホルモンの原料として消費され、髪の毛の発毛・育毛にも効果を発揮するのです。
ただし、ヨードの取りすぎは甲状腺ホルモンの過剰分泌を促しバセドー病を引き起こしてしまうことがあります。
細胞分裂を活発化させるビタミンB群
髪の毛は毛根の奥にある毛母細胞が細胞分裂を行うことによって発毛し伸びていきます。つまり、細胞分裂が正常に行われていなければどんなに栄養を取っても発毛・育毛にはつながりません。
細胞分裂が活発に行われるようにするためには、ビタミンB群の摂取が欠かせません。
ビタミンB群はビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB5、ビタミンB6…など様々ですが、レバーやウナギ、青魚、根菜類、大豆、貝類などがビタミンB群を豊富に含んでいます。
美肌だけでなく美髪にも欠かせないビタミンC
美しい肌を作り、風邪の予防にも効くビタミンCは、発毛・育毛にも欠かすことのできない栄養素です。
ビタミンCの効果の一つである抗酸化作用は、老化の原因となる活性酸素を体から除去するという働きです。
活性酸素の働きによって老化した細胞は、正常な新陳代謝が行われにくくなってしまいます。髪の毛の場合、抜け毛が増えるだけでなく発毛のサイクルがずれてしまい薄毛を引き起こす原因になってしまうのです。
ビタミンCはみかん・オレンジなどのかんきつ類やカボチャやホウレンソウなどの緑黄色野菜に豊富に含まれています。
髪の毛を生やすために欠かせないイソフラボン
男性ホルモン・女性ホルモンといった性ホルモンは身体のバランスを整えると同時に髪の毛の発育にも大きく影響を及ぼします。
男性ホルモンはわき毛やすね毛などの体毛の発育を促進し髪の毛の寿命を短くしてしまいます。一方女性ホルモンは体毛の発育を阻害し、髪の毛の発毛・育毛を促進する性質を持っています。
つまり、男性も体内の女性ホルモンの量を増やせば髪の発毛が促進されるということです。
体内に取り込まれると女性ホルモンとして働く栄養素であるイソフラボンは、豆腐や味噌などの大豆製品に多く含まれています。また、イソフラボンは唐辛子に含まれるカプサイシンと一緒に摂取すれば、発毛効果が期待できるという研究結果があります。