つらい時ほど、動物に癒しを求める
読売新聞が『動物を飼う事が好きですか』という調査を行ったところ、バブル突入を間近に控えた1979年では『47.7%好き』という結果がでました。
対して、バブルがはじけ就職氷河期が明けきらない2001年に同じ質問をしたところ、経済的には厳しいはずなのに、『59.7%が好き』と12ポイントも上昇しています。
その理由として、60.7%の人が『気持ちが和らぐ』『寂しさが紛れる』と回答しています。
最近では猫カフェやうさぎカフェを代表とした「動物と触れ合えるカフェ」がヒットしている事からも分かるように、厳しい時代にこそ、動物による癒しが求められているのです。
アニマルセラピーとは?
世界中で医療としての効果が認められているアニマルセラピー。
日本においては、医療の現場で行われる『動物介在療法』と、生活の質を上げるための『動物介在活動』に分けられています。
老人ホームなどでは犬を使った「ドックセラピー」が良く行われますが、海外ではイルカと一緒に泳ぐ「イルカセラピー」が有名でしょう。
セラピーに協力してくれる動物には、基本的に区別はありません。
ちなみに日本が開発したアザラシ型セラピー用ロボット「パロ」は、世界で最もセラピー効果のあるロボットとしてギネスにも認められています。
アニマルセラピーは世界も認めるストレス解消法
ドイツなどでは医療保険が適応される程、効果が認められているアニマルセラピー。
猫の画像で癒されるのもいいですが、週末は猫カフェにでも行って動物を撫でてみませんか?
世界最古のアニマルセラピーは『乗馬』だった
アニマルセラピーの歴史をひも解くと、最も古いのは古代ギリシャ。 紀元前400年ごろの文献に「負傷した兵士を馬に乗せて治療した」事が記されており、これが乗馬療法に言及した最古の記述とされています。
その後、医学として有効性が認められたのは1875年のパリにおける「神経障害」の治療法。 そして、1900年代にイギリス、ドイツへと広まった後、その効果が認められ世界中に普及していきました。
日本に伝わったのは1970年。ドイツから障害者乗馬として紹介されました。
乗馬療法もアニマルセラピーも、日本ではまだまだ歴史は浅いと言わざるを得ません。
乗馬でストレス解消
乗馬がストレス発散に効果がある理由として、いくつかあげられますが、分かりやすいのは以下の3つでしょう。
視線の高さが変わると世界が変わる
馬の体高(地面から背中までの高さ)は約160cm。乗り手はその上にまたがるのですから、軽く2.4mは超える計算になるはず。
日常生活で、240cmの高さから世界を眺める、しかも移動するという経験は味わえません。
馬の体温が気持ちいい
馬の平均体温は38度。人より少し高いくらいです。
馬に触れた時、この暖かさが心地よく感じます。
上下運動がマッサージ効果とリラックス効果を生む
乗馬の事を「馬の背に揺られる」と表現するように、乗り手は体を上下に揺られることになります。
この揺れが振動となって、自律神経の集中する脊椎にマッサージ効果を与えます。
乗馬の消費カロリーはジョギングよりも多い
乗馬は有酸素運動です。
見た目は楽そうですが、30分の乗馬で消費されるカロリーは約500kcal。
ちなみに体重60kgの人が30分のジョギングを行った時の消費カロリーは約221kcal。
これからも、乗馬のダイエット効果はバカにできません。
しかも振り落とされないように馬の胴を締めるための両足と、バランスを取る背筋に集中的に負荷がかかります。
下半身の引き締めと猫背対策に、乗馬はもってこいのスポーツだったのです。
乗馬は3000円と値段も手軽
「乗馬なんてセレブが趣味でやるスポーツ」というイメージは昔のもの。
最近では、関東近郊で体験乗馬ができる場所も増えていますし、安いところでは3000円から。高い場合(1日乗馬コース)でも6000円くらいで馬に乗れる牧場やクラブが増えています。