自宅に温泉を引く
新築の自宅で温泉を楽しむのなら、『温泉を引いてくる』必要があります。
しかし、どこにでも源泉が吹き上がっている訳はありませんし、そのような場所は国が管理して勝手に引いてくることは不可能でしょう。
自宅の庭をボーリングできれば簡単かもしれませんが、各種許可と億単位の費用、さらには『運』が必要になるので現実的ではありません。
新しく掘るのではなく、すでに湧いているものを分けてもらうのが現実的でしょう。
例えば、別府では温泉給湯事業 – 別府市綜合振興センターが、引き湯を行っています。
契約書に記されている価格では、契約期間は10年。給湯料が月額9,450円。契約金が310,000円。自分で掘る事に比べれば、非常にお手軽な値段設定と言えるでしょう。
他には、長野県諏訪市(信州諏訪暮らし-暮らし応援サポートセンター >諏訪で暮す)、福島県檜枝岐村(温泉 « 尾瀬檜枝岐温泉観光案内所)、北海道弟子屈町(土地・建物に関すること|移住情報|北海道弟子屈町)辺りが、自宅に温泉を引ける事で有名な場所です。
温泉付き物件を探す
新築で温泉を引く工事を考えると、それなりに資金が必要になりますし、地域が限られてしまいます。
それらを解消する方法として、始めから温泉付きの物件を購入するのはいかがでしょうか?
都内でも温泉付きのマンションは見つかりますので、選択肢は大きく広がるでしょう。
ただし、東京の温泉の特色である『黒湯』をくみ上げているマンションを見つける事は至難の業と言えます。
成分の濃い温泉を付き物件を探すのであれば、有名温泉地のそばで探すのが一番でしょう。
温泉付き物件の注意点
さらに、マンションと一軒家での違いについても紹介します。
温泉は大浴場のみ
温泉付き分譲マンションの場合、「温泉は共有の大浴場のみ」という事が少なくありません。
必然的に、同じマンションの住人と顔を会わせる機会も多くなるので、温泉で一人だけの空間を夢見ている人には、少々不便でしょう。
もっとも、その事さえ乗り越えるのであれば、面倒なお風呂掃除が無く、無料で広々とした大浴場が使い放題という事です。
管理費が高め
温泉に含まれる成分により、水道管が痛みやすくなります。
また、マンションで源泉を管理している場合、「源泉管理費」も必要になり、費用は一般のマンションよりも高い傾向にあります。
しかし、自宅のお風呂を使わないのであれば、その分の水道代とガス代の大幅な節約になる為、トータルで考えた際、ずば抜けて費用が掛かるという訳ではありません。
衛生問題
温泉には付き物のレジオネラ菌。この菌自体は自然に存在するありふれた土壌細菌の1つです。
しかし39℃前後の循環式浴槽など、水が溜まりやすい場所で大繁殖する事があり、吸い込むと肺炎を発症。最悪のケースでは命に関わる事もあります。
2007年。都内の温泉付きマンションにて基準値の8900倍の菌が発見された、というニュースが話題になりました。
温泉付きマンションの場合は、くみ上げた温泉をタンクに保管し、処理を加えたのち、大浴場や各家庭へ送るシステムが多く、管理がずさんな場合、不衛生になりやすい環境にあると言えるでしょう。
温泉付き物件の選び方
温泉付き物件は、安ければ300万円代から購入可能。
自宅で気軽に温泉を味わえると考えれば、決して高い買い物ではないのかもしれません。
しかし、一般の住宅では扱っていない物を使用するのですから、そこには別な問題があります。
温泉付きの不動産を購入する際には、購入後の管理まで考えた物件選びが大切になります。