高収入の在宅ワークが出来る！？資格取得で高収入は可能なのか
新聞の折り込みチラシや雑誌の広告などには、よくカルチャー・資格系通信講座の案内が入っていることがあります。こういった通信講座の宣伝文句はよく練り込まれているのか、目を通している内にやってみたいと思わされてしまうものです。
そんな通信講座の中には「受講して資格取得すれば在宅ワーク可能」「短い時間で高収入も夢じゃない」というような資格と自宅で仕事する在宅ワークがセットになったものが見受けられます。
本当に資格取得する事で出来る在宅ワークは収入に繋がるのでしょうか？
自宅で、好きな時に出来る在宅ワーク
在宅ワークは、会社事務所に出勤することなく自宅で、自分の好きな時に出来るという仕事の事です。いわゆる在宅勤務、テレワーク、SOHOと呼ばれる勤務形態の一種と言えます。
在宅ワークの利点は同僚や上司と顔を合わせずに仕事が出来るので人間関係に悩まされにくい事、仕事時間を自分の都合で決められるという事です。人間関係の調整は結構なストレス源になるため、精神的に疲弊してしまう人も少なくありません。また、正社員として働きたくても手のかかる年頃の子供がいる既婚女性は、パートタイマーとして働くことさえ難しいものです。
在宅ワークは、そういった悩み事を解決する働き方として一定の人気を誇っているのです。
「資格取得で在宅ワーク」は本当なのか
そして、資格系通信講座は売り文句の一つとして「在宅ワーク可能」を前面に押し出している事が多く見受けられます。それは資格の取得を収入増に繋げたい、在宅ワークで収入と自由時間の両立を図りたいという気持ちを持った人を引き込む戦略と言えます。
在宅ワーク可を謳っている資格系通信講座はさまざまで、医療事務や建築模型、テープ起こしやWebデザイナー、変わったところではフィギュア模型・スイーツデコなどがあります。これらの通信講座は講座修了後に資格証明書や修了証明書を発行して、在宅ワークへの足掛かりにしていくという形式を取っています。
悪徳商法も紛れている在宅ワーク斡旋
率直に言って、「在宅ワークが出来る資格・通信講座」というのは眉唾物の怪しさが付きまとっているものです。中には「在宅ワークをするには業者登録費用が必要」「指定教材を購入しなければ受講できない」として、受講料以外でさらなる出費を求めてくるケースさえあります。
特に最近人気のある「医療事務の在宅ワーク」は、眉唾を通り越して胡散臭い仕事と言ってもいいでしょう。医療事務で扱うカルテやレセプト（医療費明細）は個人情報に属するものなので、原則院外への持ち出しは禁止になっています。そんな大事なものを在宅ワーカーにポンと預ける病院があるとは到底思えません。
在宅ワーカーに外注する必要のないものも
また、資格系通信講座ではクラフト系の物が女性に高い人気がありますが、これを在宅ワークに活用できるかというとそうではないものの方が多いのです。中でも住宅の模型を製作する建築模型士講座はその代表格です。
建築模型士は、依頼主に見せる建築前の住宅の模型を製作するという民間資格です。実際に模型を作ってみせる建築士や建築会社も多いのですが、模型の製作は在宅ワーカーに外注するのではなく建築士が設計図を作る片手間に製作する場合が多いのです。
在宅ワーク系資格は思ったようには稼げない
このように、人気がある在宅ワーク系の資格は多いのですが実状は人気に比したものとは言い難いのが現実なのです。「高収入を狙える」と言っても、仕事の依頼が来なければ資格を取っても収入はゼロのままですし、狙っていた収入額に到達するためにはフルタイム以上に働かなければならないケースもあるからです。
「高収入」「自由な時間」と言った誘い文句に踊らされず、よく考えてから資格系通信講座を受講する事が大事です。