気軽に問い合わせたつもりが契約に?!
不動産会社のサイトを見ていて、ふと気になった物件があったとします。そして、何気ない問い合わせのつもりで、まだほんの軽い気持ちで問い合わせフォームからメールを送ったとします。でも、あなたは気軽なつもりでも、不動産会社はけっこう本気で顧客を取ろうとしていることがあります。
それも普通に営業ならまだ良いのですが、今月この物件を何が何でも契約したいと言うこともあるのです。そんな時にネットから問い合わせのメールが来たら、ラッキーと思うでしょう。
そこで突然朝から携帯電話が鳴り出すことなります。かなり何回も掛かって来るので、仕事中でも一体誰からの着信なのか気になります。昼休みに電話をすると昨日ネットから問い合わせをした不動産会社でした。
電話では『問い合わせた物件はいっぱいなのだ』と言います。それなら電話を切ろうとしたら『これに似た物件なら紹介出来ますよ。ちなみに・・・ご希望やお住まいの人数を教えていただけますか』と会話が始まります。
住まいの悩みを相談したばかりに紹介へ
そもそも興味がある物件がないのなら電話を切ってしまえば良いのに、それが出来ないのが、住まいに関する悩みを抱えている人の苦しい状態なのです。ついつい今の住まいの悩みをあれこれ相談し始めて、いつの間にか『それなら、問い合わせをしていただいた物件と似た物件だと手狭になりますね。もっと広い物件をご紹介しましょうか』と言われます。
そもそももっと広い物件が本当に必要なのか自分でも分からないうちに、愚痴からいつの間にか広くて高額な物件の案内に変わって行きます。
不動産会社の話しに乗ってしまう人は要注意
そして、何だか分からないうちに仕事の後に来店することになるのです。そのまま物件の紹介をされて、幾つか見ている時に自分でもふと気が付いて『やっぱり、最初問い合わせた物件のような感じが良いです』と言います。
しかし、最初に電話が掛かって来た時には似たような物件もあると言っていたのに「あれはもう契約が決まりました」等と言われます。冷静に考えれば、こんな偶然は余りないのですが、不動産会社の誘導に乗ってしまい振り切ることが出来なくなって行きます。
さらに、不動産屋は「今、ご紹介しているこちらのAの物件ですが、私も実は住んでいるんですよ。それがとても住み心地が良くて」なんて言って来ます。しかし、そんなことはないので、信じてはいけません。でも、この手に乗ってしまう人が多いのです。何故なら目の前に住んでいる人が良いと言っているのですから、きっと大丈夫だろうと思ってしまうからです。
でも、これは・・・『不動産会社に勤めているプロが良いと言っていて、住んでいる物件なら安心だ』と思わせる営業テクニックなのです。そして、ここまで乗ってしまうと、今の家賃の倍以上の物件を見に行くことになります。不動産屋も一緒について来るので、どんどん断りにくくなります。
契約を念押しされて断りにくい雰囲気に
そして、ついに契約する前の段階の見積もりを計算されます。すると、敷金や礼金がとても高いのに驚きます。「確か・・・最初問い合わせた物件は敷金も礼金もゼロの物件だったはずで、だから問い合わせをしたんですが・・・これは何とかなりませんか?」そんなことを言っても聞いてはくれません。
「あの物件はいっぱいになりましたが、あれは自社物件でないので保証会社の審査があります。さらに、審査は厳しいので落ちることもあります。また、審査が通っても高額な保証金を取られますよ。こちらの敷金礼金はこれでも自分の裁量で安く見積もっているので、自社物件でないのはもっと高くなる可能性もあるし、保証出来ませんよ」等とたたみ掛けて来ます。
それでも、こちらが考えさせてくれと頑張ったとします。でも、相手は、「○月○日までに支払ってもらわないと物件を押さえておけなくなりますから、帰宅したらすぐにでも振り込んでいただけると助かりますね」と念押しをするのです。
安易に個人情報を入力して問い合わせない
このケースで考えられることで、一体何を防衛すれば良かったのかと言うと、まず安易な気持ちで不動産屋に問い合わせをしないことです。自分の中で何となくのイメージしか新しい住まいに関する情報を考えていなかったので、どんどん相手の言いように流されて行きます。
また、不動産サイトは問い合わせの段階でも住所・氏名・電話番号・携帯電話番号・メールアドレスと個人情報ばかり入力します。多くの物件を見て『これだ!』と思ったのなら問い合わせをしても良いですが、これ程の個人情報を入力するのに曖昧な気持ちで問い合わせすると落とし穴にはまります。
また、次々に紹介されるとあれもこれも良くなるので、不動産会社としても高い物件を契約させて今月のノルマをこなしたくなります。
さらに、住まいに関することは、まだ会ったこともない不動産会社に電話で家族構成まで教えてしまうこともあります。これは危険です。幾ら相手が親身になってくれても、余り詳しく自分や家族のことを話すと契約をしたくなくても、自分の情報を握られているので弱い立場になってしまい結局契約をしてしまうのです。
このようなことにならない為に、日頃から自分のなりたい生活スタイルの情報を収集して、家族ともどんな家に住みたいか良く話し合っておきます。家族に何の相談もなく何となく契約することになって引越しすることになったでは、家族もあなたも困ります。
人生にとって不動産選びは重要です。もしかしたらずっと住むことになる大切な場所になります。そこで幸せに暮らす為には無理な家賃や契約は厳しいです。良く検討して良い物件を選んで欲しいものです。