もしもあなたの会社の経営が傾いたらどう対処すべきか?|トピックスファロー

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2012年9月14日
もしもあなたの会社の経営が傾いたらどう対処すべきか?

長引く不況や株価の低迷、超円高化など日本経済は未だ先の見えないトンネルを抜け出すことが出来ていません。そのため、企業体力が持たなくなり倒産の危機に追い込まれる会社も少なくありません。会社の経営が傾いた時、経営者はどのような対策を打つべきなのでしょうか?

WEBライター
  

会社の経営が傾いたらどんな対策を打つべき?

「会社経営」という言葉に夢や幻想を抱く人は結構多いものですが、実際の会社経営はそんな夢も希望もありはしないほど過酷なものです。
会社がどれだけ売り上げを伸ばして売り上げの全てが経営者のポケットに入るわけではないし、出た利益は会社の運営に回さなければならないし、経営ミスがあれば経営者の立場から追われるかもしれない、そんなリスクまみれの毎日が続くものなのです。
そして、経営手腕に瑕疵がなくても世間の不況の影響が直撃して会社が傾いてしまうことも珍しくないものです。もしも、会社の経営が傾いてしまったときはどのような対策を打てばいいのでしょうか?

融資元の銀行に頭を下げよう

会社の経営が傾きだしたことが取引先などに知られたとき、まず真っ先にやってくるのは経営資金を融資している銀行などの金融機関です。
彼らは追加の資金を融資しに来たわけではありません。融資した資金の回収にやってくるのです。

銀行の融資は会社が健全に成長することを期待して貸し付けられているお金で、計画通りに会社が成長すれば元本+利子が回収される予定になっているのです。
しかし、会社経営が傾けば利子どころか元本の回収さえ危うくなるので銀行は最悪元本だけでも抑えておきたいと考えるのです。

しかし、傾いているとはいえ破産宣告も民事再生法適用も受けていない経営中の会社から、経営資金が引き剥がされたら本当に倒産することになってしまいます。

銀行に止めを刺されないためには、「経営改善計画書」を提出して融資の返済計画に変更を加えてもらうよう頭を下げなければいけません。

経営改善計画書とは何か?

経営改善計画書は、資金融資を受けている銀行に対して「このような計画に基づいて傾いた経営を立て直すので融資の引き上げと融資返済のスケジュールを組み直してもらえないか」と申告する際に準備する書類です。

内容としては過去数年にわたる収支状況や現行事業の情勢、経営内容をどう見直して経営状態の改善につなげていくか、ということを文書に記していくものです。もちろん、経営改善計画書は会社としての公式な文書となるので、行政書士や経営コンサルタントに作成代行を依頼しておいた方が良いでしょう。
銀行等の金融機関に提出した経営改善計画書は監督省庁である金融庁による査定が入るので、実現可能性が低い内容で誤魔化すことはできません。

人員整理は経営改善につながるのか

バブル崩壊以降の日本では、日本の労働環境最大の特徴であった終身雇用制と年功序列制を放棄しての人員整理、いわゆるリストラが大流行しました。IT化とオートメーション化が進行している日本企業では、人件費の削減が経費削減による財政立て直しに有効な手段だと考えられていたからです。

しかしご存じの通り、リストラによる人件費削減は技術力の低下と経営体力の低下を招き、リストラに踏み切ってもそのまま潰れてしまう企業の続出で日本経済と雇用情勢を崩壊させてしまいました。

本来のリストラは人員整理だけで経営を改善するのではなく、人員削減を行わずに会社規模を維持したまま会社体制の再構築を行うのが目的です。
しかし人員整理による大量解雇を伴うリストラでは人員が削減された分だけ会社の規模が縮小してしまい出来る仕事の量もリストラ前よりも確実に減少してしまいます。
こうなってしまうと計画通りの経営改善が出来なくなり、倒産を先延ばしにしただけになってしまうのです。

経営改善は健全な会計から始まる

もしもあなたの経営する会社が傾いて経営改善計画を立てなければならなくなった時は、真っ先に会計を見直すことが肝心です。
人件費を削ることよりも先に無駄遣いになっている事業の見直しなど、会社に負担をかけている部分がどこかを見極めなければなりません。
不透明なお金の流れや、不必要な事業の継続がある不健全な会計は、景気に関係なく会社の経営を傾ける原因になります。

人員整理は最後の手段

人員整理は経営が傾いた時に打つ初手ではなく、最後に打つべき切り札です。それまでは経営陣・役員を含めた全社員の給与カットで乗り切るべきでしょう。特に経営陣・役員の報酬は真っ先にカットするべきです。
社員の給与がカットされているのに経営陣や役員の報酬が据え置きでは示しがつかないし、経営陣への不信感が膨れ上がって経営改善の障害になってしまうのです。

どうしてもリストラを敢行せざるを得ない時は、リストラ担当部署を作るのは厳禁です。そのような部署を設立することはリストラの責任を社員に転嫁していることと同じで、経営者としての責任を全うしていない証拠だからです。

著者:塩屋 謙

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職業は編集・校正、そしてWEBライターでもあります。興味の範囲を広げつつ、様々な記事を書いています。