【経営者は知っておきたい!】急成長に潜む落とし穴の存在|トピックスファロー

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2012年9月17日
【経営者は知っておきたい!】急成長に潜む落とし穴の存在

経営が軌道に乗り一気に黒字経営に。しかし、その急成長の陰にはヒタヒタと近づく落とし穴が。成長中ゆえに見落としてしまい、気付いた時には一気に経営を苦しめる落とし穴の正体は何なのか。このページで紹介しています。

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飛躍的な発展も一夜にして崩れ去る

第2次世界大戦が終わり、大々的な敗北を喫した日本は1954年(昭和29年)~1970年(昭和45年)にかけて飛躍的な成長を遂げました。いわゆる高度経済成長期というものです。戦後の復興に伴い、企業の再生や起業・エネルギー源の変化・コンビナートの建設等により所得が増え、国民総生産(GNP)も世界で2位にまで登りつめました。当然世界からも注目を浴び目標とされる国へと発展していったのです。

さらに1986年(昭和61年)から『バブル』の時代が到来し、次々にビルやホテルの建設、新事業の開業が見られました。
しかし、ひたひたと黒い影は近づいていたのです。それがバブル崩壊(一般的には1992年頃と言われる。)です。株価は大暴落をし、今までの華やかな生活が一転していったのです。その代償はあまりにも大きく現在も『不景気』という荒波が逆巻いています。
この事から何を学べるでしょうか?
『急成長を遂げると落とし穴もデカい』という事です。

成長中の罠に陥るとは?

急な発展をし続けると周りが見えなくなる事があります。その為心も大きくなり、あれもこれもと手を広げて行く事になります。当然社員も増やし会社も大きくなっていくので素晴らしい事かと思われがちですが、そこに落とし穴が潜んでいるのです。

例えで考えてみましょう。
自転車をこぐにはバランスと勢いが必要です。ある程度勢いがつくと後は安定した走行が可能です。ペダルをこげばこぐほど安定感は増し加速していきます。『片手でも運転できるかも』と思い恐る恐る手を放しても惰性がついているのでまっすぐ走る事は可能です。しかし、スピードに乗っている時に突如タイヤが外れたらどうなるでしょうか。バランスは失われ走行不可能になり、自転車に乗っていた人はそのスピードの分の力(慣性の法則)で投げ落とされます。勢いがついているゆえに大きな代償を身に受ける事になるのです。
これが企業においての急成長にもあてはまってしまいます。ちょっとの歪が企業の経営を停滞させかねないのです。

急成長の陰に潜む罠の正体はこれだ!

手の広げすぎ

成績が好調になると、ついあれもこれもとやってみたいことを実行に移してしまうでしょう。それは決して悪い事ではありません。今後の経営を安定させるものになるかも知れないからです。しかし、手を広げすぎるとそれに伴って支出が増えるという事を理解しておかなくてはなりません。起業増大のために設備の拡大・社員の増員・宣伝費用・光熱費・人件費・維持費等どうしても避けられない支出が増えてしまいます。

手を広げすぎるがゆえに収拾がつかない事にならないよう、帳簿の管理に注意する必要があります。また、あまり手を広くし過ぎないのも落とし穴を避ける方法の一つかもしれません。

収支のタイムラグ

ほとんどの企業がそうだと思いますが、支出に関しては月末払いが主流ではないでしょうか。その間1ヶ月に渡り、様々な物品を、いわば“ツケ”の形で購入されていると思います。それをそのまま自社に当てはめて考えてみると解ると思います。自社に入ってくるお金(収支)は全て一ヶ月遅れになってくるのです。このタイムラグを理解しておかないと、いずれ大きな損失になる事があります。

予算を考える際、前年度もしくは前月の計上利益をもとに算出すると思います。前月の利益が多かったので、今月は予算を倍にして更なる発展をと考えるかも知れません。しかし、前述のタイムラグをあてはめるなら差引額は2倍の損失になるのです。結果そのやり方を続ければ続ける程収益と損失の差は開いてしまうのです。そうならない為にタイムラグを計算に入れた資金繰りが必要になってきます。

二次災害

日本が高度経済成長をした時に公害が問題になりました。生産を第一に求めてしまったがゆえに発生した二次災害です。企業経営において、ここまで大きな害を及ぼす事は考えられませんが、『クレーム』『信頼の損失』『個人情報の漏えい』など二次的な災害を常に身を潜めています。

完全なセキュリティアフターケアによって未然に防ぐ事もできますが、甘く見てはならない要因の一つです。一度失った信頼の回復には時間と労力がかかります。

落とし穴の正体とリスクを回避できれば発展も可能

日本が歴史を通じてきて経験してきた事を題材にして企業経営を考えてみました。急激に経済が成長すると潤うのは不変の事実です。しかし、どこかに歪がうまれ歯車が狂ってくるのも事実です。企業においても同様の事があてはまるのではないでしょうか。

急成長の陰には必ず罠が潜んでいるという事を理解し、適切な発展を遂げて行く方が今の時代向きと言えるでしょう。その為には、帳簿の管理・収支のタイミング・徹底したセキュリティ・アフターケアを怠らないようにしましょう。
一度の損失で倒産という大きな痛手を被らない経営を目指すなら落とし穴は絶対回避したいものです。

著者:加賀原まこ

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