特許業界への就職を有利に!独立も可能な知的財産翻訳検定とは|トピックスファロー

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2013年5月6日
特許業界への就職を有利に!独立も可能な知的財産翻訳検定とは

グローバル化が進んだ現代、日々生み出される最新の発明にアンテナを張る事は、産業の興亡を左右するものと言っても過言ではありません。せっかくの長年の努力と資金を投じた発明が他国に先を越されていた、そんな事態にならないために知的財産翻訳検定が重要視されているのです。

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せっかくの発明を無駄にしないための知的財産翻訳検定

私たちは漠然と「発明=大金持ちになれる」というイメージを抱いていますが、実際の発明はそんなに単純なものではないのです。
まず、発明は科学的な理屈を伴ったものでないとならないし、同じ内容の発明が先に出願されていたら特許は取れません。
それに出願書は正式な書式に従ったものでなければならないし、審査に通るまで時間が掛かります。

首尾よく日本国内で特許が取れても、国内だけで通用する特許でしかないので海外でも特許を取らなければなりません。しかも、場合によっては公知されないまま隠れていた「サブマリン特許」に抵触してしまい多額の賠償金を払わされることも…。

そんなことにならないようにするために力を発揮する資格が「知的財産翻訳検定」なのです。

知的財産翻訳検定とは?

知的財産翻訳検定は、特定非営利活動法人の日本知的財産翻訳協会が実施している民間資格の検定です。
特許などの知的財産に関する文書を翻訳する能力を計る資格で、1級から3級までがあります。
1級はプロの翻訳者として活動できるだけの実力があると認められ、2級は翻訳の実務が理解できているというレベル、3級は基礎知識がある初心者とされます。

試験内容

知的財産翻訳検定の内容は、3級が一番簡単で知的財産に関する英語の基礎知識を問う問題が出題されます。マークシートによる記述式で出題され、英文和訳・和文和訳の混合となっています。

2級に上がると難易度が上がり、特許明細書の中身を翻訳できる力があるかを試す問題が出ます。解答法は完全記述式になり、英文和訳が中心になります。

1級は通れば「専門職業翻訳者として推薦可能」とされているため、「知的財産法務実務」「電気・電子工学」「機械工学」「化学」「バイオ」の5分野から1分野を選ぶ形になります。もちろん完全記述式で解答する為、難易度はかなり高いレベルになります。

検定合格後の見返りは?

知的財産翻訳検定は知的財産に関わる仕事への就職にとても有利になります。さすがに国家資格の弁理士の試験にはプラスにはなりませんが、一級に合格すれば弁理士や企業が利用するような知的財産翻訳業としてすぐさま活動できるものと言っても過言ではないでしょう。

知的財産翻訳は翻訳業の中でも収入が良いと言われています。特許明細書の翻訳には各専門分野の知識が必要になる上に、先行特許の存在を知る上で欠かせない大事な手助けになるからです。そして、外国での特許を取る際に日本で作成した特許出願書を翻訳することも大きな役割です。

もしも、外国で先行特許が既に出願・認可済みであるのを知らないままだと、どんなに頑張って資金と歳月を費やしても無駄に終わってしまいます。そうならないためには知的財産翻訳、ひいては知的財産翻訳検定の存在は非常に大きな意味を持ってくるのです。

著者:塩屋 謙

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職業は編集・校正、そしてWEBライターでもあります。興味の範囲を広げつつ、様々な記事を書いています。