ネイティブとノンネイティブ講師の問題点
英会話スクールの多くでは、ネイティブの講師から授業を受ける事がほとんどでしょう。
しかし、「英語の勉強なのだから、ネイティブの授業が一番」というのは、単なる先入観です。
ネイティブには初心者の『分からない』が分からない
問題が顕著に表れるのは、ネイティブの講師が初心者に英語を教える時でしょう。
生まれた時から英語の中で過ごしてきたネイティブに取って、初心者の『分からない』が理解できません。
生徒がどこで詰まっているかが理解できないので、疑問を解消する手段がありません。
感覚で理解している事を言葉で説明できない
また、長年話しているうちに何となく使えている文法を説明するのは難しいものです。
例えば日本語の「て・に・お・は」や、助詞と助動詞を説明してほしいと言われても、とっさに答えられる人は少ないでしょう。
ネイティブは英語が堪能で、発音も綺麗かもしれません。
ですが、ネイティブだからこその問題が発生します。
教え方を知らないのは、ノンネイティブも一緒
それでは、ノンネイティブであれば英語を上手く教える事ができるのでしょうか?
母国語を下地にして英語を覚えたノンネイティブならば、自分も同じ道を歩んできたため、初心者の間違えるポイントが分かりやすいと言えるでしょう。
しかし、その事と教え方が上手いことは、必ずしも一致するわけではありません。
TOEIC900点を”取る”勉強方法は知っていても、TOEIC900点を”取らせる”教え方は知らない、という事は十分に考えられます。
英語の点数と、教師としてのスキルは全くの別物なのです。
公認英会話講師は『英語を教える』資格
『公認英会話講師』とは、英単語検定(単検)なども実施している日本英会話協会『JECA』が認定している民間の資格です。
資格取得の方法1:英会話講師養成講座カリキュラムの受講
英語の知識を測定する資格ではなく、英語の講師として『教えるスキル』があるかどうかを測定する資格。
その為、独学で試験に挑み、『点数が取れれば資格取得』とはなりません。
まず、日本英会話協会の主催する『英会話講師養成講座カリキュラム』を受講する必要があります。
養成講座は、「授業の進め方」「発音や文法の基本的な指導方法」「英語がどこまで習得できたかチェックする方法」など、教師としてのスキルアップを中心とした講義。
それらを、受講生同士が教師と生徒となり、実際の現場を想定した授業を行いチェックしながら進めていきます。
資格取得の方法2:英会話検定
養成講座の終了と共に資格が盛られる訳ではありません
カリキュラム終了後から1年以内に、JECAの英会話検定2級(1級)を合格し、初めて資格取得となります。
海外の英語教授法『TESOL』
日本では、あまりなじみがありませんが、英語の教授法として『TESOL』が海外では普及しています。
海外には専門の学校があり、TESOLの資格(修了書)があれば、オーストラリアなど、世界で英語教師として活動する事も不可能ではありません。
ただし、日本で本格的に受講することは難しく、多くは留学する事になるでしょう。
資格がいらないからこそ、資格が重要
日本で英語の講師として働く事に教員免許などの資格は必要ありません。
その為、学校側はTOEICのスコアや留学経験などを参考に採用を決めています。
しかし英語を話せる事と、英語を教える事が上手い事は全くの別問題。
自分の英語力ではなく、『英語を教えるスキル』を直接アピールできる『公認英会話講師』の資格は、講師採用の決め手となる資格になるかもしれません。