意外と知らない?!生命保険の種類と仕組み
生命保険といっても主契約に特約、それぞれの種類も多岐にわたり、苦手な人にとってはなかなか分かりづらいですよね。
しかし、人生のリスクに対する備えはいざという時のために必要です。
これから保険に加入する人はもちろんもうすでに加入済みの保険がある人もライフステージに沿った保険選びのために保険の仕組みの基礎を知っておきましょう。
生命保険
病気や死亡によるリスクをカバーする目的の保険で、契約による被保険者の死亡などといった条件となるリスクが発生した時に保険会社(保険者)が受取人に保険金を支払うことなどを約束したものです。
生命保険は保険業法によって生命保険業免許を受けた生命保険会社が販売することができ、偶然の事故などによるけがや損害に対して充填する目的の傷害保険や損害保険とは違います。
(損害保険は損害保険業免許)
しかし、医療保険・介護保険・がん保険などは両者ともに扱う事ができます。(第3分野保険)
どうやって決めている?保険料
契約者が支払う保険料は年齢ごとの死亡率に応じた金額を統計に基づいて設定しています。 保険会社が契約者全体から受け取る保険料と、保険会社より支払われる保険金がちょうど均衡するようになっています。
いろいろあるからややこしい?!保険商品
生命保険にはニーズに対応した、たくさんの商品が有りますが、商品設計の基本的な部分は生存保険と死亡保険の組み合わせにあります。
死亡保険
定期保険に代表されるタイプの保険で、保険期間中に被保険者が死亡した時保険金が支払われます。
定期保険は死亡のみを保障するために満期保険金が無く、掛け捨てとも言われています。
保障に対して保険料が比較的安い傾向に有り、高額な保障が必要となる子育て世代に利用されます。
途中で契約を解除した時の解約返戻金は普通少ないケースが多いのですが、保険期間が長期で契約後期の解約返戻金は大きくなることもあります。
最近では解約返戻金が無いかわりに保障を大きく負担を少なくした商品なども展開されています。
生存保険
被保険者が満期時に生存している時に保険金が支払われるタイプの保険。 保険金受け取り開始年齢から被保険者が死亡するまで年金が給付される終身年金も一つの例となります。
生死混合保険
死亡保険と生存保険を組み合わせた保険で、保険期間中に被保険者が死亡してしまった時も、被保険者が満期時も生存している時も保険金が支払われます。
養老保険
生死混合保険の一つで、被保険者が保険期間中に死亡した時、満期まで生存した時ともに同額の保険金が支払われる保険です。
契約満了時は、満期返戻金と配当金が支払われ、支払った保険料の総額よりも結果的に多く受け取れることから『貯蓄型』とも言われます。
終身保険
養老保険の保険期間を一部の統計をもとに生存者が0になる年齢まで伸ばした保険。
保険期間は生命保険会社によって差はありますが、大体105歳前後を満期としているようです。
保障期間を定めず生涯を通して継続される保険で、死亡した場合にも保険金が支払われるなど保障はより確実なものといえますが、その分、定期保険と比べると保険料は割高です。 解約返戻金は支払い済みの保険料総額より少なくなりますが、設定した払い込み期間や加入時期によっても異なってきます。
その他の保険
子ども保険
子供を被保険者とする生存保険と、親を被保険者とする死亡保険を組み合わせた保険で、子供の年齢や進・入学時期に応じてお祝い金の支払いや満期時に保険金を受け取れるタイプの保険です。
親の死亡時に子供に対して以降の保険料支払いが免除され補助金が給付されることも。
個人年金保険
保険料を一定期間積み立てるかたちで払い、受け取り開始時期を迎えてから被保険者が死亡するまで年金を受け取れる仕組みの生存保険の一種。
定期保険特約付終身保険
貯蓄型の保険料が高い終身保険と掛け捨ての保険料が安価な定期保険を組み合わせた保険で、子供が小さい時期など大きな死亡保障が必要となる時だけ保障を大きく、必要がなくなる時期に合わせて保障が小さくなるようにライフステージに沿った設計が特徴です。
定期保険部分の更新時の年齢に伴う保険料の増額について理解不足がトラブルに発展するケースもあったために充分な注意が必要です。
アカウント方保険
比較的新しい保険商品です。
アカウントとは口座のことを意味していて、それの指し示すように預金口座のような所定の利息がつく積立金部分があります。
一定の保険料のうち一部を定期保険や医療保険などの保障部分へ、残りをアカウントと呼ばれる積立金に回す事ができ、定期保険終了後は積立金を一時払い終身保険や年金に移行します。
積立金部分は柔軟に利用する事が可能で、例えば積み立ての期間中は各回の保険料や積立金への配分を変更する事で保障内容の見直しをしたり、急な経済的事情があった時には積立金を引き出し使用する事もできます。
また積立金そのものを保障部分への保険料として当てることも可能です。
しかし積立金を切り崩し定期保証内容を厚くすることが出来るものの、主契約で更新型商品とするような設計である場合などは注意も必要になります。
更新のたびに増大した保険料負担を積立金を切り崩してまかなっていけば、保障内容は変わらないのに積立金が減っていくという状態になってしまい、その結果、終身保険や年金に移行する元手が無くなってしまうことになりかねず、問題視されています。
変額保険
普通、保険は契約時に定めた保険金の額が変化しない定額保険であるのに対し、変額保険は保険期間中に株式や債券など投資の結果に応じて死亡保険金額や解約返戻金、満期保険金額が変化します。
オプション追加で最適な保険契約をしよう
特約は主契約に追加して保障内容を充実させたり不安な部分をカバーする目的のもので主契約よりも多様なものがあります。
保険会社によって特約の制限がありますが特約を付加する事で様々なニーズに対応した保険契約が組めます。
おもな特約
医療特約
けがや病気に備える特約。主に入院給付金が受け取れる内容になっていますが、手術にも対応したものも有ります。
がん特約
がんで入院したときなどに給付金が受け取れる特約です。がんの種類によって対象とならないケースもあるので契約に際しては内容や約款を良く確認しましょう。
リビング・ニーズ特約
余命数ヶ月以内の診断となったとき、保険金額の一部を生前に支払うことのできる特約で保険料の必要が有りません。リビングベネフィット(生前特約)などともいわれます。
定期保険特約
死亡保障を厚くする特約です。 終身保険に定期保険特約をつけたのが定期保険特約付終身保険になります。
収入保障特約
被保険者の死亡により、満期まで年金が受け取れるタイプの特約ですが、その時期によっても年金を受け取れる回数が違う事もあります。