オーダースーツの種類は1つじゃない
オーダーメイドのスーツといえば、胸周りや肩幅などを採寸して一から仕立てる、お金持ちが着ている高級品というイメージがあるのではないでしょうか?
ところが、実際のオーダースーツというのは、それだけではありません。
オーダーメイドのスーツには、一般的なオーダースーツのイメージが強い「フルオーダースーツ」のほかに、「パターンオーダースーツ」、「イージーオーダースーツ」の、全部で3つのタイプがあるのです。
作り方が違えば、価格も違う。ここでは、そんな3タイプのオーダースーツの違いについてご紹介します。
フルオーダースーツとは?
採寸した寸法から、その人だけのオリジナルの型紙を作り、その型紙をもとにスーツを作るのが「フルオーダースーツ」です。
フルオーダーの特徴は、やはり自分の体型にぴったりのスーツを作ることができることでしょう。また、生地・ボタン・裏地のほかに、スタイルやディールが選べるのも特徴の1つです。
まずは、作りたいスーツのイメージから、スーツの基本となるスタイルを、「ブリティッシュタイプ」「イタリアンクラシコ」「アメリカントラディショナル」の中から選びます。そして、ラペル(襟)・ポケット・ショルダー(肩)・カフ(袖口)・ベント(後身頃の裾部分の割り)をなどのディテールを決めるのです。
ただし、全工程をフルで仕上げることから、完成までに1~2ヶ月ほどかかるほか、価格は最低でも20万円はするため、お金と時間の両方に余裕のある人向けのスーツだといえます。
パターンオーダースーツとは?
数パターンある既製品の中から好きなものを選んで、自分の体型に合うよう修正を加えるのが「パターンオーダースーツ」です。
パターンオーダーの特徴は、既成品よりも自分の体型に合ったスーツを、既製品に近い価格で購入できること。また、仕上がりまでに1~2週間程度と、ほかのオーダースーツに比べ、納品までの日数が短いのが特徴です。
ただし、生地・ボタン・裏地や、お店によってはディテールを選ぶことができますが、大きなサイズ変更や細かな指定ができない場合があります。
イージーオーダースーツとは?
フルオーダーとパターンオーダーの中間に位置するのが「イージーオーダースーツ」です。
生地・ボタン・裏地や、スタイル、ディールが選べるのは、フルオーダーとほとんど同じですが、唯一異なるのは、オリジナルではなく既成の型紙を使うということ。
ただし、既成の型紙といっても、数百種類の中から採寸した寸法に合う型紙を選ぶため、パターンオーダーに比べて高いフィット感が得られるほか、型紙を作る手間が省けることから、フルオーダーよりも価格が安く、短い期間で仕上がるのです。
イージーオーダースーツでも、裁断・縫製ともに手作業で行われている場合は、価格はやや高めになりますが、最近は、裁断と縫製の両方を機械で行っている、手ごろな価格の製品も増えているようです。