うつ病には色々な種類があり、症状も異なる
うつ病と一口に言っても色々な種類があり、それぞれ表れる症状も異なります。
早期発見や正しい治療に結びつけて大切な命を守るためにも、各特徴をしっかり理解しておきましょう。
メランコリー型うつ病は、常時抑うつ状態になる
仕事や趣味・異性に対する意欲や興味が低下する、マイナス思考が強まる、過度に涙もろくなる、わけもなく不安感や孤独感を感じる。このような抑うつ状態が常時2週間以上続く場合は、メランコリー型うつ病の症状と判断することができます。
発症すると食欲が落ちますが、反対に食欲が増すケースもあります。
チョコレートなど特定の甘い菓子を強く欲するようになるのは、女性患者によく見られる症状です。
またほぼ100%の確率で、不眠もしくは過眠を併発するという特徴もあります。
※メランコリー型うつ病は、米国の診断基準では大うつ病性障害と呼称されています。
仮面うつ病は、身体症状の下に精神症状が隠れている
仮面うつ病は、精神症状よりも身体症状が目立つという特徴があります。
具体的には、胃腸の不調(下痢・便秘・腹痛など)、食欲不振、過食、性欲減退、倦怠感、頭痛、筋肉痛、四肢の痛み、肩や首のコリ、めまい、呼吸困難、不眠、過眠などの身体症状を訴えます。
憂鬱感や意欲低下など精神症状もありますが、患者は身体症状のほうを強く意識する傾向があります。
そのため内科に行くなど受診すべき科を誤って、発見や治療が遅くなることも少なくありません。
非定型うつ病の特徴は、「キレやすく落ち込みやすい」
「キレやすく落ち込みやすい」。これが非定型うつ病の症状の特徴です。
軽い叱責やミスなど、ささいな出来事で容易に情緒不安定の状態に陥るため、仕事や日常生活・人間関係に大きく支障をきたし、引きこもりや出社拒否にまで至ることも少なくありません。
ただし休日や趣味の時間・旅行先など、自分にとって都合の良い場面や居心地の良い場所に身を置いた途端に、気分が回復し行動も活発化するため、周囲から非難を受けることもしばしばです。自分の非を他人のせいにする責任転嫁の症状もまた、大きな問題になります。
※非定型うつ病は、テレビや雑誌などメディアでは新型うつ病と呼ばれています。
産後うつは、出産直後や約1ヶ月後に症状が表れる
出産を終えてすぐ、あるいは産後約1ヶ月後に、うつ症状が表れるタイプです。
育児に対する自信喪失、家事や育児に苦痛を感じる、気分の上下が極端に激しくなる、パートナーに不平不満をぶつける、あらゆる事柄に対する意欲・興味喪失、強い孤独感などが、症状例に挙げられます。
これら精神症状に加えて、頭痛、肩や首のコリ、めまい、吐き気などの身体症状が表れることもあります。
ストレス解消のためのリラクゼーションや、出産により崩れたホルモンバランスが元に戻ることで、自然回復が期待できますが、人によっては1年~2年と長期化することもありますから注意が必要です。