山ガールなら覚えていて当然!山のルール
登山を楽しむ女性、「山ガール」の増加は登山客の増加をもたらしレジャーとしての登山にまた新しい光を浴びせることに繋がりました。山ガールはファッション性と機能性を合わせ持った登山服に身を包み、日本各地の名山・霊峰を駆け巡っています。
しかし、山には山の掟があるといわれるように登山には守らなければならない決まりがあるのです。
森ガールを目指す女性たちの中にもルールを十分に学ばずに山に入ってしまう人は少なくありません。
山に入る以上覚えておかなければならないルールとはどのようなものなのでしょうか?
登山計画書を作成・提出する
山という場所は1000m以下の低山であっても、天候や季節によっては登山者に牙をむく危険な場所に早変わりしてしまう事がしばしばあるものです。
遭難しないためには入山前に入念な準備をしなければならないのですが、どのような計画に沿って登山を行うかを記した登山計画書を作成しないという人も少なくありません。
登山計画書には「何月何日に登山の為入山し、何日に下山する予定か」「どの登山口から入山してどのルートを通るのか」「何人で登山する予定なのか、登山者はどこの誰なのか」といった情報を記入し、登山先の山がある警察署へ提出しなければなりません。
また、万が一遭難した場合のために家族にもコピーを渡しておくべきでしょう。
非常食や寒さ対策を荷物に入れる
登山の際の必需品であるザックには、山の中で使うさまざまな道具を入れておくことが求められます。
山の地図や磁石、タオルや飲料水などを入れるのはもちろんのことですが、万が一に備えての道具は低山になるほど軽視されがちです。
確かに荷物は軽い方が良いのですが、山は何が起こるかわからない場所です。
急に冷え込んでしまったり、霧が出て見通しが悪くなったり、地滑り等で道がふさがっていたりすることは珍しくありません。
そういった万が一の事態に備えて、低山であっても非常食や寒さ対策の手袋や上着などもザックに詰め込んでおく心構えが登山では求められます。
ゴミは必ず持ち帰る
「旅の恥はかき捨て」という言葉があるように、旅行先だと気が大きくなって普段はしないような振る舞いをするのは、ある意味日本人の国民性と言えます。
特にごみのポイ捨ては山や海でたびたび見かける「旅の恥」の一つでしょう。
登山の際に出る食品や飲み物のゴミは必ず持ち帰るのが登山者の鉄則です。
山では街中のように誰かがゴミを片付けてくれるわけではなく、自然が分解するまでそこに放置されたままになるのです。
山の楽しみの一つは都会では見ることのできない自然の綺麗な風景ですが、ゴミが放置されたままではせっかくの自然が台無しになるのです。
登山道を外れない
人は物事に慣れてくると、同じ力量・経験の物よりも自分が優れていることを誇示したくなるものです。
自分が優れている事を誇示する方法には、「習っていない高等技術に手を出す」「コンクールや大会に参加する」といったやり方がありますが大体の場合は「ルール違反をわざと行う」というやり方に行きついてしまうのです。
ルールに縛られないだけの力量がある、トラブルに巻き込まれてもリカバーできることを示せるのが大きな理由と言えます。
しかし、登山でわざとルール違反をすることは遭難に直結します。
特に登山道をわざと外れるのは取り返しのつかないことになる原因の一つです。
登山道は登りやすい道というだけでなく、迷わないように目印や標識などが設置されているのです。
そこからわざと外れて行動するということは自分から遭難しに行くということと同じで、登山客や地元警察などに迷惑を掛けることでしかないのです。
山の植物を持ち帰らない
「花泥棒は罪にならない」という言葉がありますが、だからと言って花は勝手に持ち帰っていいというわけではありません。
人の家の庭で咲いている花はその家の人に所有権がありますし、取るために庭に入れば不法侵入です。
登山先の山に自生している花や植物がきれいで珍しくても、採取するのは登山のマナー違反です。
山が国立公園に指定されている場合、自然公園法違反となり処罰されます。
山で採取した植物は平地に植え替えても育たないし、採取する際に他の植物が踏まれてダメになってしまうので、絶対に植物の採取は行わないようにするべきです。
無理はしない
登山者の中には、どれだけたくさんの山を登ったか、どれだけ高い山を登ったかを競いたがる人も少なからずいます。
多くの山に登り、標高の高い山を制覇する事は登山家としてのステイタスと言えますが、山ガールや登山者の多くは登山で飯を食っているプロ登山家ではないので、ステイタスを積み上げることばかりに気を取られていては登山を楽しめません。
登山で大事なのは登った山の数や高さよりも大事なのは、「無事に帰還できるか」ということです。
自分の力量に合わせて登山計画を立てるのも大事ですが、天候の変化やアクシデントで「これ以上登れない」と感じたのなら即座に計画を破棄して帰還する決断をすることも登山では大事なのです。