周りに迷惑を掛けずマンションで楽器を楽しむには?
多感な青春時代を贈った中高生の頃、「ギターを弾けるようになりたい」と思ったことのある人は多いでしょう。
小学生の頃、クラスメートが習っているからと「自分もピアノ教室に通いたい」と親に駄々をこねたことのある人も多いでしょう。楽器を演奏できることは、自信の源になるだけでなく人生の多くの彩を与えてくれるのです。
しかし、楽器を演奏できるようになるためには毎日の反復練習が必要で「一日練習をサボれば取り戻すのに三日かかる」と言われるほど。教室に通えない日は、自宅で練習しなければならないのです。
そして、その自宅での練習は騒音トラブルを引き起こす原因になりやすいのです。
マンションの防音性はそれほど高くない
集合住宅であるマンションは、設計・施工の段階から意識していないと十分な防音性を確保する事が難しい建物です。騒音にも強い鉄筋コンクリート製であっても、壁・床・天井に隙間があれば反響してしまうし、壁材・床材が防音性の高いものでなければせっかくの鉄筋コンクリート構造も騒音対策には無意味です。
というよりも、日本のマンションは建築基準的にも騒音対策を十分に講じたものであるとは言い難いものです。耐震設計などを意識して改訂された最新の建築基準に基づく新築マンションでも、防音性の面では不十分で音大生・演奏家向けに防音設備が完備されたマンションとは比べ物になりません。
楽器の練習・演奏は上手くても耳障り
そして自室での楽器の練習や演奏は、一戸建て・マンションに関わらず周囲の迷惑になるものです。「夜、誰かが吹いている笛の音が聞こえる」のが雅とされていたのは住宅事情が良好だった昔の話で、今は笛どころかちょっと物音を立てただけで苦情が入ってきます。
また、「演奏が上手ければ問題ないだろう」「私の上手な演奏をタダで聞かせてやっている」と考えている人も多いのですが、周囲から漏れてくる大きな音はどんな名曲であろうとも耳障りにしか聞こえないのです。
音を出さなければならないジレンマ
楽器の演奏が上手くできているかどうかを判断する材料の一つは「しっかり音が出ているかどうか」という事です。どんな楽器でも、運指は演奏を上手に行うための条件ですが運指だけでは音が出ない楽器はいくつもあります。笛やサックスなどの管楽器はしっかりと空気を吹き込めなければ音は出ないし、ギターなどの弦楽器も音を出さなければコードがしっかり押さえられているかが分かりません。
どんな楽器でも音を出さないように練習する事は出来ますが、演奏の練習という意味では不充分であるためどうしても音を出して練習する必要があります。しかし、音を出せば騒音問題につながってしまうというジレンマを抱えてしまうのが、マンション暮らしで楽器を演奏する最大の難点なのです。
どうすれば騒音トラブルにならずに済むか?
では、マンション暮らしで周囲に迷惑を掛けることなく楽器演奏を楽しむにはどうすればいいのでしょうか?
楽器の演奏が騒音トラブルに繋がるのは、音が出るからです。しかし、音を出さないことには自分の演奏がちゃんとできているかどうかが分かりません。一番いいのは、楽器からでる音を周りの迷惑にならない程度に音量を下げるという事です。そのためには消音機(サイレンサー)を導入するのがおすすめです。
消音機は、楽器からの音を機械的・電子的に小さくする装置で自宅での練習・演奏には欠かせないものです。物によってはヘッドホンで音を確認できるため、練習に大いに役立ちます。
また、最初から音量を調節できるシンセサイザーなどの電子楽器の導入も考えておくといいでしょう。