新規就農者が土地購入の前に知っておくべき農地と固定資産税の話|トピックスファロー

  • フォークラスのライター募集
2013年2月22日
新規就農者が土地購入の前に知っておくべき農地と固定資産税の話

農業を行うには農地が必要不可欠。しかし不動産を取得したのならその為の税金が必要になってきます。広大な土地を必要とする農家。固定資産の維持には莫大な税金が掛かるかといえばそんな事はありません。農家と固定資産の関係を調べました。

WEBライター。頭もお腹も柔らかくをモットーにしてます
  

固定資産税とはなにか?

固定資産税とは、所有している全ての不動産にかけられる税金の事。
農家であれば、『農地』『家が建っている土地』『住居または倉庫として使用している建物』『償却資産』などが、課税の対象となります。

固定遺産税の計算方法

本則:『固定資産税評価額×1.4%』
農地調整固定資産税額:『前年度課税標準額×負担調整率×税率』

使用区分が「農地」の場合は、『本則』と『農地調整固定資産税額』の両方を算出し、どちらか少ない金額が課税金額となります。

農地は、場所によって『価格』が変わる

また、使用目的が農地であっても、土地がどの場所にあるかによって、評価が変わってしまうのが、農地の複雑な所でしょう。

 

評価

課税



農地

一般農地

農地

農地


市街化区域農地

生産緑地地区

農地

農地

一般市街化区域農地

宅地並

農地準拠

特定市街化区域農地

宅地並

宅地並

「一般農地」と「市街化区域農地」

農地は「一般農地」と「市街化区域農地」のどちらかに分類され、評価と課税が変わってきます。
この二つをかなり乱暴に分けると『一般農地=農村部』、『市街化区域農地=都市部』と考える事が出来ます。

「生産緑地地区」「一般市街化区域農地」「特定市街化区域農地」の違い

さらに、「市街化区域農地」は、細かく3種類に分類されます。
「生産緑地地区」とは、都市部にありながら、条件を満たし特別に農地として指定された区域。
「一般市街化区域農地」とは、生産緑地地区の指定を受けていない区域。
「特定市街化区域農地」とは、東京特区や首都圏を含む政令指定都市など、特別に指定された区域。

これらの分類で、評価と課税が変わってきます。

評価:「農地」と「宅地並」の違い

農地評価とは、「農地利用を目的とした売買価格を基準とした評価」
宅地並評価とは、「近隣の宅地売買価格から、畑として整地する造成費を引いた評価」になります。

この二つの、一番の違いは、土地そのものの価格が大きく違うという事でしょう。
基本的に農地の価格は売買の難しさや、使用目的が田や畑のみに制限される事もあり、時には10倍近い価格差で取引されています。

つまり、農地か宅地かで元々の評価金額に、大きな違いがあり、その金額がそのまま税金に掛かってきます。
その為、同じ広さの農地であっても一般農地と特定市街区域農地では、数万円~数十万円の差がでることもあります。

複雑怪奇な税金の仕組み

今回、さらっと説明したのは『農地に関する固定資産税』のみの部分です。
よく、農業は『税金が安い』という話が出ます。
確かに、『田や畑の農地』に関しては安いと言えますし、農地が都心部に近ければ近いほどその差は大き
くなります。

しかし、畑だけを持っていても、農業は出来ません。
収穫物を準備する為の作業場や倉庫などは『宅地』として計算されます。
他に住居用の土地や建物もありますし、都市開発税も無視できませんが、これらにも減税措置が取られる事もあります。

農業経営には税理士が必要

農林水産省は農業経営の安定と発展のための、様々な農業者への税制支援を行っています。
しかし、この事で農家の税金は複雑になり、一般の家庭と同じように考えるのは難しいかもしれません。
農業で生計を立てていくのであれば、農業に関する税金に見識の深い税理士が必要となるでしょう。

著者:加賀原まこ

WEBライター。頭もお腹も柔らかくをモットーにしてます
アイコン
情報を噛み砕きつつ簡単に伝えます。女子なのにコスメ系のネタが苦手だったりしますが、取材はちゃんとします!