固定資産税とはなにか?
固定資産税とは、所有している全ての不動産にかけられる税金の事。
農家であれば、『農地』『家が建っている土地』『住居または倉庫として使用している建物』『償却資産』などが、課税の対象となります。
固定遺産税の計算方法
本則:『固定資産税評価額×1.4%』
農地調整固定資産税額:『前年度課税標準額×負担調整率×税率』
使用区分が「農地」の場合は、『本則』と『農地調整固定資産税額』の両方を算出し、どちらか少ない金額が課税金額となります。
農地は、場所によって『価格』が変わる
また、使用目的が農地であっても、土地がどの場所にあるかによって、評価が変わってしまうのが、農地の複雑な所でしょう。
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評価 |
課税 |
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一般農地 |
農地 |
農地 |
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生産緑地地区 |
農地 |
農地 |
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一般市街化区域農地 |
宅地並 |
農地準拠 |
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特定市街化区域農地 |
宅地並 |
宅地並 |
「一般農地」と「市街化区域農地」
農地は「一般農地」と「市街化区域農地」のどちらかに分類され、評価と課税が変わってきます。
この二つをかなり乱暴に分けると『一般農地=農村部』、『市街化区域農地=都市部』と考える事が出来ます。
「生産緑地地区」「一般市街化区域農地」「特定市街化区域農地」の違い
さらに、「市街化区域農地」は、細かく3種類に分類されます。
「生産緑地地区」とは、都市部にありながら、条件を満たし特別に農地として指定された区域。
「一般市街化区域農地」とは、生産緑地地区の指定を受けていない区域。
「特定市街化区域農地」とは、東京特区や首都圏を含む政令指定都市など、特別に指定された区域。
これらの分類で、評価と課税が変わってきます。
評価:「農地」と「宅地並」の違い
農地評価とは、「農地利用を目的とした売買価格を基準とした評価」
宅地並評価とは、「近隣の宅地売買価格から、畑として整地する造成費を引いた評価」になります。
この二つの、一番の違いは、土地そのものの価格が大きく違うという事でしょう。
基本的に農地の価格は売買の難しさや、使用目的が田や畑のみに制限される事もあり、時には10倍近い価格差で取引されています。
つまり、農地か宅地かで元々の評価金額に、大きな違いがあり、その金額がそのまま税金に掛かってきます。
その為、同じ広さの農地であっても一般農地と特定市街区域農地では、数万円~数十万円の差がでることもあります。
複雑怪奇な税金の仕組み
今回、さらっと説明したのは『農地に関する固定資産税』のみの部分です。
よく、農業は『税金が安い』という話が出ます。
確かに、『田や畑の農地』に関しては安いと言えますし、農地が都心部に近ければ近いほどその差は大き
くなります。
しかし、畑だけを持っていても、農業は出来ません。
収穫物を準備する為の作業場や倉庫などは『宅地』として計算されます。
他に住居用の土地や建物もありますし、都市開発税も無視できませんが、これらにも減税措置が取られる事もあります。
農業経営には税理士が必要
農林水産省は農業経営の安定と発展のための、様々な農業者への税制支援を行っています。
しかし、この事で農家の税金は複雑になり、一般の家庭と同じように考えるのは難しいかもしれません。
農業で生計を立てていくのであれば、農業に関する税金に見識の深い税理士が必要となるでしょう。