土地付き古家は本当にお買い得なのか
土地の入手は、不動産運用を行う上でも自分の持ち家を立てる上でもとても重要な事と言えます。
家を建てるにしても、マンション・アパートを経営するにしても建物を建てるための土地が無ければ話にならないし、土地を借りて立てても土地の権利者との契約が切れれば住み慣れた家も多くの利益を生むマンションも取り壊さなければならなくなってしまうからです。
そのため築年数が嵩んだ家屋が付いた土地を購入して運用しようと考える人も増えてきています。本当にこのような土地付き古家はお買い得なのでしょうか?
築年数が嵩んだ古家は住みづらい
このような土地付きの古家は、「ちょっとリフォームすれば住めるだろう」と考えて手を出す人が結構多いものです。築年数が古い家は、現代工法で出せないようなクラシックさがあるので、人気の古民家リフォーム感覚で手を出す人も多いのです。
しかし、築年数が30年を越えた家屋は資産価値がないものと見做されるうえに、土地のおまけとして付いてくる古家は築20年以内の中古住宅よりも遥かに住みにくいものとなっているのです。
このような土地付き野古家には、数年間人が住んでいなかった物件が多く電気・水道などの設備が整備されないままになっている事があるのです。
また、床や柱が劣化していてリフォームどころか建て直ししなければならなくなっていることもあるため、住居として購入するのはあまりお勧めできません。
土地の境界があいまいになっていることも
土地付き古家を更地にして、駐車場やアパートなどに転用しようとする人もいますが長年放置されていた土地には土地境界のトラブルが付いて回るものです。
土地の境界に関わるトラブルは普通に住んでいるだけでも起こるものですが、長年人が住んでいない土地だと境界の目印をずらしても咎める人はいないので起こり放題になってしまいます。
そのため、土地付き古家を購入する際には再測量が必要になるし近隣住人との話し合いの場を持たなければならなくなることもしばしばなのが悩みどころです。
更地にすると固定資産税が跳ね上がる
最近は都内の空き家増加が問題になっています。更地にするでもなく、人が住むでもなくそのままに放置され、花木は伸び放題、家は荒れ放題になっていて崩壊や治安悪化につながるものとして対処が議論されています。
このような空き家の増加の原因には、「家屋を潰して更地にすると不動産に掛かる固定資産税が家屋ありの状態よりも高くなる」という事が言えます。更地と家屋ありの土地の固定資産税の差は約6倍にもなるのです。
つまり、更地の状態で売買した方が売却益は大きいのですが売却できるまでに掛かる固定資産税で利益が削られる可能性が高いので、売却益が下がっても家屋が残ったままにしておいた方が良いという事になるのです。
家屋の撤去などでお金が掛かる
首尾よく土地付き古家を相場より安値で買えても、宅地等に転用するには残った家屋や庭木を撤去しなければなりません。それに合わせて電気・水道などの設備も撤去しなければならないので、安く土地を買ったつもりが諸経費で相場以上にお金が掛かってしまうこともしばしばあるのが土地付き古家のデメリットなのです。
更地にした後も砂利を引いたりロープを張ったりしなければならないので、お買得に見えてもあれこれ出費を求められてしまうのが土地付き古家の宿命なのです。