ボトックスとプチ整形の関係について
ボトックスとは、食中毒の原因とされるボツリヌス菌が作り出す、「ボツリヌス毒素」を使った薬剤です。筋肉の働きを弱める効果があることから、毒性を除去することで医薬品として使われるようになりました。
もともとは、筋肉の痙攣の治療に使われていたのですが、筋肉を弛緩させる効果によって、額や眉間などに深く刻まれたシワを目立たなくすることから、美容の分野でより多く活用されるようになったのです。
シワ以外にも、エラを小さくする小顔効果や、多汗症、足痩せにも効果があるとされるボトックスですが、最近では、筋肉の働きを弱めるという効果に利用した、口角を上げるプチ整形に用いられているのです。
口角と3つの筋肉の関係
口角とは、口の両脇の部分を指します。そして、その口角は「口角挙筋(こうかくきょきん)」「大頬骨筋(だいきょうこつきん)」「口角下制筋(こうかくかせいきん)」の3つの筋肉によって動きます。
口角挙筋は口角を上方にあげる筋肉で、この筋肉が衰えることでほうれい線が目立つようになります。また、大頬骨筋は頬骨から口角を吊り上げる筋肉で、この筋肉が衰えると口角が下がり、不機嫌そうなイメージや老けた印象を与えてしまうのです。
そして口角下制筋は、上唇と口角を下方に引き下げる筋肉で、この筋肉が衰えると口角から顎にかけて、マリオネットラインと呼ばれる腹話術人形のようなシワができます。
なぜボトックスで口角が上がるの?
ボトックスを使った口角をあげる施術「口角挙上」は、上唇と口角を下方に引き下げる口角下制筋にボトックスを注入します。
これにより、口角を下げる働きが弱まることで、口角挙筋と大頬骨筋が効果的に働くようになり、常に口角がキュッと上がったアヒル口になるのです。施術時間は麻酔後に5~10分と、あっという間に終了します。
そして、さらにふっくらとした唇にしたいのなら、ヒアルロン酸注入が効果的です。こちらもボトックスと同様に、所要時間は5分程度という短時間で、小じわのないぷっくりとした唇になります。
ただし、ボトックスやヒアルロン酸の注入は、いわゆるプチ整形。持続期間が6ヶ月~12ヶ月と限られているため、効果の継続を希望する場合は、定期的なメンテナンスが必要です。