治療前に知っておくべきインプラント治療の保険適用の要件|トピックスファロー

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2012年10月24日
治療前に知っておくべきインプラント治療の保険適用の要件

歯科用のインプラント治療の保険適用のニュースで、インプラントの治療を考え始めた人は多いのでは?でも、実際は、さまざま要件が付けられているため、治療を始める前に詳しく知っておく必要があります。

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インプラント治療が保険適用になるとどうなる?

2012年4月から、インプラント治療は保険適用になりました。これにより、どのようなことが変わるのでしょう。

大学病院などで研究・開発された後で、ある程度確立された新しい治療や手術は、厚生労働省によって「先進医療」と認定され、技術料以外の費用において公的医療保険が適用されます。
そして、治療法が普及して、どこの病院でも治療が受けられるようになると、先進医療から一般診療に導入され、一般的な治療法と同じように、技術料を含むすべての診療が公的医療保険の対象となるのです。

そして、かねてから「先進医療」として認められてきたインプラント治療は、保険適用されることによって、自動的に先進医療から外れることになります。

先進医療から外れて一般診療に導入されることで、今まで受けられなかった技術料を含むすべての費用が、公的医療保険として適用されますが、民間の保険会社が医療保険に付加している「先進医療特約」は受けられなくなります

インプラント治療の保険導入の経緯について

2012年1月27日に開かれた、中医協(中央社会保険医療協議会)の先進医療専門家会議で保険導入についての承認が出され、その後の1月30日に開かれた中医協の総会で、以下のような詳細が報告されました。

保険が適用される要件

以下のいずれか理由により、従来のブリッジや入れ歯などでの回復が難しい場合、保険が適用となります。

  • 腫瘍、顎骨骨髄炎、外傷により、広範囲に顎骨や歯槽骨を欠損した場合、また、そのような欠損が骨移植などによって再建された場合。
  • 顎の3分の1程度以上の歯槽骨の欠損や形成不全があり、それが、医科の保険医療機関の主治の医師によって先天的な疾患である診断された場合。

インプラント治療を保険診療として治療できる施設

  • 歯科又は歯科口腔外科を、診療科名として掲げている保険医療機関であること。
  • 歯科又は歯科口腔外科での治療経験が5年以上ある歯科医師と、インプラントの治療経験が3年以上のある歯科医師が、2名以上常勤で配置されていること。
  • 病院(ベッド数が20床以上の入院施設を持つ)であること。
  • 当直の体制が整備されていること。
  • 医療機器の保守・管理や、医薬品の安全確保のための体制が整備されていること。

インプラント治療の保険適用について

今回の保険適用では、歯周疾患や加齢が原因で起こる歯槽骨の吸収による顎骨・歯槽骨欠損は除外されています。また、ベッド数が20床以上の入院施設を持つ病院での治療でなければ、保険が適用されません
そのため、一般の歯科医院やクリニックでの、虫歯や歯周病などが原因で歯を失った場合のインプラント治療は、保険の適用外となるのです。

著者:渡瀬由紀子

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