かつて炭鉱の街として栄えた大牟田市
大牟田市は江戸時代から1997年まで隣の荒尾市を共に近代日本を支え、栄えてきた炭鉱の街です。1959年には20万人の人口を誇っており、特に「三井三池炭鉱」は大牟田市を代表する鉱山でした。
石炭エネルギーの需要がなくなった現在でも日本の近代化を支えた施設として「重要文化財」に指定されています。
三井三池炭鉱
「三井三池炭鉱」は福岡最後の炭鉱として1997年に閉山しました。
現在では観光名所として残されており、当時の人々がどのように働いていたのか、過去に発生した大きな事故などを後世に残す役割を果たしています。
敷地内には明治時代の建築物「旧三池港倶楽部」があります。三池港倶楽部かつては三池湾を訪れた上級船員用宿泊施設として作られた建物です。
現在ではレストランや結婚式場として利用されており、明治時代の面影を残すレンガ作りの建物に歴史を感じることでしょう。
大牟田市石炭産業科学館
三井三池炭鉱の近くに石炭エネルギー資源をテーマにした「大牟田市石炭産業科学館」があります。ここでは石炭の歴史から石炭エネルギーの仕組み、大牟田市の歴史にまつわる展示物を見られます。
1秒間に10メートルの早さで降下するエレベーターにのり、有明海の地下400メートルの坑内にいきます。
そこには採炭作業現場があり、三井三池炭鉱を支えた巨大な機械や石炭を運搬する電気機関車、石炭を掘り出す採炭用カッターなどがあり、再現された炭鉱現場を直に見られます。
カルタと押し花の発祥の地
大牟田市は炭鉱の街以外に「カルタ」や「押し花」など、普段の生活で目にする文化を生み出した地として知られています。
それにまつわる観光スポットもあります。大牟田市発の文化に触れてみてはいかがでしょうか。
日本で唯一のカルタ専門館
「三池カルタ・歴史資料館」は日本で唯一のカルタ専門館で、カルタ発祥の地大牟田を代表する観光スポットです。
カルタの歴史は16世紀までさかのぼります。
ポルトガル語で四角い紙のことをカルタと呼んでいました。
当時の大牟田市は「筑後国三池」と呼ばれており、平安時代の「貝合せ」と呼ばれる遊びとヨーロッパ由来のカードゲームが融合した遊びがカルタになりました。
三池カルタ・歴史資料館には日本最古の国産カルタとして「天正カルタ」の復元されたものが展示されています。また、カルタを生み出した周辺のタロットやトランプなど日本国内外問わずコレクションされています。
近年のキャラクターカルタなども展示されており、入れ替わる企画展では様々なカルタ、トランプなど期間限定で見ることが可能です。
押し花の発祥の地
大牟田市は押し花発祥の地として知られています。押し花作家として活躍している「杉野俊幸」や、息子の「杉野宣雄」も大牟田市出身です。
かつては「杉野押花美術館」が存在していましたが、現在では閉館しています。地元の人が制作した押し花などが、大牟田市の観光スポットである大牟田市石炭産業科学館や三池カルタ・歴史資料館で展示されています。
大牟田市のグルメ
大牟田市のグルメは他の地方にはない料理が目白押しです。その中でも大牟田特有のグルメをいくつかご紹介します。
大牟田市に訪れたら食べておきたいお好み焼き
お好み焼きといえば、広島や関西をイメージする方が多いかと思いますが、九州のお好み焼きを代表するのが大牟田市です。
このような特殊なお好み焼き地区なので、全国区のテレビ番組などで取り上げられています。
有明海の幸と融合した大牟田チャンポン
通常のチャンポンは豚骨ベースのスープを使用するものが一般的ですが、福岡のチャンポンは和風スープを使用しています。
世界の最もきれいな都市トップ25
2007年、アメリカの経済雑誌フォーブスにて「世界で最もきれいな都市トップ25」に兵庫県の神戸市と共に大牟田市は25位に選ばれました。
かつては炭鉱の街として栄えた過去と、現在では環境リサイクル産業を中心とした街づくりが評価されたのです。
ここではご紹介できなかったムツゴロウのまんじゅうや石炭を用い付にした飴やまんじゅうなどの名品などもありますので、福岡から熊本へ、熊本から福岡に向かう際にはぜひ、立ち寄ってみてください。