幼少時代の矯正が将来を決める!?
こんなこと言っては何ですが、やっぱり乳歯のうちから歯医者に通って、噛み合わせetcプロに定期的にチェックしてもらうのが1番なんですね。
何かあったらすぐ対処してもらえます。
子供はまだあごの骨もやわらかいし、歯医者の言う通りにきちんとすればすぐに治療結果は出ます。
ここで具体例を挙げてみましょう。
景子(仮名)の場合
景子は乳飲み子の頃から下唇の出っ張った子でした。
「タラコちゃん」などと呼ばれ、近所のおばさんたちのアイドル的な存在でした。
そんな景子、生後6ヶ月を過ぎたころからほかの赤ちゃんと同様、乳歯が生えてきて上下のそろったころのことです。
笑うと上の歯が下の歯にすっぽり入ってしまってることに母親は気づいたのです。
だけどそこは手前味噌、なんて可愛い笑い方をするんだろう、と思って3年が過ぎました。
そろそろかかりつけの歯医者さんを探さなきゃ、と景子の母親が軽い虫歯チェックのつもりで景子の手をひいて訪れたのが駅前の小児歯科でした。この歯科は、偶然にも矯正を専門的にしていたことはもはや運命としか言いようがありません。
毎日私が仕上げ磨きしてるんだから虫歯なんてあるわけないわ、と思っていた景子(仮名)の母親に歯医者の発した言葉はまさに寝耳に水でした。
何ともまあ、アントニオ猪木さんに失礼な歯医者の発言ですが、ここに述べていることは事実なのだから仕方ありません。
歯科医は、ショック状態の母親にこれからかかるリスクを次々と立て板に水のごとく発言します。
しかもよく聞いていると、反対噛合に始まる噛み合わせの治療は、異常だから治療するのに保険が一切効かないというではありませんか。
訳もよくわからないまま、景子の母親はアントニオ猪木を頭に思い描き、
しかもそのお金は自分の独身時代に貯めた虎の子の定期預金だったんです。
景子の母親はもう、必死だったんですね。
こうして反対噛合の治療は始まったのでした。
頭にはメッシュのバンドをつなぎ合わせた様な帽子をかぶり、あごにはチンキャップというものをはめ、ゴムで帽子につなぎ、あごの発育を正常に戻します。
一方で、上あごと歯の型を粘土のようなもので取り、上あごと歯にはめ発育を促すための透明な入れ歯のようなものが作られ、食事の時以外は取ってはいけない決まりとなりました。
これらの治療がとても痛いのだといって景子(仮名)は泣いて嫌がります。
「我慢せなアカンの」
景子(仮名)の母親は景子(仮名)にそう言うのが精一杯でした。
毎日泣いて数年後。
今、景子の噛み合わせは正常です。
でも、発育のほぼ止まる高校生まではあのメッシュの帽子とチンキャップをはめて本当によく頑張りました。
18歳になった今でも、景子は時々鏡に向かってイーっとしては、噛み合わせが正常であるか確認しています。
(もう大丈夫やで、景子)
景子の母親はこう思い、景子(仮名)の後ろ姿をそっと見守るのでした。
康夫(仮名)の場合
康夫は京都大学卒のエリートサラリーマンです。
そのさまは、さながら灰皿のようです。
部下を大声でしかるときは、ほぼ100%下唇だけでしゃべってます。
そしてこれらは決して悪口ではなく、まぎれもない事実なのです。
そうです、康夫は1%も悪くありません。
悪いのは、こんなひどい反対噛合を矯正もしてあげないでほったらかしにした、康夫の親なのです。
私たちは康夫と話す時どこを見たらよいのか分かりません。
顔を見たら灰皿だし、下に目をやると大事な部分を見てるように思われそうで、それもイヤです。
結果として康夫は女性に話しかけられません。
康夫の両親は、京都大学へ入れるまでの頭脳を作り上げた塾代などを、まずはじめにひどいあごの矯正に回すべきだったのではないでしょうか。
何?大きなお世話?
そんな思いは本物の康夫を一目見れば吹っ飛びますよ。
矯正歯科へは早目に
噛み合わせの治療は、骨の動く子供のうちに済ませるのが鉄則です。
大人になってからだと、全身麻酔の大手術となってしまいます。
もしあなたにちょっとでも噛み合わせのおかしい子がいたら、すぐに矯正歯科へ連れて行ってあげてください。
ご健闘をお祈り申し上げます。合掌。