美しい所作
茶道には、たくさんの決まりごとがあり、それらを修練していきながら自分を磨いていきます。
畳を歩く姿や道具を持つ姿も美しく行う必要があります。
先輩や先生方を見習ったり教わったりしながら、美しい所作を身に付けていくことができます。
また、道具を大切にすることからも、自然と物の扱いが丁寧になります。
日本の伝統工芸
茶道には、茶入れや茶碗をはじめとした様々な器や、着物など日本の伝統工芸によってつくられたものが欠かせません。
道具を通して窯元について知るようになったり、作人について詳しく知りたくなったりすることもあるでしょう。
それらは、日本の地域ごとに特性がある文化を知ることにもなります。
また、着物を着ることで、着付けができるようになったり、着物の組み合わせを楽しんだりできるようにもなります。
道具や着物は高価なイメージがあるかもしれませんが、本当に高価なものを除けば、手が届くもの多くあります。
また、着物のリサイクルも普及しているので、中古でよければ洋服感覚で手に入れられます。
着物の着付けや必要な小物を揃えるのが少し大変ですが、慣れてしまえばそれも楽しんでできるでしょう。
お稽古場の先輩方も通ってきた道なので、相談したり、情報交換したりしながらステップアップしていきましょう。
和食の味わい
茶道のお稽古では、基本的にお茶を点てることが多くあります。
和菓子を頂き、お茶を頂くのは至福のひと時です。
それだけでも充実したものではありますが、さらに一服のお茶のために懐石料理からもてなす茶事というものがあります。
茶事で出される食事は、流派などにもよりますが、飯、汁、向付にはじまり、煮物、焼物、八寸と、お酒を交わしながら楽しみます。
本当の日本料理の神髄を味わうことができるのです。
お茶を習い始めたら、ぜひ茶事にチャレンジしたいものです。
季節の味わい
お茶席に欠かせない和菓子は、季節を表現している物が多くあります。
その季節に咲く花であったり、風景であったり、とても味わい深く作られています。
お菓子の名前にも、季節感が込められているので、合わせて味わいたいものです。
懐石も当然、旬の食材がふんだんに使われています。また、たっぷりの出汁が使われた料理の味わいは素晴らしいものです。
道具も季節によって変わっていきます。
炉から風炉になったり、茶入れや茶碗などに季節の花があしらわれていたりするのは、大変趣深いものです。また、床に飾られる花も季節のものが、それに相応しい花器と共に用意されます。 季節の移ろいを五感一杯に堪能できる贅沢こそ、茶道の醍醐味でしょう。
掛け軸と書
茶道に欠かせないものとして、床に飾られる軸があります。
軸には禅語であったり、時には絵画だったり、様々なものがあります。
季節を表している、風景が頭に浮かぶような言葉もあり、人生を表している言葉もあり、これもまた、深い味わいがあります。
軸に書かれている文字は、そのものによっては、崩した字で書かれていることもあり、書の勉強にもなります。
これらを楽しむ素養を身に付けるのは一朝一夕にはいきませんが、長い年月をかけて学んでいく価値のある、味わい深いものです。
先輩や先生から学ぶこともありますし、自分なりの“学び”が無限に広がるのも大きな魅力です。
茶道教室の探し方
様々な形態の茶道教室があります。
地域のコミュニティセンターで催されていることも多いので、お住まいの地域で調べてみるのもいいでしょう。
また、習いたい流派に問い合わせれば、最寄りの先生を紹介してくれるようです。
もっと手軽に、体験から始めたいという場合は、カルチャーセンターなどの単発の講座に参加するのがいいでしょう。
また、茶室のあるような、由緒ある神社や日本庭園ではお茶会が開催されていることもあります。
事前に調べて申し込みができれば、参加することができます。
そういったところから一歩踏み出してみるのもいいですね。