性感染症、なんとなく自分は大丈夫と思っていませんか?
性病という言葉は主に性行為によって感染する性感染症などの病気の総称として使われていますが、正確には【性病予防法】で決められた梅毒・淋病・軟性下疳・鼠径リンパ腫の細菌による性病を指します。
女性は性病全般において、男性に比べると自覚症状があまりなく、病気を進行させてしまいがちなのだそうです。また、感染に気付いても、恥ずかしくて誰にも言いだせず、その結果放置してしまったりということも多いのが現状です。
性感染症
性感染症はウイルスやかび・微生物が性的接触により接触する感染症のことで、本来の性病が持つ、はっきりとした自覚症状が感じられないため感染拡大のリスクが高いのだそうです。
一般的には性病も性感染症(STD)も同じように使われることが多いようです。
深刻化する性病
性病(性感染症)は抗生剤の開発や医療技術の向上により、治療も進歩してきたものの、安易な性行為や感染の繰り返し、市販薬の乱用で抗生剤が効かない病原体などが増加しています。
男性も女性もより開放的になり、性病(性感染症)患者は日本でも増加傾向にある反面で、正しい知識や理解を持っている人がまだまだ少なく、性病(性感染症)に対して軽く考えている人は大勢いいます。
自覚症状があまりない病気は発見と治療が遅れ、自分でも気づかないうちに感染をどんどん広げ、病気を進行させ取り返しのつかない状態に陥ってしまうこともあるそうです。
性病は、不妊や流産の原因となるだけではなく、最悪の場合死に至るケースもある大変危険な病気です。
人ごとではナイ!性病は以外と身近に存在します
日本で最も多い性病は性器クラミジア感染症といい、女性の大半が特段症状を感じない病気と言われています。
性病(性感染症)は、性行為やオーラルセックス、血液感染が主な感染ルートで、性器内部やその周辺、のどの粘膜やその他傷口から感染します。
性病で重要になるのは早期発見、そして早期の治療です。
自分やパートナーだけの問題ではなく、病気によっては家族までも巻き込んでしまう可能性があります。
何か異変を感じたら、恥ずかしがらずに早い段階で病院へ行き、検査と医師の診察を受け確実に治療しなくてはいけません。
特に女性の場合は感染を放置することで不妊を招いてしまいかねないのです。
こんな症状、気になっていませんか?
女性の場合、男性に比べると特に性感染症全般的に自覚症状が薄く、感染に気づきにくい為に注意が必要です。
おりものの状態や出血、かゆみや違和感などに敏感になり、普段と比べおかしいなと思うことがあれば、婦人科に相談することが病気の早期発見につながります。
気になる症状、ありませんか?
- おりもののにおい、状態、色
- かゆみ・痛み
- 不正出血
- 湿疹、水泡、腫れなど
- 発熱、倦怠感など
主な性病(性感染症)と症状
淋病
淋病は感染率が高い性病で、クラミジアとの同時感染者は淋病感染者の3割にもなります。
女性の感染者の多くは症状が出ないと言われており、症状があっても膀胱炎や膣炎と診断されることもあるそうです。感染したまま放置していると不妊の原因になったり、出産時に母子感染を引き起こし、新生児の失明の危険性をはらむため早期の治療が求められます。
トリコモナス症(膣トリコモナス症)
感染から発症までの潜伏期は10日程で、おりものの形状はは泡だち悪臭があり、性交時や排尿の不快感・かゆみ・痛みといった膣炎・子宮頸管炎・尿道炎の症状が表れます。
HIV感染リスクの増加・未熟児の増加なども指摘されています。
性器クラミジア感染症
クラミジアによる感染症で、国内のクラミジア感染者数は100万人以上とも言われています。
おりものの増加や不正出血が見られますが、自覚症状はほとんどないために気づかずに放置してしまいがちな病気です。
治療が遅れるとクラミジアが体内の深部に進行、子宮頸管炎・子宮内膜炎・卵管炎となりさらに進行すると骨盤腹膜炎・卵巣炎を引き起こし、子宮外妊娠・不妊・流産・早産の原因になる危険性があります。
性器ヘルペス
性器クラミジア感染症や淋病に次いで感染者の多い性感染症です。
ヘルペスウイルスは感染力が強く、稀ではあるもののタオルやトイレの便座を介しての感染例もあるのだとか。
潜伏期間2日~10日を経て、水泡を形成した後、ほどなくして潰れ潰瘍状になり色素の沈着を起こして一旦症状は治まります。
潰瘍に痒みや痛み・神経痛を伴うのが特徴ですが、無症候性の患者数は7割にもなるという報告もあります。
感染者数の男女比率は女性感染者の割合が多い傾向にあるそうです。
ヘルペスウイルスは一度体内に侵入すると、性器周辺の神経を伝って腰仙骨神経節に潜伏します。
現在の治療法では神経節に潜伏しているウイルスには効果がなく、治療は症状を抑えるための再発治療や再発予防治療が主体になります。
そのため、一旦症状が落ちついても、風邪や疲労などの免疫力低下によって発症を繰り返してしまいます。
とくに女性の場合、生理の度に性器ヘルペスが発症し心身ともに追い込まれてしまう人もいるのだそうです。
飲み薬や点滴、塗り薬などを用いた根気強い治療が必要な病気です。
AIDS(後天性免疫不全症候群)
HIV(ヒト免疫不全ウイルス)が人の免疫細胞に感染、リンパ球が破壊され、最終的にはAIDSの発症に至ります。
全世界のHIV感染者数は約5千万人にもなると言われ、またクラミジアなど他の性病に感染している人のHIV感染リスクは3~5倍にも跳ね上がるのだそうです。
医療技術の進歩によってAIDSによる死亡率は減っているものの、早期発見治療がカギとなります。
HIVに感染すると2~3週間で発熱や筋肉痛といったインフルエンザのような症状がみられることがあります。
(※症状がない場合もあります)
それらの症状は数週間で収まり、個人差はありますが約5~10年程度の無症候期間が続きますが、この間も体内ではHIVが増え続けており、免疫力は少しずつ低下しています。
そしてAIDSを発症すると更なる免疫力の低下、急激な体重減少、健康体ならば本来何の問題にもならないかびや細菌、ウイルスに感染し、重度の症状や障害を引き起こしてしまうのです。
感染からAIDS発症までの間に自覚症状がないためにAIDS発症の時点で感染に気付く人が非常に多い危険な病気です。
性的感染、血液感染、母子感染が主な感染ルートになります。
性器カンジダ症
カンジダは、元々はいわゆる常在菌で健康な人であれば免疫機能によってカンジダ菌の増えすぎをおさえることができているのですが、何らかの理由で免疫力の低下が起こると感染(日和見感染)してしまいます。
常在菌の増加が原因であるために、性交未経験でも発症するリスクがあると言えます。
また生理前などホルモンバランスの変化により膣内などの自浄能力の低下、ビタミン欠乏症による免疫力の低下をおもな原因とする悪玉菌増加などでも発症します。
症状は、強い痒み、豆腐くずのような塊状やどろっとしたおりものの異常、性器の炎症などがあります。
病院は何科へいけばいいの?
女性の性病は産婦人科や性病科で診察してもらえます。
湿疹など皮膚の症状がある場合は皮膚科へ、咽頭感染などの症状は耳鼻咽喉科をおすすめします。
また、HIV感染の検査は保健所で無料・匿名で検査を行うことができます。
HIVに感染したと思われる日の三週間経過後から検査が行えます。