夜行バスの旅で注意すべきこと
眠っている間に目的地にたどり着くことができる夜行バスは、時間を効率的に使うことができることから、忙しい人にとってはありがたい移動手段だといえます。また、夜行バスや高速バスは、飛行機や電車に比べて料金が安いので、若いカップルや友達同士の旅行におすすめの乗り物です。
ただし、狭い車中で一晩中過ごすということは、身体に大きな負担になっているのです。
長時間の移動が引き起こすエコノミークラス症候群
エコノミークラス症候群をご存知ですか?
これは、長時間同じ姿勢でいることによって、脚の静脈に血栓とよばれる血の塊ができてしまう症状で、最悪の場合、血栓が肺に到達して、呼吸困難によって死に至るというケースも報告されています。
飛行機のエコノミークラスじゃなければ問題はないのでは?と思われがちですが、エコノミークラスに限らずビジネスクラスやファーストクラス、また、電車や夜行バスなど、長時間の移動に使われる交通手段なら、どの乗り物でも発症の恐れがあるのです。
エコノミークラス症候群の恐ろしい点は、すぐに症状が出ないことにあります。目的地に着いた後や旅行中など、1週間以内は発症の可能性があるため注意が必要なのです。
また、過去に血栓ができたことがある人や、動脈硬化や糖尿病などの血管の壁に異常がみられる人ほど発症の危険性が高いほか、経口避妊薬(ピル)を服用している女性は起こりやすいといわれています。
夜行バスの車内での注意点
ゆったりした服装で過ごす
バスに乗る際は、身体を締め付けるような服装は避けましょう。じっとしていることで、ただでさえ血行が悪くなってしまうような状況で、窮屈な洋服を着ているとさらに血流が滞ってしまうのです。
そのため、バスに乗っている間はできるだけ、ゆったりとした服装で過ごすことを心がけ、余計なリスクを回避する必要があります。
水分をしっかり補給する
何度もトイレに行くのがイヤという理由から、水分を摂ること嫌う人は多いようですが、これでは血行を悪化させてしまいます。適度な水分補給は血流を促すことから、意識して水分を摂る必要があるのです。
ただし、利尿作用の強いアルコールや、コーヒー・紅茶・緑茶などのカフェインを含む飲み物はNG。バス旅での眠りの妨げならないような、水や麦茶などを用意しておくと良いでしょう。
こまめに脚を動かす
バスにトイレがない場合は、トイレタイムでバスが止まった時に、たとえトイレに行きたくなくても、立ち上がって歩いておいた方がよいでしょう。
また、かかとや膝を上下させたり、膝から下を伸ばすなど、座っていてもできる運動で血行の悪化を防ぐことができます。そのため、眠ってしまった場合は別として、気づいた時にちょっとでも脚を動かすことが重要なのです。