食物アレルギーの原因となる食材はたくさんあります
食物アレルギーと聞いて、あなたはどんな食品を思い浮かべますか?きっと多くの方が、卵、牛乳、小麦粉などを挙げるのではないでしょうか。これらの食品は確かに、アレルギーを引き起こす食材としてとても有名です。
鶏卵・牛乳・大豆が食物アレルギーの3大食材とされ、さらに麦と米を加えた5つの食材が、食物アレルギーを引き起こす5大食材とされています。
その他にも、蕎麦アレルギー、ピーナツアレルギー、アルコールアレルギーなど、さまざまなアレルギーの種類があるのです。
食物アレルギーは子供の頃に発症するものと思っていませんか?
子供が食物アレルギーによって命を落とすという悲しいニュースを、見聞きしたことがあると思います。学校給食で出された食材が原因となることもあり、本人も家族も、そして先生たちもアレルギーのことを知っていたのに、最悪の事態を防ぐことができなかったというケースもありました。
このようなことが起こると、ニュースで多くの人に知られることとなり、同じようなことが起こらないよう注意が払われます。
命に別状はなくても、アレルゲンとなる食材を口にした後で、蕁麻疹が出たとか、お腹が痛くなったとか、下痢が続いたなど、さまざまな症状が出ることがあります。消化器官がまだ十分に発達していない子供は、大人に比べてアレルギー発症リスクが高いという見かたもあります。
ですから、子供のアレルギー症状に対して特に注意することは必要です。しかし、このような子供のアレルギー対策の知識が邪魔するのか、どうも子供の頃に食物アレルギーが出なければ、一生、アレルギーとは無縁だと思い込んでいる人がいるようです。
実はこれは間違った認識で、食物アレルギーは子供の頃にまったく症状がなかった人にも現れることがあるのです。しかも、つい先日まではなんでもなかったのに、急に現れるのです。
つまり、あなたも、あなたの家族も、もしかしたら明日、食物アレルギーの症状に襲われる可能性があるということなのです。
なぜ大人になってから急にアレルギーになるのか
「アレルギーコップ」という言葉をご存知でしょうか。アレルギーコップとは、アレルギーが突然始まることのメカニズムを説明する比喩として使われる言葉で、体内にあるアレルギーコップにアレルギー物質が徐々に蓄積されていき、コップから溢れ出した瞬間に、アレルギー症状が出始めるという考え方です。
最近はこのアレルギーコップ説に疑問を呈する専門家もいるようですが、かと言って、完全に否定されているわけでもありません。事実、筆者の周囲でも、30歳を過ぎた頃から急に、果物アレルギーを発症したという人がいます。
食物アレルギーの始まりは、かすかな「違和感」です
食事の後で、こんな症状を感じたことはありませんか?*喉がイガイガしたり、喉や唇、あるいは口の中が痒い
*急に目が痒くなったり、充血してきた
*くしゃみ・鼻水・咳が出たり、鼻詰まりが起きる
これらの症状は、食物アレルギーによって引き起こされたものです。しかも最初は、『なんとなく変だなあ』という程度の、本当にかすかな症状です。
ですから、風邪のひき始めかもしれないとか、目にホコリが入ったせいだろうとか、少し疲れているのだろうなどと思う程度で、食物アレルギーの始まりだと気づかれないことが、とても多いのです。
身体はアレルギーを訴えてはじめているのに、そのサインに気づくことなく、アレルゲンとなる食材を何度も口にする。そうしているちに、徐々に症状が強くなってきます。そして『この前もメロンを食べた後に喉が痒くなった』 などと気づくことができれば良いのですが、気づかないままだと、ずっとアレルゲンを取り続けることになります。相当に辛い状態に陥ることがあるのです。
このレベルになると、もっとも重い症状である「アナフィラキシー」が現れることも。
「アナフィラキシー」とは、アレルギー反応が全身症状として現れるもので、呼吸困難や血圧低下、意識障害などの重大な症状に発展し、最悪の場合は命を落とす可能性さえあります。
身体が発するかすかなサインに、敏感になりましょう
大人になってから急に食物アレルギーを発症する可能性があることや、ほんのかすかな「違和感」が始まりのサインであることが、おわかりいただけたと思います。もし食物アレルギーに気づいたら、アレルゲンとなる食材を極力避けるのが、賢明な対処法です。
そのうえでアレルギー検査を受けて、自分が気をつけるべき食材を知ることも、良い対策でしょう。ただし、アレルギー検査の結果でそれほど危険ではないとされた食材が、強いアレルギー症状を引き起こしたり、逆に、気をつけるべきとされた食材を食べても、ほとんど反応がないという話は、よく聞かれます。
検査結果を100%信じるのではなく、自身の感覚と経験も大切にしたほうが良いようですね。自分の身体を守れるのは、自分だけ。普段と違う「違和感」があったら、食事内容や症状をメモしておくことをお勧めします。