マンションでも演奏をしたい人にとっての最終手段
音楽が趣味という人にとって集合住宅は、完全なアウェー状態です。
自分の部屋だから大丈夫と思い楽器を奏でると、数分もしないうちに『しつこくチャイムが鳴ったり』『壁をドンドンと強く殴る音が聞こえたり』と注意されることがあります。
明らかに騒音として捉えられた、隣人からの苦情や理解できない人達からのクレームです。
ひどい時はマンションオーナーから退去命令を言い渡される事さえあるかもしれません。
もっと音楽に浸っていたいという思いがあるのに、それを潰すように“集合住宅”“周囲からの理解の無さ”という重みがのしかかってしまうのです。
引っ越しもせず、しかも集合住宅の中で趣味の音楽を堪能するにはどうしたら良いでしょうか?
その方法の一つに部屋を丸々防音スタジオにするという方法があります。要は防音リフォームするという方法です。リフォームなので出費は覚悟しなくてはなりませんが、この方法を使えば引越しもせずに気兼ねなくその場で演奏する事ができます。
音楽好きにとっての最終手段と言っても良いでしょう。
しかし防音リフォームをするに当たり、知っておかなくてはならない点がいくつかあります。
どんな点でしょうか。
防音リフォームするに当たり知っておくべき6つの項目
ポイント1 『許可は必ず』
防音リフォームができると言って許可なく工事を始めてしまうと、それこそ退去命令の対象になってしまいます。あくまでもその部屋の持ち主はオーナーです。住む事ができているのは“契約して借りている”からです。
勝手に手を付けてしまったためにオーナーの逆鱗に触れ、元に戻すよう命じられてしまえば、倍の出費をする羽目になります。
室内で演奏をしたいのであれば、その旨をオーナーにしっかり伝えて許可を得たのち工事に入りましょう。
ポイント2 『防音材を張る場所をしっかりと知る』
防音材として使用できる防音シートや防音ボードをやみくもに置いても効果は表れません。音は空気があれば伝わっていく性質があるのですから、隙間を作らない様に防音材を張る事が大切です。
イメージとしては天井や壁を包み込むように張っていくと良いでしょう。その際特に音漏れしそうだなと思われる危険ポイントは、防音材を厚手の物にするか重ねるという方法をとると良いかも知れません。
ポイント3 『天井・壁以外の音漏れ場所をシャットアウトする』
音が伝わるのは天井や壁だけではありません。窓も音漏れがする場所です。
窓の防音対策は何をすれば良いのでしょうか?二重のサッシがついた窓にするだけでもかなり効果があります。さらには隙間テープの使用や防音性を持った厚手のカーテンの併用も有効です。
ポイント4 『足元の注意も怠らず』
音の広がりは前後左右のみとは限りません。全方向に放射状に広がるので、床にも注意をむけると良いでしょう。特にピアノなど地面において使用する楽器に関しては床が一番の重要ポイントとなります。防音シートに畳、さらに厚手の防音カーペットを重ねるなど念には念をいれた対策が必要です。
金銭的に余裕があるなら『浮き床構造』にするという手段もあります。
その他にもピアノにできる工夫として、足の部分にキャスターを取り付けるという事も出来ます。これにより音の伝わりを減らす事ができるでしょう。
ポイント5 『出入り口の防音も完璧に』
天井・壁・床を完璧な防音対策にしても終わりではありません。出入り口になるドアの部分の防音もしましょう。楽器店や楽器のメーカーでは防音用のドアを扱っています。これに交換をするだけで、防音効果はかなり高くなるでしょう。
ポイント6 『意外な落とし穴を忘れずに』
ポイント5 の段階まででかなり防音対策はとれたことでしょう。しかし意外な落とし穴がある事にお気づきでしょうか。ここまで密閉してしまうと換気ができなくなり息苦しくなってしまうのです。
防音リフォームと言えども換気は必要です。
だからと言って換気扇をつけてしまえば音は外に漏れてしまい、これまでの苦労が水の泡になってしまいます。どうしたら良いでしょうか?
防音式の換気扇というものが良いでしょう。換気扇なので多少の音漏れは否めませんが、通常の物よりもずっと防音性は高くなっています。
おまけ 『部屋を買う』
楽器メーカーでは防音ルームというものを販売しています。少々値が張りますが用途に合わせた設計がされているため、最適のスペースで演奏できる空間が手に入ります。