あの育毛方法の信憑性はいかに?
今から何十年か前に流行った育毛方法で、ハゲた部分をブラシでポンポン叩くという行為が流行りました。世の中年男性は、髪の毛再生手段としてこれでもかと頭を叩いていたのを懐かしく思います。いつしかその行為は、中年男性の代名詞的な存在となりつつありました。
しかし、そのポンポン叩く行為で髪がフサフサになったという体験は、TVや雑誌で取り上げられた記憶がないのでは。実際その育毛方法の成果はあるのでしょうか?また、今でも継続して行なっても良いものなのでしょうか?
理論は間違ってはいない。だけど…。
ブラシで頭を叩いて育毛を促すというのは、どういう考え方のもと誕生したのでしょうか?
その理論を紐解くと、納得のいく見解に辿りつきます。しかし、重大な副作用を見逃していたのも解ります。
あのブラシで頭をポンポン叩く行為は、本来『頭皮を叩いて血行を良くし育毛を促そう』という理論で誕生しました。確かに血行が促進されれば、頭皮についた油汚れやシャンプーカス・フケは落ちやすい環境になります。それらをキレイに洗い流すなら育毛環境は整います。
しかし、叩くことによって育毛にとって“あってはならない”事を引き起こしてしまいます。それは、『皮膚組織を死滅させる』という事です。皮膚組織の死滅により、抜け毛を増やす結果になってしまいます。
また、叩き過ぎにより頭皮にダメージを与え、その他の二次災害(炎症)を引き起こす可能性もあります。こうなってしまえば育毛促進にはなりません。
その他、過去に流行った育毛方法
海藻類だけを食べる
海藻には頭髪に良いとされている成分が豊富に含まれています。また、髪に潤いやコシを与えます。
しかし、育毛となれば別問題で、単体で食べて効果があるという訳ではありません。海藻が消化され、それがそのまま髪の毛になるとは考えにくいからです。育毛を考えるなら海藻類だけでなく、バランスの良い食事が大切です。特に髪の成分はタンパク質なので、その点の補給を忘れない事が大切です。
毎日シャンプーする(朝シャン)
髪を洗う事は、汗臭さや汚れ、皮脂を取り除くので有効な手段です。しかし、洗い過ぎはよくありません。しかも朝の忙しい時間に丁寧なシャンプーをする事は難しいと思われます。きちんとすすぎができないとシャンプーカスが残り、髪を汚す事になります。
また、髪の毛は夜中に成長し必要な成分が分泌されます。朝にシャンプーをしてしまうと、せっかくの成分が取り除かれてしまいます。剥き出しの状態で一日を過ごすなら、髪の毛は相当なダメージを受ける事になります。
朝シャンする場合は適度に、そしてしっかりと洗い流しケアをするのがベストでしょう。
熱いお湯が汚れを落とす
シャンプー後のすすぎに熱いお湯を使うと、より一層汚れが落ちるというのもありました。しかし、熱いからと言って必ずしもキレイになるとは限りません。むしろ高温により頭皮が炎症や火傷を起こすなら、育毛にとって大敵です。
強いブラッシング
これも、ブラシで頭をポンポン叩く行為と同じことが言えます。血行を促進させようと思っていても、頭皮に傷をつける結果になりかねません。皮膚組織の死滅・炎症は育毛を妨げるだけです。
刺激よりも、正しい知識と髪へのいたわりが育毛を促す
昔に流行った育毛方法は、一理ありますが落とし穴もあるという事が理解できました。その落とし穴が抜け毛を促進しかねないものとなる事もあり得ます。一部分だけを考えるのではなく、二次災害にも目を向ける事が必要でしょう。
抜け毛や薄毛予防をし、フサフサの髪の毛を目指すなら『正しい知識』と『髪へのいたわり』が大切です。加えてバランスの良い食事や、シャンプー後のすすぎをしっかりと行いケアする事も必要です。決して頭皮に強い刺激を与えるというような間違った方法に振り回されないようにしましょう。