声を出すためのボイストレーニング
ボイストレーニングといえば、歌手や俳優が受けるトレーニングというイメージが強いかもしれませんが、最近では、音痴の克服やカラオケの上達法として、トレーニングを受ける人が増えています。
ただし、歌のトレーニングだけでは、単なるボーカルトレーニングになってしまいます。
ボイストレーニングとは、「声を出す」ということに関するトレーニングです。
トレーニングすることによって、正しい発声、美しい発音、豊かな表現力が身に付きます。
言葉を発するのには、「発声」「共鳴」「構音」の3つの過程を経ています。
- 発声
肺から送られてきた呼気が声帯の間を通過するときに、声帯を振動させて音声を生じさせる。 - 共鳴
喉頭から口腔、鼻腔までの共鳴腔の形を変化させて、音声を大きくしたり、それぞれの特徴を与える。 - 構音
喉頭から口唇・鼻孔までの呼気の通路の形を変えたり狭めたりすることで、音声に変化を与えて、それぞれの言語音にする。
ドレミファソラシドの音階で「アエイウエオアオ」と発声する練習法がありますが、このような練習では、発声や共鳴のほか、声域、音感、滑舌を訓練することができます。
ボイストレーニングで表情筋が重要とされる理由
滑舌には、舌骨上筋群と表情筋が関係しています。
舌骨上筋群が舌を動かし、表情筋が最終構音を決めることで、滑らかな滑舌が実現されるのです。
さらに表情筋は、声の繊細なニュアンスや音色を与えるとされています。
また、豊かな表現力が重要とされるボイストレーニングでは、表情が重要なポイントなります。
構音のトレーニングとされる、唇を尖らせたり口角を広げたりのエクササイズや、負荷をかけながら早口言葉の連続などは、表情筋のトレーニングにも有効なのです。
腹式呼吸のインナーマッスル強化
発声を効率的に行うため、腹式呼吸をマスターすることが必要になります。
腹式呼吸は、鼻から吸い込んだ息をお腹にためて口から吐き出す呼吸法で、これによって発声がよくなり、声が通るようになります。
腹式呼吸では、呼吸の際のお腹を凹ませる運動によって、腹部のインナーマッスルである腹横筋が鍛えられるといわれています。
腹横筋は、腰のまわりを支えて姿勢を維持する働きがあるため、鍛えることによって、きれいな姿勢と腰痛予防に効果があります。
ビジネスにおけるボイストレーニングの効果
さまざまビジネスシーンにおいて、「話す」ということは重要なスキルとなっています。
最近は、ボイストレーニングを研修として取り入れる企業がふえてきています。
プレゼンテーションや営業、講演、発表、司会など、人前で話すことが必要とされる機会はさまざまです。
このような場面で、得られるボイストレーニングの効果があります。
- 声がよく通る
- 滑舌が良い
- うまく感情を込めることができる
- 発言に自信が持つことで説得力が生まれる
それによって、聞きやすい、伝えたいことがうまく伝わるといった良い結果につながります。