経理に配属されたら取っておきたい2大「簿記検定」の話|トピックスファロー

  • フリーライター求人
2015年2月9日
経理に配属されたら取っておきたい2大「簿記検定」の話

経理の仕事をすることになったら、取っておきたい資格の簿記検定。派遣でも、経理の話に及べば「日商簿記検定3級は必須」という案件は珍しくありません。
いつかは経理の仕事をしたい人も簿記は勉強して損のないスキルです。
今回は、簿記の世界でメジャーな2大検定についてお話します。

ファイナンシャルプランナー(AFP)兼WEBライター
  

簿記の知識を身につけるには検定を受けることが一番?

正社員として会社で仕事をしていると、時には「異動」ということもありえると思います。
そして経理や財務に関する部署に配属される、ということも珍しいことではありません。

また、派遣社員や契約社員として仕事をするときも、経理や財務の職種は案外多いものです。
会社にとって経理は「お金の流れを知る」ために重要な部署であり、決してなくなることのない部署だからです。
そこで仕事をすることになった場合、どんな知識が必要になるのでしょうか?

簿記の資格

必須ともいえるのが「簿記の知識」です。
企業がお金を使った場合、いつ、誰が、どういう理由で、どれだけ」使ったのかということを記録しておかないといけません。
その記録(専門的用語では「記帳」といいます)するのが簿記です。そのため、経理に配属されたら、もしくは、経理の仕事をしてみたいと思ったら、簿記の知識を身につけるのは当然のことといえるでしょう。

Web

「せっかく勉強するのだから、資格をとっておきたい」と思うかもしれません。
もちろん、資格を取ればそれだけでなんとかなるというわけではありませんが、資格のために勉強することで、体系的な知識はつきます。

そこでみなさん資格を取ることを目指しますが、そもそも簿記検定にはいろいろな種類があるということはご存知ですか?
今回は、その中から「2大簿記検定」といわれる資格についてご紹介します。

一番メジャーな資格です「日商簿記検定」

ただ「簿記検定」とだけいった場合、この日商簿記検定を指すことが多いようです。
正式には、日本商工会議所簿記検定といいます。名前の通り、日本商工会議所が主催しています。

4級から1級までありますが、4級は受験者がほとんどいないので、ここではお話を省きます。
当然のことですが、数字が少なくなればなるほど、資格としての難易度は上がっていきます。

合格率を見てみると、3級は40%前後、2級は30%前後、1級は15%前後で落ち着いています。
しかし、これはあくまで平均値で、同じ級でもものすごく簡単な回もあれば、逆に難しい回だったりすることもあるので、合格率にはあまりとらわれず、勉強することが一番大事かもしれません。

資格を取るための勉強の始め方

簿記を初めて勉強する人は、3級からトライしてみるといいでしょう。
3級では商業簿記のみが出題範囲ですが、商用簿記が理解できていないと、2級で加わる工業簿記、1級で加わる会計学と原価計算の理解にはつながらないからです。
3級だけで済ませるつもりがない人は「ちゃんとした理解に基づいた」勉強をしていくことがその後の成功につながります。

なお、派遣会社の仕事などで、「経理未経験でも歓迎」という経理の仕事の情報が流れてくることがあります。
そういう場合、簿記3級は最低限取得していることが応募条件のようになっていることもあります。
「経理未経験だけど、どうしてもやってみたい」という人は、3級は最低限とっておきましょう。2級まで取れれば言うことありません。

取れればすごい「全経簿記能力検定」

もう一つ、簿記の世界ではメジャーといわれている検定について。簿記や関連するビジネス上の知識を教える専門学校などで組織されている「全国経理学校協会」という協会があります。
そこでも簿記検定をやっています。全経簿記能力検定です。「全国経理学校協会」を略して「全経」というのです。

試験は4級から1級、それに加えて上級というランクもあります。当然、上級が最難関で、それ以外は数字が少ないほど難しいという設定になっています。
先に書いた日商簿記検定に比べると、受験者数も試験会場も格段に少なくなります。企業の経理の人でも、「日商簿記検定は知っているけど、全経簿記能力検定なんて知らない」という人は珍しくありません。

税理士試験に役立つ資格

しかし、この資格が注目される場面があります。それは税理士試験を受験するときです。簿記の勉強をしていて、「簿記の資格を発展させて、税理士の資格につなげていきたい」という夢を描く人もいるかもしれません。

ところが、税理士試験には出願資格があります。大学で経済や法律に関する授業を1科目でも履修していたならそれだけで出願資格があるのですが、それがない場合、どうすればいいのでしょうか?
そこで必要になるのが、この資格です。つまり、「日商簿記検定1級か全経簿記能力検定上級に合格していること」で出願することができるようになります。

税理士試験の受験、という意味では、同等に扱ってもらえるのです。大学に行っていない人、大学で経済や法律の授業を履修していない人は、このことをよく覚えておきましょう。

なお、全経上級は日商簿記1級に比べると合格しやすいといわれています。「70%以上で合格」という基準自体は変わらないのですが、日商簿記1級が100点満点なのに対し、全経上級は400点満点となっています。
つまり、細かいところまで採点されるので、点数を細かく稼ぎやすいことが特徴として挙られます。なかなかねらい目の試験なのです。

まとめ

ここで紹介した以外にも、全国商業高等学校協会というところが主催する全商簿記検定という資格があります。
ただ、この資格は主に商業高校の生徒さんが取得するものなので、今回は説明を省きました。

働いている限り、お金の動きと無関係に仕事ができる、ということはありえません。
経理の仕事をする、という場合以外でも、「あれ、お金の動きってどうなっているんだろう?」という疑問が生じたら、簿記の勉強を始めてみてもいいのではないでしょうか。

著者:松沢未和

ファイナンシャルプランナー(AFP)兼WEBライター
アイコン
2014年にファイナンシャルプランナー(AFP)の資格を取得した兼業WEBライターです。もともと文章を書くことが大好きなので、この仕事を兼業として選びました。相続や保険の分野のお話をわかりやすくまとめてお話できればと思っています。これ以外にも、たくさん資格は持っているので、資格の取り方の話しもしたいところです。また、食べ歩きと旅行とコスメ研究が大好きです。日々の研鑽の成果!?を文章にぶつけていきたいです。至らない点がいろいろあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。