人生を掛けた転職で失敗してしまう原因とは何か?
おそらくみんな一度は遊んだことがある「人生ゲーム」では、転職はゲームをよりスリリングに盛り上げる要素として登場します。
上手くいけば月収4000ドルのサラリーマンから月収12000ドルのアイドルや月収20000ドルの医者に転職できるけれど、失敗すれば収入の少ない職業に転職してしまうことさえある、まさに人生を掛けた賭けです。……もっとも開拓農場の方がもっと大きな博打なのですが。
そしてゲームではない、リアルの人生でも転職は大きな博打になってしまうものです。そしてゲームのように上手く高給取りの職業に転職できずに、収入減になってしまうことも良くある話なのです。
収入アップを狙って失敗
労働の対価としての報酬は働く理由であり転職に踏み切る理由でもあります。報酬が少なければ満たされていないと感じ、報酬が多くなれば正当な評価を受けていると感じるものです。 そのため、「前職よりも収入アップ」を期待して転職を図ったものの、逆に収入ダウンにつながってしまったという失敗例も少なくありません。
役職を狙って失敗
課長・係長とちっぽけでも役職持ちになるということは、勤め人にとって大きな意味を持ちます。企画の進行や部下の失態などの責任を負う立場になってしまうものの、役職手当などの給与面でのプラス、そして「役職持ち」というだけで細君が近所の奥様方に大威張り出来るというものです。
しかし、「前職で役職持ちだったから転職先でも同じかそれ以上の役職につけるだろう」と甘い考えを持っていたら裏切られて平社員からの再スタートを切ることになってしまった…なんてケースもよくある話なのです。
転職エージェントを頼って失敗
転職をする場合は有給休暇などを利用して自分で転職先を見つけてくるケースと、いわゆるヘッドハンティングによって転職先を斡旋されるケースがあります。
ヘッドハンティングの場合、転職エージェント(代理人)と呼ばれる人が依頼を受けた企業に合った人材を探してきて「転職しませんか?」と声をかけ、転職が決まれば企業からインセンティブを受け取るという形をとっています。
「多くの同僚の中で自分だけが企業とエージェントのお眼鏡に適った」と思いがちですが、実際はエージェントが持っている転職希望者のリストの中から無作為に選ばれた数名の一人でしかありません。
そのため、転職してみても待遇が思ったほどよくなかったり自分に合わない仕事を与えられたりでプラスに働かないこともしばしばです。
転職に甘い夢を抱いていないか?
転職に失敗してしまう原因の一つには、「転職という行為が逃避行動になっている」ということが言えます。
今の自分にはもっとふさわしい仕事があるはず、自分を正当に評価してくれる会社があるはず…というような現状を打破してくれる力が転職にはあると考えてしまうことがよくあるものです。
しかし、実際の転職はそんなに甘いものではありません。額面上必要とされている能力や技能だけでなく「会社への適性」も問われることになるからです。
口約束で転職を決めていないか?
好条件での転職と思いきや、前職よりも待遇が悪い転職になっていたという場合、転職先またはエージェントとの交渉の成果が文書化されていないことが原因になっていることが往々にしてあります。
家族や友人の関係であれば口約束でもある程度の有効性が発生するのですが、社会では口約束を交わしていても履行する義務はないのです。
そのため、口約束を安易に信じ込んで転職して失敗してしまうことも良くある話なのです。
転職先の評判は調べているか?
就職した会社がブラック企業だった、ちょっと話し合いが縺れたけど何とか転職した、転職先もブラック企業でした…こんな話は転職失敗談には良くあるものです。
今は昔とは違って、ネットを利用すれば会社の経営状況や評判を調べることも難しくない時代なので前もって調べようと思えばいくらでも調べることが出来ます。
情報収集は求人誌やハローワークだけでなく、ネットも利用して十分すぎるほどに行うのが鉄則です。
絶対に転職に失敗しない方法
絶対に転職に失敗しないようにする方法、それは「最初から転職しない」ことにつきます。
ある意味頓智問答のような答えですが、世の中には「今すぐ転職すべき人」と「別に転職する必要がない人」の両方が居るものです。
そして、この「別に転職する必要のない人」ほど転職に甘い夢や希望を抱き、「今すぐにでも転職すべき人」ほど転職したがらない物なのです。
必要ではない転職は、往々にして熟考なしで転職先を決めてしまったりエージェントの甘い誘いにホイホイ乗ってしまったりで、プラスに働かないものです。
一度自分の現職の良いところを見つめなおすなどして、転職すべきかどうかを見つめなおすべきなのです。