食事から健康を考える『薬膳』
「どうにもだるい」「最近、息切れがする」「やる気が出ない」。そんな経験はありませんか? 中医学では、この「何となく体調が悪い状態」を『未病』といい、本格的な病気にかかる前段階と考えています。 そういった体の不調を、未病の段階のうちに食事によって整えようとする考えが『薬膳』の基本です。
薬膳と漢方の違い
薬膳と漢方は、どちらもルーツは中医学にあり、両者を分けて考える必要はありません。もともとは『食事も薬』と考えられていたほどです。
それでもあえて分けるなら
- 複数の生薬を混ぜて、『薬』として服用するのが漢方。
- 季節の食材を使い、日々の『料理』として食べるのが薬膳
といった所でしょうか。
ちなみにショウガやカブは体を温めてくれる生薬の1つ。 スパイスがたっぷりと入ったカレーは、立派な薬膳料理と言えるでしょう。
日本人にとって薬膳は日常的に食べている、決して特別なものでも難しいものでもありません。
薬膳の入門『薬膳アドバイザー』
薬膳に関する資格は、国際的な難しい資格から通信講座で受けられるものまで、実に多くの資格が存在します。 その中でも、入門的な立ち位置にあるのが『薬膳アドバイザー』です。
薬膳アドバイザーは国際資格への第一歩
薬膳の資格としては、中国政府が管轄している研究機関「中華中医薬学会」。 ここが認定する『国際中医薬膳師』『国際薬膳調理師』の2つが有名です。
これまで、日本でこの2つの資格を受験するには、国立北京中医薬大学日本校を卒業する以外に方法がありませんでした。
しかし、薬膳アドバイザーの認定団体である「日本中医食養学会」において、指定の条件を満たす事で、『国際中医薬膳師』と『国際薬膳調理師』の受験資格をえることが出来ます。
これは、『日本中医食養学会は中国政府に正式に認められている』事の証明と言えるでしょう。 薬膳アドバイザーは、薬膳において信頼ある資格を目指す為の、最初の資格でもあるのです。 詳しくは日本医食養学会の『薬膳アドバイザーとは』を参考にしてください。
薬膳アドバイザーになる条件
この資格を取るための試験はありません。 日本中医食養学会が認定する『薬膳初級講座』を40時間以上、受講することで認められます。 ただし、その上にある「中医薬膳指導員®」と「中医薬膳調理師」の資格には、合計で60時間の受講の後、試験に合格する必要があります。
薬膳アドバイザーで就職
薬膳アドバイザーの資格だけで就職する事は難しいでしょう。 しかし栄養士や調理師、介護士といった食や健康にかかわる資格を合わせると、特別なアピールとなるのではないでしょうか。
また、『国際中医薬膳師』『国際薬膳調理師』であったとしても、日本においては民間資格です。 国際中医薬膳師の資格があっても、自分で薬を調剤する事は出来ません。 この場合は、日本の国家資格である「薬剤師」の資格を取る必要があります。